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文字数 445文字

「……ん、ふわ……ここはどこだ?」

辺りを見回してみる。今度はどこへ連れてこられたっていうんだ?
警戒していたが、室内は見慣れたものばかりで溢れていた。
ここは……。

「俺の部屋じゃん。なんとか生きて帰れたってことなのか。それとも、今までのことはすべて夢だったとか?」

まだ身体がふわふわする。

俺はポストから新聞を取り出し、さっそく一面を見てみる。株価暴落の記事や議員の脱税疑惑……。

当然なのか、EPIC社については何も触れられていない。
今までのことは悪い夢だったんだろうか。

だけど俺にはないんだ。昨日の記憶……7月31日の記憶が。
新聞に書かれている日付は、8月1日。

いや、考えるのはよそう。俺はいつものように、大学最後の夏休みを一日中ベッドの中で過ごしたんだ。

でも、もうそんな毎日は終わりにしよう。

起き上がると、パソコンで就活サイトを立ち上げる。
今からだと遅いかもしれない。だけどやらないよりはマシだ。
楽して金を稼ぐなんて、甘い考えは捨てよう。
しっかり将来を見つめないと。道を外さないように……な。
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