第101話

文字数 2,749文字


源三郎江戸日記(弟二部)101

街道は平穏で沢山の旅人が行きかいしていたのです、もう直ぐ子安村じあな海に出て飯でも食おうといって松林を抜けて海にでて、貰った握り飯を食べたのです、美味い飯じあのうと言、
うと、山形がそうですねこの水も美味いですと言ったのです、そうか、馬にも水をやらねばと言うと、この先に小川が流れていますと言うので、馬を引いて小川にいき、馬に水を飲ませ、
ると、

美味そうに飲んだのです、近くの草むらの草を食べさせて、さて行くかと言うと、再び馬に乗り進んで行き、子安村を過ぎると、道幅は倍になりよく整備されています、どうやらこの辺、
は終わったらしいなと進んでいくと、横浜に着き宿場に入ると、もう、沢山の家が立ち並んでいたのです、ほう賑やかじあなと言って、港に行くと、江戸屋がようお戻りなされた、奉行、
所も建屋は終わっていますと言って、

案内するので着いていくと、役宅と長屋は終わっております、いつでも住めますよと言うので、それではここに逗留しょうと言うと、女中と小者も雇ってありますと言って紹介したので、
馬を預けて、皆はゆつくり休んでいろと言うと、山形が我々も港を見に行きますと言うので、それでは着いて来いと言って江戸屋と港に行くと、大勢の人足が働いていたのです、七衛門、
がお着きなされたかと言って、

もう一隻は岸壁に付けられますと言うので、見ると千石船一隻が横付けしていたのです、なる程、これなら積荷が直ぐに降ろせるなと言うと、横の砂防止の石の包みは終わりました、幅、
一間で500間海に伸ばしてあります、歩いていけますよ、一年もすれば港の整備も終わりるでしょう、居酒屋も女郎屋も大入り満員ですよ、戸塚宿の居酒屋も出店しています、居酒屋が、
4軒出来ていますよと言ったのです、

あと生活品を商う店も江戸屋が出していまして、米、味噌、醤油、油、野菜、魚も売っています、近隣の百姓や漁師から仕入れています、両替商も若狭屋が出しました飛脚問屋籠屋もあ、
ります、それに女郎屋、銭湯、旅籠です、この宿場に泊まる客も増えていますと言って、人足がいる分戸塚や川崎宿より人が多い訳ですと言ったのです、山形もこの発展ぶりに驚いてい、
他のです、

一旦奉行所に戻り、2日したら町田に行くぞ、銘々は適当に過ごせと言って、これは今回の手当てじあと5両づつ渡し、4人には別に葵の紋が刻印した小判を一枚づつ渡して居酒屋、女郎屋、
に行っても良いぞと言うと、みんな喜んだで、それぞれの長屋に行ったのです、女中が入って来てお茶をだすので、おもんと言うたな、在所はと聞くと、ここから町田の方に1里いった村、
の者です、

今回はこの奉行所に奉公する事になりましたと言うので、あまり、気は使わんでも良いぞ、わしは今日は飯は入らぬぞ、そなた達は遠慮しないで腹一杯食べろと言うと、ハイ、と返事し、
たので、下働きは何人いるのじあと聞くとも4人ですと言うので、4両を渡してみなで分けろ、これで家族の者に何か買うてやれと言うと、ありがとう御座います、お父が喜びますと受取、
り、

小判なんて初めて見ましたと言ったのです、お前のお父さんは何を作っているのじあと聞くと、畑で野菜と麦を作っています、山間なので水田はありません、この宿場が出来て毎朝野菜、
を江戸屋さんの店に降ろしています、今までは戸塚宿で道端で売っていましたが、ここでは全部店で買ってくれますので、楽だと言うていますと言ったのです、そうか、町田に移って、
水田もやれば良いなと言うと、

水田は分けてもらえるのでしょうかと聞くので、ああ、タダで分け与えるぞ、年貢は必要じあがなと言うと、今も年貢は払ています、それなら町田に移住します、やはり百姓は米を作る、
のが一番だと言うていますといったのです、それでは出掛けるぞと言うと、行ってらっしゃいませと言ったのです、奉行所を出て町に歩いて行き、あやめの居酒屋に行くと、仕事が終わ、
ったらしく、

人足や職人達が大勢飯と酒を飲んでいたのです、あやめがおいでなされませと小上がりに案内して、もう来て下さると待つていたのですと言うので、繁盛しているようじあな、店も立派、
なもんじあと言うと、ハイ、毎日満員なんですよと言って、酒と、アジの叩き、いわしの丸干し、はまぐり焼にしましょうと言って、調理場に言うと、ヘイと返事したので、板前は江戸、
者かと聞くと、

ハイ、大きな料理屋で板前していました、話をしたら喜んで来てくれましたよ、腕も中々のもんです、奥さんと娘さんと一緒に、宿場の長屋に住んでいます、長屋は1階に2間、2階に1間、
あるそうで喜んでいますと言うので、そうか、一人用と家族用とあるのじああなと言うと、一人用が月1朱で家座用が2朱と玄海屋さんが安くしなさっているそうですと言うので、玄海屋、
は儲かっているから、

人助けしているわけじあなと言ったのです、ご家老の部屋は二階の奥ですよと言うので、いつもは泊まれんぞ、役宅に帰らねば文句言われるでなと言うとハイ、分かっていますよ女郎屋、
に行っても悋気はしませんよと笑ったのです、わしには構わんででも良いぞと言うと、いいえ、構いますと横にピッタリくっついていたのです、腹が減ったな飯をくれと言うと、

ハイ、茶づけが良いでしょうと、梅茶漬けを持って来たので、かきこんだのです、藤堂とタケが今着きましたと店に入って来たので、あやめに訳を話すと、ようござんすよ、おタケさん、
こっちにと奥に案内して、この部屋を使って、今日はゆっくりして明日から頑張ってね、給金は月2分だけどと言うと、ハイそれだけ貰えば結構ですと言って、女将さん急がしそうです、
から今日から店にでますと言うと、

旅姿を着替えて、これでいいですかと言うと、前掛けはと聞くと、ありますとつけたので、中々のべっぴんさんだね、客が喜ぶよと言って、板前と女中に紹介して店に出したのです女将、
が戻ってきて、助かりました、ベツピンなので客が喜びますと言うので、この権藤を泊める部屋はないかなと聞くと、部屋は沢山あります、飯も酒もここで食べれば良いですよと言うと、
権藤が金は払いますと笑ったのです、

権藤まあ飲めと酌をすると飲み干して、先程港を見てきましたが大したもんですなと言うので、あしたからは帰るまでここの宿場の用心棒をやってくれと言うと、おまかせをと言ったの、
です、金はタップリもっているじあろうから、女郎屋にでも行くと良いと言うと、ハイ、飯を食うたら遊びますと言うので、女将が茶ずけにしますと聞くと、いや、飯とこのイワシに、
味噌汁にして下されと言ったのです、

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