第100話  目標の100回目は未完!

文字数 662文字

自分の思いを誰かに見てもらおうと思って書いてきた。
目標は100回という切りのいい数字だった。
毎日書いているうちに大きな疑問が生じてくる。
何のために書いているんだろう。
多少は誰かが共感してくれているのだろうか。
読み返してみるとたいした内容ではない。
同じようなことの繰り返しだ。
やはり私には作家の資質はない。
そんなことは最初からわかっていた。

じゃあなぜ書いている。
自分のためだ。ボケないようにするためだ。
自己満足のためだ。年をとってもこのくらいはできるぞという意地だ。
目標の100回連載までは続けようと書いてきた。
書く事が思い浮かばない日もある。
閲覧数も夢に思っていたほどではない。誰の役にも立っていない。
やめたらどうなる。ボーっとしているだけでする事がなくなる。
ボケてなくても、ボケたと思われる。そうじゃなくてもボケが始まっている。
じゃあ続けよう。でも何を書いたらいいんだ。

100回目は、いいものを書きたい。でもいいテーマが思い当たらない。
これでは記念の100回目は未完となってしまう。
「蜜柑」は好きだが、目標が「未完」となるのは自尊心が許さない。
書き慣れているせいか、思いつきだけなら2000文字くらいはなんとか書ける。
何でもいいやじゃあ、100回記念にふさわしい内容にはならない。
・・・・・本でも読んで少し充電してからにしよう。
あ~あ。少し休んでみよう。
こうして、だんだんやる気がなくなって、老化していく。

とうとう100回目は未完となってしまった。
やっぱり自分は凡人だった。
「作家」になれるかもしれないと「錯覚」していた。
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