第106話 妻の幸せは私の幸せ

文字数 1,056文字

75歳にもなれば誰だって、どこか具合は悪くなる
体の自由が利かなくなり、頭も物忘れがひどくなる。
だから老人はぼんやりと生きている人多い。
普通はそれでいい。
特に決められた仕事もない。
子供も独立して家庭を持っている。

朝暖かくなったら起きて、調子が良ければ散歩にも行く。
夜は夕飯食べて、お風呂に入って、
ぼんやりと眠くなるまでテレビを見る。
普通はそういう人生でいいと思う。

自分の人生は「死ぬまで働く」という生き様で最期を迎えたい。
どんなに朝が寒くても、決められた時間に仕事に行く。
仕事をして、人から感謝される。それが生きがいとなっている。

夜は他の老人ならくつろいでいる時間に帰る
雨が降ろうが、風があろうが、規則正しく繰り返している。
今後もその覚悟は変わらない。

妻よ安心してほしい。
あなたは私に傍らにいて、見守ってくれているだけでいい。
おだててくれればまだ働きます。
それをねぎらってくれるだけでいい。
心が休まるようなくつろげる温かさが欲しい。
どんな行動でも味方であれば心強い。
安心して会話ができる人でいてほしい
そうして老後を幸せな気持ちで暮らしたい
私の人生を一緒に歩んでくれればいい。
是非そんな妻になってほしい。
口うるさくて、面倒くさいあなたですが、一生守ります。

私の目標は「夫婦で迎える老後の幸せ」です。
そのために多少の苦労やひもじい思いは耐えてきた。
目標があれば何でも我慢できる。その目標が叶いつつある。

もうちょっとの人生だ。
目標がなくなれば、また作る。
山本有三の「路傍の石」の中の先生の言葉が浮かぶ。
・・・たったひとりしかいない自分を、
・・・たった一度しかない人生を、
・・・ほんとうに生かさなかったら、
・・・人間、生まれてきたかいがないじゃないか。

いくつになってもこの言葉を思い出す。
そうすると年齢や環境に応じた目的が出てくる。
言葉の力は人の一生を支配する。
やる気がなくなったときに、この言葉を思い浮かべ、自分を奮い立たせる。

私の一生はこんな繰り返しで終わるかもしれない。
もう病気のことは心配いらない。生命保険は入らなくていい。
どんな病気も老化が原因になる。
もうその年齢にすでに達している。
どこか痛ければ痛み止めを飲んで改善する。
大きな病気にかかったら緩和治療をお願いする。
せめて90まで、いや100までと欲をかかなければいい。
命だって欲さえかかなければ気楽に過ごせる。
今の命は儲けもの。あとは気楽に楽しく生きるだけ。

・・・・・まだ教室に来る人がだいぶいる。
・・・・・まだしばらくは、この蓄積した知識が役に立ちそうだ。
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