34：がっかりされるのが怖くて
文字数 459文字
ど、どうでした？
同じスイーツがまだあるから、戻ってきてまた届けに行ってくれればいいって
そうですか
まだ不安そうなショコラちゃん。今度は頭を撫でるよ。
んっ……
そんな顔しなくても、メルシィお姉ちゃんは怒らないよ？
でも、きっとがっかりされたに違いないです
そんなことないって。失敗は誰にでもあるある。大事なのは、同じ失敗をしないことでしょ？
……
ほら、暗い顔しないで。漕いで漕いでっ。私じゃゴンドラ動かせないんだから
は、はい
メルシィお姉ちゃん、ごめんね
ご、ごめんなさいっ。私、メル姉の評判に傷を――
２人とも大丈夫ですか？ 怪我はなかった？ 痛い所ない？？
お店に入るなり、メルシィお姉ちゃんが私たちの腕を掴んで、手首とか、肘とか、顔とかを凝視する。
大丈夫だよ
私が言うと、ほっとした顔で手を離す。
あの、でも、スイーツが……
スイーツはいいの。いくらでも作れるんだから。それにもう、作ってありますし
そんなことより、２人の体のほうが大切です！
はい。すみませ――むぐっ
メルシィお姉ちゃんがショコラちゃんの口をおさえた。
何度も謝るの、禁止ですよ
