第14話 精神的な幸せとは何だ

文字数 2,463文字

人間の優しさとか、心の広さとか、奉仕の気持ちとかが一番難しい。
なかなか人間の精神的成長を実現できる方法が思い当たりません。
貧しい生まれだったせいか、欲しいものが手に入ると「幸せ」を感じます。
でもそれでは精神的に貧しいとは感じています。

過去を振り返ってみて私が一番「幸せ」と感じた事や感動したできごとは、
人に優しくされたとき。人からほめられたとき。人から感謝されたとき。
いい小説やいい映画、いい音楽等に出会った時です。
それからいい人に出会った時も生まれてよかったなと思う時です。

自分が感謝されて感動するのだからこれからは私が人に優しくできる人になりたい。
人の為になる事をしようと思う。まず身の回りの事から始めよう。
何か頼まれたら気持ちよく実行することから始めよう。
いつも上機嫌にしていて周りに気を使わせない人間になろう。
精神的な幸せは「人に感謝されること」なのでしょうか。

あと残された十有余年の過ごし方が問われる世代になってきました。
あと十年もあるのです。その気になって覚悟を決めればかなりの事ができそうです。

幸せか不幸かは人間関係が一番影響します。
相手の喜ぶ事を中心に考えれば楽しく人生が送れるような気がします。
人の為に行動する事が自然にできるように日々の習慣を見直していこうと思います。

元旦の朝、ご来光に神頼みをしました。
小さな身の回りの事から人には言えない望みまでいっぱいお願いしてきました。
今までは自己中心でした。これからは相手中心にしたいと思います。

誰だって健康で明るい老後を過ごしたいと思っています。
しかし何もしないで楽しい明るい毎日はまずありません。
それなりに心構えや努力や覚悟が必要になってきます。
病気を未然に予防するためには適度な運動や食事の管理が必要です。
認知症を予防するには適度な学習が必要です。

社会の中で円満に過ごすためにはそれなりの心構えが必要です。
毎日の生活は自分だけではなく相手もいるのです。そこから喜怒哀楽が生じます。
考え方一つで不幸にもなるし幸せにもなれます。
「またできなかった」を「よくそこまでやった!」と言いかえることができます。
相手が失敗したって「ナイストライ」と考えれば楽しいですね。
だから日ごろからポジティブな言葉を意識して使う事だと思います。

「嬉しい、楽しい、元気です、面白い、ついている、最高、大丈夫。
なんとかなる、まあいっか」等「幸せ言葉」はいっぱいあります。
「ありがとう、感謝します、いいね、大好き」人が喜ぶ言葉です。
「グッド、オッケー、感動、お見事、さすが、かわいい」
相手を褒めているうちに幸せな毎日が送れるような気がします。。
幸せな気持ちは幸せを呼び不幸な考えは不幸を呼ぶ。
私にも何度も心当たりがあります。

あっという間に1ケ月が過ぎていきますね。
なんという時間の早さでしょう。楽しい事もすぐに過ぎてしまいます。
苦しい事もすぐに過去になってしまいます。
過去は思い出、未来は何が起こるかわからない未知の世界。

今のこの瞬間だけが生きている幸せな自分と感じられます。
人生は無常と考えれば楽に生きられる気がします。

遠い昔、鴨長明が書いた方丈記「諸行無常」いい文章です。
「ゆく河の流れ」を暗記した事があります。
この頃その文章をよく思い出します。それも悲しい事があった時に思い出します。
人生のはかなさを感じさせる名文です。

ある日、教室で面倒を見ていた白い猫がなくなりました。
教室へ来てから約十年の生涯でした。
教室の裏で眠るような顔でなくなっていました。

・・・・ゆく河の流れは絶えずして
・・・・しかももとの水にあらず
・・・・よどみに浮かぶうたかたは
・・・・かつ消えかつ結びて
・・・・久しくとどまりたるためしなし

・・・諸行無常を感じます。

どこかで人が亡くなりどこかで人が生まれる。
何かが始まり何かが終わる。嬉しい事もある。悲しい事もある。
嫌な事もある。楽しい事もある。健康な時もある。病気になる事もある。
しかしいつまでも同じ状況が続く事はないのです。

こうした「諸行無常」の人生をはかなく思う事もあります。
また「諸行無常」だから長い人生を生きていけると思う事もあります。
嫌な事、悲しい事をいつまでもくよくよ考えているのは不幸です。
いつまでも落ち込んでいられない。時が過ぎれば又元気を取り戻します。

冷たい雨が何日も続けばそのあとにはカラリとした青空になります。
どんな事もいつまでも同じ状況はないのです。
ひと眠りすればまた新しい明日がやってきます。
年相応、身分相応に過ごせば明日もまた楽しい日がやってきます。
どんなふうにすごしても行きつく先はみんな一緒です。
みんなで明るく流れに合わせて進んでいきましょう。

私は毎年断食をします。昨年は成田山新勝寺で1週間の断食をしています。
名目は精神修行なのですが本心は減量です
通常の生活の中でのダイエットには限界があります。
断食前1ヶ月は少しずつ食を減らしていきます。
最後の仕上げを断食道場行って、水だけで1週間を過ごすという修行します。

意志の弱い私はこうした環境の中でなければ目的を達成できないからです。
断食は思ったより空腹感はありません。ただ何もする事のない1日が苦痛なのです。
食事のない1日は本当に長く感じられます。私は1日中散歩をして過ごしました。
散歩している間に考える事はこれから先の事、自分の生き方です。
仕事の改善、性格の改善、人間関係等。いつもは考えていない事が浮かんできます。
普段考えない事が頭の中を駆け巡ります。考えることで自分が見える時があります。

やる事が無いので何か考えたり、体を動かしたりしていないと時間が進みません。
やる事が無い生活が一番辛いですね。何か老後の人生と似ているような気がします。
とにかく暇は私にとっては地獄です。
だから不動明王のご真言や般若心経を暗記してみたり、
宮沢賢治の詩を暗記したりして時間を過ごしました。

日常の生活から離れて自分を考える事もたまには必要なんですね。
そういう中で将来自分の進むべき道も見えてきました。




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