第13話 社会の中で生きる意味

文字数 1,553文字

時々生きる意味を考える事があります。
人は生まれてきたからには何か役割を持っているのだと思います。
世の中の一部の優秀な人たちは色々な発明や発見をします。
それを人類の発展に役立つという役割を持っています。
文学や音楽も天才的な人達が才能のある創造力で作品を作ります。
そして人々を癒すという役割を持っています。

それでは私のような凡人はどんな役割を持っているのでしょうか。
実は我々凡人こそ優秀な人たちよりずっと大事な役割を持っているのです。
どんな作品もそれを作る人それを売る人がいます。
さらにそれを買う人がいなければ何の役にも立たないのです。
これらが凡人の役割です。買う事は大きな役割です。
どんないい商品でもそれを使う人がいなければ何の役にも立ちません。

映画を見たり音楽を聞いたりする事、観光や娯楽等も大きな社会貢献になっています。
物を買えば税金を納めます。映画にはそれを見る人がいなければ意味はありません。
どんなにいい音楽を作っても誰も聞かなければ評価されません。
どんなにいい小説を書いても読者がいなければ自己満足の作文です。
我々その他大勢の人が世の中を動かしているのです。
病院も介護施設も病人や高齢者がいるから繁盛しているのです。

「かごに乗る人、かつぐ人、そのまた草鞋を作る人」という諺があります。
人の生き方は、貧富の差や境遇によって様々であるということですね。
そのさまざまな人のつながりで、世の中はうまく成り立っているということです。

年老いてやることがなくなると「必要のない人」と言われそうですが、
生きているだけで社会に貢献しているのです。
一人一人が楽しい社会生活を送る事が「生きる役割」だと思います。

<幸せとは>
「幸せ」とはなんだろうと考える時があります。
1日ポカ~ンと何もしないですごすことが「幸せ」かなと思うこともあります。
毎日働いているから1週間に1日の休みが待ち遠しいし「幸せ」を感じます。
毎日粗食ですごしているから、たまに行く外食が「おいしいな」と感じます。
色々なことに挑戦してうまくいった時の達成感も「幸せ」です。
人から優しくされた時も「幸せ」を感じます。
今日まで生きていられる事自体が「幸せ」なのでしょう。
「不幸せも」「幸せ」も元は自分で作っているのです。

今の努力は辛くてもその結果として「幸せ」がやってきます。
目標に向かって進んでいく努力。健康のために散歩や運動を続ける努力。
認知症の防止の為に趣味や学習を続ける努力。それぞれの努力の仕方があります。
それぞれが各々の形で「幸せ」を求めて生きているのだと思います。
一番の「幸せ」は、幸せなんて考えている暇がないという状態だと思います。

私は日曜日でも朝6時には教室に来ています。
ここへ来るとなぜか平穏な気分になります。
ここには20年の歴史があります。
壁の張り紙一つ床の傷一つに思い出があります。
過去の蓄積で今があり、これから先の未来もここから始まっていきます。

私はこの教室が生きがいとなっています。
おかげさまで今までに来ていただいた受講生の数は1500人を超えました。
全ての人が私の歴史を刻んでくれました。どんな人も頭の中に印象が残っています。
いつでも全員の方の思い出を書ける気がします。
いつかこの仕事がなくなる日が来ます。
その時はゆっくり思い出しながら書くつもりです。

こんな毎日に、時々ですが「幸せ」を感じています。

毎朝教室に来て妄想や空想を繰り返しているうちに次の目標がみつかります。
今はその目標に向かって夢中で勉強しています。
どんな分野でも必ずその道の専門家がいます。
絶対に追いつかないと思います。でもへこたれない。
人生を楽しみながら生きるには三流でもかまわないのです。

苦しんだり、楽しんだり、泣いたり笑ったりの人生が面白いのだと思います。

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