第68話 贅沢をしなけりゃみんな健康

文字数 984文字

先日、人間ドックと脳ドックを受けてきた。
妻子に催促されて嫌々ながら受けてきた。
もし病気でも兆候がなければ知らないままで仕事をしていたい。
歯が痛いとか転んで骨を折った時等は病院に行く。
それ以外はこっちからわざわざ病院には行きたくない。
どっか病気はありませんかなんて聞きたくない。
人間ドックや脳ドックは最新機器で体をチェックする。
小さな兆候から病気を未然に防ぐ事にある。
この年になれば、探せばどっか悪い所があるだろう。
痛くもなければかゆくもない。生活に支障なければそれでいい。
腰や痛いや、疲れやすい、物覚えが悪いのは当然と思う。

親父の時代はこういうことはなかった。
年老いて体が弱るのは自然だし、死ぬ事は寿命と思っていた。
親父の時代はみんな動けなくなるまでまで働いていた。
それでもけっこう長寿だった。

暑い日も寒い日もいい物を着ていなかった。
食事もいい物を食べていなかった。
冷暖房のついたようないい所に住んでいなかった。
それが当たり前だった。自然のままに生きていた。
分相応だと思っているから他人の事が気にならない
私もそういう生き方をしたい。
そういう生き方をまねている。

昨日、診断結果が手紙で届いた。健康な体だった。
「異常無し」が並んでいた。「やや肥満」が不満だった。
妻子は安心した。これだけはやった価値があった。

衣食住とも贅沢はしていない。死ぬまで働こうと思っている。
仕事は自分で作り出していく。
動く事は「体の健康」のため。
考える事は「頭の健康」のため。
感動し共感することは「心の健康」のため。

私は、心の健康を保つため朝一番に人の文章で心のシャワーを浴びている。
今朝のシャワーはサムエル・ウルマン「青春とは」だった。

・・・・・・・・・・
青春とは 真の青春とは
若き肉体のなかにあるのではなく
若き精神のなかにこそある
・・・・・・・・・・
気持ちのよいシャワーだった。

夕べ、冷蔵庫の所で妻がペットボトルに水道の水を入れていた。
「何してんの?」
「アルプスの水、買ってくるのを忘れちゃった」
「それって、いつもなのか?」
「うう~ん、今日だけだよ」
「昨日の俺が飲んだ水は水は?」
「あれは清涼飲料水だよ、ホントだよ」
「そういう時は言えよな!」
「いつもじゃないよ!」
「今度からは自分で買ってくるからいいよ!」
「好きにしたら!たいしたことじゃないんだから」

健康も幸せも、今はみんな社会に頼っている。

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