第96話

文字数 586文字

「どうにかしろ。できるだろ」
「ここまで大きな騒ぎになってしまうと私たちの力ではどうしようもできません。私たちは一つ一つの事象には対応できるんですが。こんなにまとまってしまうともう無理です」
「じゃぁどうしろと。」
「分りません。」
 良観が叫んだ。
「本体だ!本体をやっつければいい!」
 ミランが聞く。
「その本体は?」
「こいつしかいないだろ!」
 良観は門扉を指差した。
「みんなコイツに操られているんだ!コイツは司令塔だ。まだそれぞれのマノコは覚醒したばかりだ。それぞれに意思は生まれていない。今コイツは覚醒の合図を送っただけだろう。だが時間が経てばそれぞれのマノコが意思を持ち、自ら行動を始める。そうなれば、宿主は死に、取り憑いていたマノコは飛散する。拡散する範囲はこの地域では収まらんぞ!早くコイツを倒さなければ!コイツさえ封印すれば問題は解決する!」
「ミラン!」
 亮介が叫んだ。
「わかりました。」
 そう言ってミランは開いた小窓に向けて槍を構えた。
「皆さん、行きましょう。」
 ミランがそう言うと、亮介の持っていたブレイドが明るく輝いた。
 光の筋が五本に集約されその光の筋からアキ、バルーザ、ワナギー、ニッポ、グルーガが滑りだしてきた。慶長が
「アキ!お前!」
 と叫んだ。
「ご主人様、私はミランと共に戦います。」
 アキの主人は慶長である。
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