30：私を想う気持ち
文字数 665文字
まあ、やめたくなったら、やめてもいいですけど。私は別に責めませんし
やめないよ
なら、いいんですけど
ショコラちゃんが不安そうに、下を向く。私はそんなショコラちゃんの頭に、ぽん、と優しく右手を置くよ。
ごめんね、私ちょっとふざけすぎちゃったかな。気、悪くしちゃった？
いえ、そんなことは……。ただ、その、私の教え方がわかりにくくて、嫌になってしまう可能性を考えてしまって
ショコラちゃんは優しいんだね
優しい？ 偉そうでうざったくないですか？
そんなことないって。自分の修行もあるのに、私に教えてくれてるショコラちゃんが偉そうなんて思わないよ
この冊子だって、私のためにまとめてくれたんでしょ？ ショコラちゃんの私を想う気持ち、十分伝わってる。そんなショコラちゃんに教わるんだもん、私だって本気だよ。それに、教わりたいって言い出したのは私の方だから
そ、そうですか……
ただ、楽しくできたらならって思っただけだよ。ショコラちゃんが雑談とかしながらの修行は嫌だっていうんなら、口数を減らすよ。どうすればいい？
いえ、私も楽しくやれるのならそうしたいです
そっか。じゃ、笑顔笑顔。ほら、笑って？
急に言われても
じゃあ、私が笑うね。にこっ
フランさん
ん～？
歯に今朝食べたたこ焼きの青のり、ついてます
ひゃぅっ
くすっ。いいこと言った感じだったのに、しまらない人ですね
そう、その笑顔だよ
今のは嘲笑ですけど？
ええ～～？
さあ、おしゃべりもいいですけど、修行も厳しくしていきますよ
うんっ。今後もビシバシとお願いします、チョコラちゃん教官先生！
だんだん意味不明な呼び方になりますね
