56:お客様の求めるスイーツの形には、同じものは1つとしてないんですよ
文字数 957文字
結局、あまりスイーツの方向性は決まらなかったな。まあ、ケーキ以外のスイーツにもいろいろあることがわかった。とにかく、こちらの要望はイチゴを使った告白用にふさわしいかわいいスイーツだ
というわけで、明後日にまた伺いますので、よろしくお願いいたします
さあさあショコラちゃん。さっそく作るスイーツを出た案から決めて、制作に入っちゃおう
私とショコラちゃんが作ったのは、ストロベリークリームで覆われたピンク色のケーキ。中では横一列にカットしたイチゴの並ぶ層とふわふわのスポンジが交互に重なっている。
ケーキの上にもイチゴを複数置いて、中央にハート型のチョコを乗せたホールケーキ。
ケーキをカウンターに乗せる。サンプル用の2個目も並べ、半分にカットして断面も見せるよ。
うまくできたつもりだったんだけど、お客さんは顔を曇らせちゃう。
これ、普通に売っていそうなケーキじゃないか? 依頼をするのだから、そこらのお店にはないようなスイーツでお願いしたいんだ
作り直します。期限まで時間があるので、もう一度チャンスをもらえませんか?
奇抜なスイーツを作ればいいってわけでもないだろうし。
フランちゃん。お客様の求めるスイーツの形には、同じものは1つとしてないんですよ?
今日はお店の手伝いはしなくていいので、依頼を優先させてください
いえいえ。お2人の頑張りを応援させてください。なにかわからないことがあったらサポートしますので、遠慮なく言ってほしいです
ありがとうございます。もう少し、自分たちで頑張ってみます
その意気です。ショコラちゃんとフランちゃんの“2人なら”きっとうまくいくはずですよ
はい。フランさん、部屋に戻りましょう。もう一度、レシピから考え直しますよ
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