第44話

文字数 614文字

 放課後、亮介とブッケンの三人は学校から一番近いスーパーの前にいた。
 スーパーたかむらやマルカツと違い、このスーパーは全国的に展開している業界最大手のチェーン店だ。それだけに、品揃えは豊富で大量入荷なので値段も安く設定されている。
「さて、始めましょうか」
 深雪を先頭に四人が自動扉を開け中に入っていった。
 店内は明るく、清潔なイメージがした。ここも心地の良い音楽が聞こえている。
 前回同様、店内を壁沿いに回ってマノコを探した。
 ブッケンの三人の数珠に反応はなかった。
 中棚にも異常は無い。
「ここは…何も…なさそう…ですね」
「そうね、ここは何もないね。」
「じゃあ、次行こう。」
 深雪の言葉に引きずられるようにブッケンの三人は店を出ようとした。
 亮介は内心ホッとした。またあの吐き気や喉の痛み、あらゆる体調不良に襲われると思うともうやってられない。三人の後ろから亮介は付いて行った。
 ここは普通のスーパーで、レジを済ませてセルフで商品カゴから商品をビニール袋に詰める台がある。レジ周りにはガムや飴などの小さなお菓子や、ライターやなぜかろうそくや線香なんかが置かれていた。
 出口に向かって出て行こうとレジの脇を通りすぎようとした三人の足が止まった。
 亮介はいやな予感がした。
「皆さんこれ、見てください。」
 西村が震える声で右手を差し出す。
 西村の右手に巻かれた数珠が心なしか赤く変色しているようだ。
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