第43話
文字数 1,056文字
週明けの月曜日の昼休み、ブッケンの三人に呼び出された亮介は学校の屋上にいた。
「どうしたんだ、こんなところに呼び出して」
「いや実は、昨日みんなと話し合ってやっぱり今日早速動こうと思ってさ」
深雪が右手を差し出して言った。
差し出された右手には、昨日慶長からもらった数珠がはめられていた。
「実は、土曜日にスーパーたかむらで除霊したじゃない。その時、この数珠が熱く熱を持っていたんだよね。それから、私たちは確信を持った。これは間違いない。私たちが信じていたことが現実に起きている!」
深雪は興奮を隠せないようだ。
「…昨日は…興奮して…眠れなかった」
「そうです。僕の頭も凄く冴え渡っていたんです。」
ブッケンの三人に静かに、でも恐ろしいほどの情熱を感じた。
「まぁ、そうだろうと思っていたよ。」
亮介は諦めたかのように呟いた。
「んで、どうすんの?俺に除霊をする能力なんて無いし、正直、迷惑と思っているんだけど。」
「その点は大丈夫。昨日私たちは帰ってから戦略を練ったから。」
「戦略?」
「そう。まずこの辺のスーパーやコンビニを地図で調べたんだよね。そうすると、スーパーが四件コンビニが五件あることがわかったんだ。」
「それで?」
「早い話がこのスーパーとかコンビニをしらみつぶしに回ってみるの。昨日もらったこの数珠が何らかの反応を示したら、ビンゴ!」
深雪は片目を瞑りウィンクした。
「それから、慶長さんに連絡するの。」
「…慶長さんも…マノコ探索に人手が足りないって…言ってたから…」
「僕たちがお手伝いしましょうてことです。ハイ。」
「そんなの勝手にお前たちがやればいいじゃないか。何で俺が付き合わなきゃいけないんだよ。それにあの時の気持ち悪さはもう嫌なんだ。」
「いいじゃない。中川も付いてきてよね。」
「いやだ。俺は忙しい。」
亮介はハッキリと断った。
しかし、ブッケンの三人は食い下がってくる。
「…付いて…きて」
「お願いいたしますよ!」
「ダメだね。」
「どうしても…ダメ?」
「ダメだね。」
亮介が教室に戻ろうとした時、深雪が掛けていた眼鏡を外し
「ウルウル。お願い。中川。ウルウル」
潤いをたっぷり溜めた大きな目で見上げるように訴えた。
それを見た亮介の鼓動は少し早く脈打ち、ドキドキした。
「…わかったよ。行きゃいいんだろ!行きゃ!」
亮介はついに観念した。
予鈴が気だるそうに午後の始まりを告げた。
「チョロいね。」
深雪は眼鏡をかけ直して髪を掻き上げた。
「どうしたんだ、こんなところに呼び出して」
「いや実は、昨日みんなと話し合ってやっぱり今日早速動こうと思ってさ」
深雪が右手を差し出して言った。
差し出された右手には、昨日慶長からもらった数珠がはめられていた。
「実は、土曜日にスーパーたかむらで除霊したじゃない。その時、この数珠が熱く熱を持っていたんだよね。それから、私たちは確信を持った。これは間違いない。私たちが信じていたことが現実に起きている!」
深雪は興奮を隠せないようだ。
「…昨日は…興奮して…眠れなかった」
「そうです。僕の頭も凄く冴え渡っていたんです。」
ブッケンの三人に静かに、でも恐ろしいほどの情熱を感じた。
「まぁ、そうだろうと思っていたよ。」
亮介は諦めたかのように呟いた。
「んで、どうすんの?俺に除霊をする能力なんて無いし、正直、迷惑と思っているんだけど。」
「その点は大丈夫。昨日私たちは帰ってから戦略を練ったから。」
「戦略?」
「そう。まずこの辺のスーパーやコンビニを地図で調べたんだよね。そうすると、スーパーが四件コンビニが五件あることがわかったんだ。」
「それで?」
「早い話がこのスーパーとかコンビニをしらみつぶしに回ってみるの。昨日もらったこの数珠が何らかの反応を示したら、ビンゴ!」
深雪は片目を瞑りウィンクした。
「それから、慶長さんに連絡するの。」
「…慶長さんも…マノコ探索に人手が足りないって…言ってたから…」
「僕たちがお手伝いしましょうてことです。ハイ。」
「そんなの勝手にお前たちがやればいいじゃないか。何で俺が付き合わなきゃいけないんだよ。それにあの時の気持ち悪さはもう嫌なんだ。」
「いいじゃない。中川も付いてきてよね。」
「いやだ。俺は忙しい。」
亮介はハッキリと断った。
しかし、ブッケンの三人は食い下がってくる。
「…付いて…きて」
「お願いいたしますよ!」
「ダメだね。」
「どうしても…ダメ?」
「ダメだね。」
亮介が教室に戻ろうとした時、深雪が掛けていた眼鏡を外し
「ウルウル。お願い。中川。ウルウル」
潤いをたっぷり溜めた大きな目で見上げるように訴えた。
それを見た亮介の鼓動は少し早く脈打ち、ドキドキした。
「…わかったよ。行きゃいいんだろ!行きゃ!」
亮介はついに観念した。
予鈴が気だるそうに午後の始まりを告げた。
「チョロいね。」
深雪は眼鏡をかけ直して髪を掻き上げた。