第12話 信託
文字数 248文字
遥か東の島に不思議な家族がいた。その家族には必ず2人の男子が生まれ、一方の男子は子を産み育てその家族の繁栄と永続を約束され、また期待される。もう一方の男子は子には恵まれる事は無く、一人歴史の片隅に置いていかれる。その不思議な遺伝システムが何十年、何百年と繰り返され続いたある時、イレギュラーが起きた。その不規則な出来事は人ならばごく当たり前の、日常にありふれているものであるが、継続されてきたそのシステムにとっては違和感となり、やがてそのズレはとてつもない力となり人々を襲うきっかけとなった。