69:お祭りの日
文字数 702文字
ナレーション
「『メルシィクラウン』には週1日お休みがあります。その日は1日だらけるもよし、遊ぶもよしのフリータイム。通販も行いません」
ナレーション
「けれど、見習いのフランさんとショコラさんは、そんな休日もスイーツ作りのお勉強にあてていました。彼女たちは一人前のパティシエールになるため、努力を欠かさないのです」
ナレーション
「しかし、今日だけは違います。今日は定休日とは別の、臨時休業。完全フリーの、特別な1日」
ナレーション
「メルシィさんは頑張っている2人のために、お祭りへ連れて行きぱーっと遊ぶことを決めたのです」
ナレーション
「今回は、そんなお祭り日に起きたちょっぴり不思議なお話です」
午前10:00。
今日、私たちは朝から島の中央にある大広場にやってきたよ。
ここには島のどんな建物よりも高くて太~い「ウンディーネの木」があって、木から溢れ出る水が島の水路を作っているんだって。原理はわからないけど、魔法の世界に出てきそうな、不思議な木だよ。
ということは、ここ「メルクリウス」にとって、「ウンディーネの木」は島に命を与えたお母さんみたいな存在ってことだね。
そんな「ウンディーネの木」を中心に広がる「ウンディーネ広場」には、普段とは違ってたくさんの出店が並んでいるよ。