第48話 年に合わせてブログを楽しむ

文字数 1,430文字

私がブログらしきものを始めたのは50歳ころだった。
なぜか年を取るごとに友達が少なくなっていく。
その分暇が多くなっていく。その頃から老後のことが気になってきた。
孤独は嫌だ。でも嫌な人とも付き合いたくない。
世の中からだんだん外されていきそうな不安を感じていた。
なんか同年代の人たちと交流のできる場がないかと思っていた。
仕事があるからそんなに時間は取れない。
こちらの都合でいつでも気持ちが言える場所が欲しい。
男に更年期というものがあるかどうかわからないが、何か寂しい気持ちが続いていた。

夜10時頃には寝床に入るが、何か落ち着かない。
ゆっくり寝ていようと思っても深夜3時頃には目が覚めてしまう。
一服しながら3階のベランダから外を眺める。まだ空は真っ暗だ。星が点々と輝いている。
机に座りパソコンを起動する。何の気なしに夜中にパソコンでブログの散策をした。
「趣味人倶楽部」というホームページに辿りつき面白そうなので登録した。
「中高年の憩いの場」というキャッチフレーズだった。新しい世界が広がるような予感がする。
同年代の方や老年の方が、日記やエッセイや写真を投稿しているサイトだった。
こんな世界もあるのだなと思って見始めた。人の日記が読める。
共感したり、そうじゃないだろうと思ったり、心がおどり始めてきた。
私も日記を書いてみた。正直に書いた。嘘や見えは書かないように心に決めて投稿した。
反応があった。返事をする。また反応がある。それも夜中でもいい。
記録にも残る。読み返してまた楽しめる。いいところが見つかった。求めていた世界だった。

面白くて、朝3時ごろ起きることが日常となってしまった。
朝のこの時間は何でもできる。気持ちの余裕がある。
時間がないから、またにしようと言う事がない。
又にしようと思った事はできた事がない。いい発想が出ても次の日には忘れる。
思った事がすぐにできる時間ができた。

朝や昼間では出てこない発想が出てくる。
あれもしよう。これもしよう。思いついた事を、メモ書きしていく。
先のことを考えるのは朝の今の時間が一番いい。
この頃、夜明けの空が好きになってきた。
だんだん明るくなってくる空を見ると嬉しい気持ちになってくる。

今朝の新聞に生徒募集の折り込みチラシが入る。
何人新しい人が入るだろうと期待が膨らむ。
4時ごろになるとだんだんと空が明るくなってくる。
バリバリバリ~キー ガチャ。新聞配達のバイクの音。
ポツリ、ポツリと隣家の窓から灯りが点き始める。
各家の1日の生活が始まる。

5時ごろになるとすっかり夜が明ける。
マンション3階から見える駐車場から一人二人と車で出かけ始める。
西へ、東へ、北へ、南へと出発していく。
犬を連れたおじいさんの散歩。自転車で駅のほうへ向かう若者。

ふと、NHKラジオ体操の歌が頭の中から聞こえてくる。
新しい朝が来た 希望の朝だ
喜びに胸を開け 大空あおげ
ラジオの声に すこやかな胸を
この香る風に 開けよ
それ 一 二 三

時刻は朝の5時30分。起きてから3時程間経った。
さあそろそろ、妻と子が起きる頃だ。睡眠時間が少ないと心配される。
布団に入って眠ったふりをしなければならない時間だ。
眠ったふりをすると本当に眠ってしまうことはしょうがない。

30分ほど床について、また起きよう。
6時半には隣の部屋のテレビの音で目が覚めるだろう。
誰にも邪魔されない自由な時間と空間をを作ることができた。
1日に中に新しい日課と目標ができて、パソコンの世界がグ~ンと広がった。

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