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文字数 397文字

 その頃――。

「ふう、何が楽しくて5年も内定調査してろってんだ。しかも本社内部じゃなくて、協賛企業だぞ? 頭おかしいだろ。その間に、一番気合い入ってたシュウも死んじまったし……。どいつが『続けよう』って言い出したんだか」

「手塚~、結局何かわかったことは?」

「そーねぇ~……。やっぱEPIC社が真っ黒ってことだけかな」

 事前にキャストのフリをしたスパイが仕込んだカメラを再生すると、新しいアトラクションの中で起こっていた殺人が画面いっぱいに映し出される。それを憂鬱そうに見つめると、田楽範義(たらく・のりよし)こと手塚大和(てづか・やまと)はため息をついた。

「こんな大きなヤマ、どうやって押さえろって言うんだよ……」

 つぶやくと、今日も女性警官たちと撮った自撮り写真をメッセージに添付する。

『男ふたりのグローバルワンダーランドは楽しかったか? こっちは合コンさいこー!』

「ったく、あのクソガキ。やっぱり悪党の血は争えねえんだな」――。
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