第34話 親切の預金をすると幸せに

文字数 2,792文字

60を過ぎた頃「生きがいのある老後の生き方」を考えるようになりました。
自分の生き方の原点になっているのは子供のころの貧しさです。
収入がなく食べられなくなったらどうしよう。
病気になったらどうしよう。ボケたらどうしよう。
この不安がいつも胸の中にあります。

断食道場へ行ったのは、食べないでどのくらい生きられるかが知りたかった。
早期退職したのは、元気があるうちに生涯現役の飯の種を見つけるためでした。
パソコン教室を開業したのは、仕入れがなく倒産の恐怖がないからです。
将来の不安を少しでも取り除きたい一心です。

いまなんとか食えるだけの生活はできるようになりました。
生きがいも見つかり始めました。老後の過ごし方もだんだん見えてきました。
ただ、思うようにならないのは心の豊かさです。
いつになっても心は貧しいような気がします。
怒ったり、ひがんだり、羨ましがったりは日常です。
いつまで経っても平穏な心が持てないのです。
心の豊かさは鍛える方法がわからないんです。
だから、生まれ変わったらもっと優しい人間になりたい。
生まれ変わったらもっと人の事が考えられる人間になりたい。
生まれ変わったらもっと精神的に強い人間になりたいと思っています。

世の中がどんどん変わってきていますね。
新しい道ができ、新しい店ができ、新しい商品ができて生活が変わります。
環境の変化が大きな波のように渦を巻きながら押し寄せてきています。

それでも自分は変わらない。毎日の繰り返しは特に変化がない。
朝起きてご飯を食べて、なんとなく1日を過ごしてと夜になります。
夕飯を食べて、お風呂に入って、そして布団にもぐりこんで寝る。
これはこれで幸せなのかもしれない。

ある本に書いてありましたが。やる事がある人は長生きします。
何もする事がない人は長生きができないようです。
人生って用が終わったらもういらないって事なのでしょうか。
今まで頑張ってきたのにそれはないですね。

考えてみれば、働いていても脳は衰えていきます。
だから使わなくなったら、あっという間に退化すると思いますね。
働くという事は決められた仕事を決められた時間だけやって収入を得ます。
もっと早く、もっといいものをと工夫しながら改善する事が仕事なのです。
さらにそれが誰かの役に立ち、感謝される事に仕事の意味があるのです。
人の役にたつ仕事があって、いきいきとした生活ができれば幸せです。
ボランティアのようにお金が貰えなくても仕事は仕事です。

定年や失業で仕事が無くなったらどうすればいいのでしょうか。
一番いいのは貯めたお金をどんどん使うことです。それが仕事です。
社会に貢献することです。自分が楽しく過ごすことが仕事です。
お墓の中にお金を持って行ったも何の役にも立ちません。
天国では預金通帳は使えません。天国には銀行がないと思います。

お金のない人はどうするの。
また働くことを考えましょう。その気になれば何かあります。
お金にならなくても、人の役に立てば仕事です。

病気の人はどうするの。答は「親切の預金」を使うのです。
健康なうちに「親切の預金」を積んでおくことです。

  1. まずは明るい素直な老人に成る事。
  2. 小さな親切を積み重ねる事。
  3. 頼まれたら嫌がらないで何でもしてあげる事。
  4. どんなに自分が優れていても決して態度には出さない事。
  5. いつも相手をほめてあげる事。
  6. 決して自慢はしない事。
  7. 相手の話には相槌を言いながら真面目に聞いてあげる事。
  8. 相手の話を途中で口を挟まない事。

・・・あげたらきりがない程方法はあります。
お金はたまりませんがそれ以上に「親切の預金」が増えていきます。

誰でも親切にされると必ず心に残ります。
いつかお礼をしなくてはと思います。これは人間の本能です。
病気になったり困ったりした時は、その人たちが助けてくれます。
人間は何か頂くと必ずお返しの事を考えます。
それをしないと気持ちがすっきりしないからです

今までは生活のためにお金を預金してきましたが。
これからは人に親切にすることを預金だと思いましょう。
何かしてあげる事だけが親切ではありますん。
何もしなくても人には親切はできるのです。

1.いつも明るくしていること。
2.機嫌をよくしていること。
3.だらしない生活はしないこと。
4.いつも清潔にしていること。
5.身だしなみはきちんとすること。
6.嫌みや皮肉は言わないこと。
7.こっちから話しかけてあげること。
8.意地悪や悪口は言わないこと。
9.人と比較はしないこと。

・・・これもきりがないありますほどありますね。

私が雨の日に傘をかしてあげたら、翌日にキュウリをもらいました。
物はもらわない時でも「ありがとうございました」と感謝されました。
「親切」と「感謝」は本能です。人は必ず実行します。
親切を受けたほうは「借金」と思うからです。
いつか返そうとします。だから「親切は預金」となるのです。

病気した時も、辛い時もここ一番であなたに親切を返してくれます。
さらに「親切預金」は時にはもの思いがけない利子がついてきます。
こんな事までして頂かなくてもと言うような事が現実に起こります。

お金に余裕のない人は、「親切」を預金だと思って積んでください。
親切な心は人間性も向上させます。「いい人」と思われる効果もあるでしょう。
人の評価は生きがいにもつながります。楽しい毎日になるでしょう。

嫌われる老人はこの反対の事をすればすぐに嫌われます。
お金をいっぱい持っていれば、立派な介護施設に入って楽しく暮らして下さい。
そのお金が尽きればいつでもあなたはいつでも捨てられます。
使いきれないお金があれば地獄まで抱えていって下さい。
地獄の閻魔さんに裏金を使って一番いい牢獄に入れてもらいましょう。

「親切な預金」はいつまでも利子が増えていきます。
心から看病してもらえると思います。
ここに、先に気が付いて実行している人がいい思いをしています。

それから、こんな事を考えなくても先天的に「親切」ができている人もいます。
そういう人はこの話を聞いても、「なんのこと」と思っているはずです。
その人には親切が当たり前だからです。私もこんな風に生まれたかった。

心配なのは健康です。これはどうにもなりません。
生老病死は万物すべてに与えられた運命です。
悔しいけど、そうなったら諦めて「親切預金」をおろしましょう。

仕事をしているとなぜか病気にならないのが不思議です。
仕事と言ってもお金にならない事だって仕事のうちです。
誰かがその行動で助かればみんな仕事です。
別に人間だけじゃなく、犬や猫、花や植木だっていいのです。
何かに役立てばいいのです。それによってあなたが癒されます。

全てを私ができている訳じゃあありません。
こうできたらいいなと思っていることを書いています。
でも実行するつもりです。本当です。
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