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文字数 568文字

 僕は久々に実家へと帰った。談話室では祖父と父がチェスをしながら待っていた。

「どうだったか? 久方ぶりのグローバルワンダーランドは。熱中症にはならなかったか?」

 祖父の問いに、僕は笑顔で答える。

「ええ、楽しかったです。1リットルのペットボトルも持っていきましたし。おじい様や父上の仕事がよくわかりましたから」

「それで、お前は跡を継ぐ気になったのか? 意固地になって平社員から始めると言っていたが?」

 父の言葉にも大きくうなずく。今日のすべての出来事で、僕の決心はついた。だから。
横にいた銀二が、ふたりに向けて拳銃を撃つ。その腕前はなかなかだ。見事脳天を撃ち抜いている。

 僕は死体を蹴落とすと、祖父の座っていたイスに腰かけ、脚を組んだ。

「安心してね。これからは表の仕事は僕が、裏の仕事は遠山組が完璧にこなすから」

 さて、残った子ネズミはあと1匹か。あいつは一体何を考えていたんだろう。ただのバカか? それとも何か考えがあって?

「ん~……あいつのことだけはわからないんだよね。どうしよう、岡さ……銀二」

「ああ、難しいな。無能なヤツほどあと始末に困る。下手に死体が出てきても問題だし、EPIC社に送れるようなプレゼントにもならない」

 僕らは2つの死体を目の前に、どうしようもないアホをどう始末するか悩んでいた。本当に無駄な時間だと感じながら。
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