81:異世界にでも召喚されたか?
文字数 716文字
と言いつつも、私の手を離さないショコラちゃん。
お城のなかをしばらく歩いていると。
兵
「大変だ、大変だ~~」
兵2
「ああ、くそぅ。どうしてこんなことにっ」
鎧を着た人間サイズのバナナやパイナップルが、忙しそうに広間を往復していたよ。
兵
「あなた方は?」
兵
「おお、旅の者よ。実は、今日は姫様の誕生日でして、ケーキでお祝いをすることになっているのですが」
兵
「パティシエールが手に怪我をしてしまい、バースデーケーキを用意することができなくなってしまったのです」
兵2
「姫様はケーキをとても楽しみにしておられる。きっと、がっかりするに違いない。我々は姫様の悲しむ顔など見たくないというのに」
兵2
「それはもう。姫様は我々にとてもよくしてくれている。この国に、姫様のことを嫌う者などいやしない」
兵
「ポップ王国の姫様を象徴する、カラフルでフルーツいっぱいのケーキだ。ちなみに、これが姫様の写真だ」
写真に写っているのは、金髪の美人さん。お姫様は人間の容姿をしているよ。