第10話 誰だっていつだって不安

文字数 1,867文字

自営業はいつも明日が不安です。
だから不安を解消するために何年か先のことを考えます。
そのために計画し準備します。不安はきりがないほどあります。

ボケたらどうしよう。病気になったらどうしよう。
1日何もすることがなくなったらどうしよう。
ひとりぼっちになったらと悪い事ばかり頭の中に浮かんできます。
臆病で小心者の私は不安を解消するための対策を考えます。
いっぽうなるようになるさという大雑把な面もあります。
中途半端な自分にため息が出ます。

不安や悩みをパソコンの中に書き込んでいきます。
書いて整理すると何か気持ちがすっきりします。
そして不安を忘れてしまいます。
不安、不安で毎日暮らしているうちに年をとって終わってしまいます。
とにかく誰でもみんな主人公は自分です。
楽しい今後の人生へ向ってみんなで歩んでいきましょう。

大概の人は老後の生活の不安から質素に暮らして貯金をします。
その苦労して貯めたお金の大部分を残して亡くなっていきます。
何の為に貯めたのかわかりませんね。必要なものは惜しまず使いましょう。
現役引退後は毎日が日曜日です。何もやる事が無くなる不安があります。
何かをやろうとすればいくらでも時間があります。

ただ楽しい生活をするには向上心が必要になります。
何事も学習だと思います。それに目標を達成する覚悟です。
ただ一人では限度があります。気の合う人に助けてもらうことです。
無理して自分だけで頑張らないで解らない事は遠慮なく知っている人に聞く事です。
そのかわり自分が知っている事は気持よく相手に教える事も大切です。
みんな誰かの役に立ちたくて待っています。

やる事が思いつかない場合は「楽しい老後」と入力してネットで調べてみましょう。
世の中にはその道の達人が一杯います。目標に向かって頑張っている人は輝きます。
病気だって、早く元気になろうとしている人も輝いて見えます。
輝いている老人はいっぱいいます。もうだめかと諦めるから影が薄くなるのです。
周囲から「老害」といわれないよう好かれる老人になりたいですね。

<心の豊かさ>
自分の生き方の原点になっているのは子供のころの貧しさです。
収入がなく食べられなくなったらどうしよう。病気になったらどうしよう。
ボケたらどうしよう。この恐怖がいつも胸の中にあります。

断食道場へ行ったのは、食べないでどのくらい生きられるかが知りたかった。
早期退職したのは、元気があるうちに生涯現役の飯の種を見つけるためでした。
パソコン教室を開業したのは、仕入れがなく倒産の恐怖がないからです。
将来の不安を少しでも取り除きたい一心です。
今はなんとか食えるだけの生活はできるようになりました。
生きがいも見つかり始めました。老後の過ごし方もだんだん見えてきました。

ただ、思うようにならないのは心の豊かさです。
いつになっても心は貧しいような気がします。
怒ったり、ひがんだり、羨ましがったりは日常です。
いつまで経っても平穏な心が持てないのです。

心の豊かさは鍛える方法がわからないんです。
だから、生まれ変わったらもっと優しい人間になりたい。
生まれ変わったらもっと人の事が考えられる人間になりたい。
生まれ変わったらもっと精神的に強い人間になりたいと思っています。

この頃いっぱい映画を見ています。かなりの量の小説も読んでいます。
先哲の処世訓も暗記するくらい繰り返して読みました。
映画の主人公の生き方にヒントはたくさんありました。
でも真似はなかなかできませんね。マイペースで行くしかありません。

60を過ぎた頃から「生きがいのある老後の生き方」を考えるようになりました。
ボケは心配だけど全員がなるわけではありません。
認知症は意外と発症率が低いです。
70前半で5%以内。80代後半でも2人に一人です。
面倒がらずに何かしていればボケないと思います。

とにかく今日までは安心です。人は使わない所が退化します。
教室に来ている人は安心ですね。いやでも頭を使います。
毎日の運動も効果的です。まだ間に合います。
できるだけ自転車や歩きで教室に来ましょう。

それから「認知症」と「老化による物忘れ」は全く違うということです。
安心して下さい。
電話で話した相手を思い出せないはもの忘れ
朝食で何を食べたか思い出せないももの忘れ
電話したこと自体を忘れているは認知症
朝食を食べたことを思い出せないも認知症

若い人だって物忘れはいっぱいしています。そんな気にしない事です。
もし認知症になったらなったでしょうがないじゃないですか。
そうすれば何も分からなくなるのですから。すべて夢の中だと思います。
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