01:フラン、ショコラと出会う
文字数 709文字
1日目
私、フラン。15歳。両親が仕事の都合で海外へ行くため、従姉妹であるメルシィお姉ちゃんの家でお世話になります。
小さい頃にも島に来たことがあるはずなんだけど、あんまり覚えてなくて、迷っちゃいそう。
振り返ると、パラソルの下で優しそうなお姉さんがケーキを売っているよ。
さらに、水路の向こう側には抹茶と八つ橋のパフェの店。その隣に、オレンジマリネのパンケーキ。
濃厚3種のチーズケーキとリンゴパイを売るお店や、ブルーベリー&ヨーグルトのシフォンケーキを売るテント。桜とイチゴのクレープを歩き売りしているお姉さんも。
ぶんぶんと首を振って、スイーツの誘惑を断ち切る。
てくてく。水路沿いの道を進むよ。
ぴたり。地図に書かれているマークのところで立ち止まる。
そこにあるのは。
建っているのは、可愛いデザインをしたスイーツのお店。
どう見てもおうちじゃないよね? 地図読み間違えたかなぁ?
地図をぐるぐると回してみる。すると。
ギイィ。(ドアの音)