57:カラメルソース……キャラメリゼ……オレンジ……パンプキン……ハロウィン

文字数 812文字

とは言ったものの。
これだっていうのが思いつかないなあ

考えたのは


イチゴ層とチーズケーキ層が重ねられたケーキ型のアイス。初恋って感じがしないし、夏なのに溶けやすいのはダメな気がするからボツ。


弾力のあるもちもちしたマカロン型アイス――これは皮に包まれていて、中身がイチゴのアイスだから溶けにくいんだけど、やっぱり初恋のイメージに遠い。


となると、素材かスイーツそのものをハート型にしたフレジェ、ロールケーキ、カップケーキなどなど。

『そもそも恋のイメージがハートってところが安直すぎです』
なんてショコラちゃんが言うから、ボツ。
『イチゴをさ、見てわかる感じに使う必要はないのかな』
『どういう意味です?』

『イチゴの生チョコレートにするとかだよ。果実そのままの形は残っていなくてもいいんじゃないかなって。もしくは、イチゴのチョコをスイーツの中に隠しちゃうとか』

『イチゴの初恋の告白スイーツとしか言われてないですし、アリだとは思います。問題は、それでなにを作るかです』
『ババロア。羊羹。ドーナツ。プリン?』
『思いついたのを適当に言ってるだけじゃないですか。こういう理由で、このスイーツを作る。という理由付けがあった方がいいと思います。今朝のスイーツにはそれがなく、素材・味・見た目しか考えていませんでしたから』
『なるほど~。それを初恋の告白に絡めるんだね』
『そうです』
『絡める、からめる……カラメルソース……キャラメリゼ……オレンジ……パンプキン……ハロウィン……』
『どんどん遠ざかってます』
『う~~~~ん。難しいっ』
『いっそ、このスイーツにしてほしいと言ってもらえれば楽なんですけどね』
そんな感じで、何も決まらずもう夜だよ。
フランちゃん、ショコラちゃん、ごはんできましたよ~
あ、うん
いいスイーツ、閃きました?
いえ、まだです
そういう時は、息抜きも必要です。ごはんを食べて、ゆっくりお風呂にでも入ったら思いつくかもしれませんよ
だといいんですけど
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登場人物紹介

フラン 15歳

笑顔が素敵で好奇心旺盛な元気っ娘。

ショコラ 15歳

超人気スイーツ店「メルシィクラウン」で見習いをしている。

ミント 15歳

超大手クール系スイーツ店「ゴシックブラウニー」社長の娘。

メルシィ 23歳

「メルシィクラウン」店長。フランの従姉妹。パティシエール界のトップ、クイーンパティシエールの座に5年連続でついている。

ノワール 23歳

ミントの姉、「ゴシックブラウニー」の社長。

シャルロット 23歳

ショコラの姉、「ワンダーアラモード」の社長。

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