第47話

文字数 406文字

「私のような者でもなんとかなる、下級マノコで良かったです。」
 亮介はミランをそっと手に取り顔の高さまで持ち上げた。
「大丈夫なのか?何が起きたんだ?」
「私は平気です。このみかん飴には食霊がとり憑いていました。ご主人様は何かモヤのようなものが見えましたか?それが食霊です。ご主人様の周りで発生する食霊からお守りすることが私の使命です。しかし、どうやら、マノコの動きが活発になっていますね。そんなことよりも、ご主人様の体調はいかがですか?」
 ミランは心配そうに亮介の顔を覗き込んだ。
 亮介の体調はもうすっかり元に戻り、自らの目でミランを見ることができた。
「うん。今は大丈夫。」
「良かったです。これもじきに慣れてきますよ。」
 ミランは屈託のない顔で微笑んだ。
「私は、少し疲れました。しばらくですが、休ませていただきます。」
 そう言うとミランは静かに目を閉じた。亮介はミランを両手で優しく包み込んだ。
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