第158話 メトロイド、重しロイド
文字数 1,143文字
非電源型ゲームに興じているメシヤたち。メシアの表記が正しいとツッコまれることがあるが、もっと昔の書物を見ることをオススメする。
「せっかく医者になったのにね」
人生ゲームである。マリアが医者というだけで
「山がルーレットになっているところが、良いアイデアだと思うぜ」
作り手視点でみがちなイエス。
「子供が増えて一台におさまらなくなるってなんか良いネ!」
お前らのために○○党があるんじゃない、可愛い子供たちの未来のために○○党があるんだ。
「ドンジャラとかUNOとか、電子ゲームとは違う臨場感がありますわ」
ただ、4人同時の対戦型ゲームなどは盛り上がる。足の引っ張り合い、騙し騙されのデスゲームだ。
「こういうので金銭感覚も養われるのよね」
ドル紙幣を几帳面に整理するマリア。電子マネーだけだと、内容に見合っていないサービスに対して、不当にふっかけることを悪く思わない精神が芽生えやしないか。
(強盗の刑罰は大変重いのだということを、もっと周知させないといけないですわ)
「まだまだ暑いな。扇風機を強くするぞ」
基本薄着のイエス。カッターシャツが筋肉に沿って張り付いている。
「わッ! 気をつけてヨ、イエス!」
エリのドル紙幣が風で飛ばされた。
「これを使うと良いよ。ウチのカルトンで使ってる重しだよ」
「毎日違うやつが出て来るわよね。どんだけ持ってんのよ」
おにぎりやラーメン丼といった食べ物の重しに始まり、植物、建築物、乗り物、工具、アニメキャラとパターンは尽きない。
「ちょっとしたことですが、こうしたアイテムがふとしたコミュニケーションを生みますわ」
メシヤらしいと、レマは再確認した。
「職場でも重しは結構役に立つんだ。目印にもなるしな」
同じ形のモノがいくつもあるより、こうした使い分けが判別を容易にする。
「ここにアレがあるよっテ、すぐ分かるネ!」
シグナルは直感的なものが相応しい。
「僕の駒が扇風機でどっかに行っちゃったみたいだ」
本当に台風で飛ばされたようである。
「コレを使えばいいんじゃない?」
メシヤが作った、シティコネクション・クラリスカーの重しであった。
「オープンカーじゃ無いから、子供を乗せられないよ」
マリアの提案が嫌なわけで無く、真面目に考えている。
「ミニマムおはじきをくっつけれバ?」
クラリスカーが金物なので、屋根に乗せれば可能だ。
「それならマイクロフィギュアがあるんだ」
「メトロイドかよ!」
メタルロイドなので、こちらもくっつく。
「フィギュアの処分を促される世のお父さま方も、このマイクロサイズフィギュアなら奥さま方の理解も得られやすいのではないでしょうか」
スペースの占有は、場取るに発展しやすい。