第35話
文字数 768文字
三人の顔は興奮し、高揚して、今まさに生きているエネルギーがほとばしっていた。その姿に亮介は少しうんざりしかかっていた。
一通り話を聞いた辺りで、真っ黒い袈裟を身につけた慶長が玉砂利を踏みしめながら亮介達の輪の中に入ってきた。
「さて、参りましょうか。」
さも当たり前のように袈裟を翻しながら門の方へ歩いて行った。
「ちょっと、待って。参りましょうって何の話なんだよ?」
亮介は戸惑っていた。
「あ、ごめん。話すことに夢中になっちゃって忘れてた。これから私たち、慶長さんと一緒にマノコ退治に出かけるの。」
深雪が言った。
「はぁ?何それ?」
「慶長さんが、何やら感じるらしく今から様子を見に行くんだって。それに同行させてもらうの。んで、あわよくばマノコ退治まで見られたら…ふふふ。もちろん中川も一緒に行くよね。」
「いや、俺は別に…」
亮介は断ろうとしたが、背中に四つの生温かい何かを感じた。門田と西村が亮介の背中に手を当てていたのだ。
悪寒。亮介は何とも言えない気持ち悪さを覚え足を踏み出すしかないと悟った。
龍告寺から歩いて十分ほどの小さなスーパーの前に五人は立っていた。
そのスーパーはテント張りの庇に薄暗い入り口。自動扉の前には申し訳程度にガシャポンの機械が四台ほど並べられていた。看板には「スーパーたかむら」と赤い文字で書かれていた。
この地域では「スーパーたかむら」は亮介の働いている「スーパーマルカツ」との競合店となっている。それぞれ古くからこの地域で商売を営み、街に根付いているスーパーである。
「さて、この辺りから気配が感じられるのですがね」
慶長がぼそりと言った。
5人は自動扉を抜け店内に入っていった。
冷房のよく効いた店の中は外とは打って変わって非常に明るく、楽しげな音楽が鳴っていた。
一通り話を聞いた辺りで、真っ黒い袈裟を身につけた慶長が玉砂利を踏みしめながら亮介達の輪の中に入ってきた。
「さて、参りましょうか。」
さも当たり前のように袈裟を翻しながら門の方へ歩いて行った。
「ちょっと、待って。参りましょうって何の話なんだよ?」
亮介は戸惑っていた。
「あ、ごめん。話すことに夢中になっちゃって忘れてた。これから私たち、慶長さんと一緒にマノコ退治に出かけるの。」
深雪が言った。
「はぁ?何それ?」
「慶長さんが、何やら感じるらしく今から様子を見に行くんだって。それに同行させてもらうの。んで、あわよくばマノコ退治まで見られたら…ふふふ。もちろん中川も一緒に行くよね。」
「いや、俺は別に…」
亮介は断ろうとしたが、背中に四つの生温かい何かを感じた。門田と西村が亮介の背中に手を当てていたのだ。
悪寒。亮介は何とも言えない気持ち悪さを覚え足を踏み出すしかないと悟った。
龍告寺から歩いて十分ほどの小さなスーパーの前に五人は立っていた。
そのスーパーはテント張りの庇に薄暗い入り口。自動扉の前には申し訳程度にガシャポンの機械が四台ほど並べられていた。看板には「スーパーたかむら」と赤い文字で書かれていた。
この地域では「スーパーたかむら」は亮介の働いている「スーパーマルカツ」との競合店となっている。それぞれ古くからこの地域で商売を営み、街に根付いているスーパーである。
「さて、この辺りから気配が感じられるのですがね」
慶長がぼそりと言った。
5人は自動扉を抜け店内に入っていった。
冷房のよく効いた店の中は外とは打って変わって非常に明るく、楽しげな音楽が鳴っていた。