第77話

文字数 2,811文字


源三郎江戸日記(弟二部)77

綱吉が白石それは大変な事じあな、わしから綱豊に頼んでやろう、西の丸に行き綱豊を呼んでまいれと言うと、白石は真っ青な顔をして震えています、綱豊がやって来てお呼びで御座り、
ますかと言って座ると、このものが源三郎じあと言うので、村上源三郎めに御座います、足が悪いゆえこのような格好で申し訳御座りませぬと言うと、おう、そちが印旛沼の水門を完成、
させた者じあなと言うと、

綱吉が吉保経緯を説明してやれというと、柳沢が話すと、話しを聞いて、何と白石そなたは治水の専門家ではないであろう、なぜ余計な事に口を挟むのじあ、しかも9万両だと、そのよう、
な金寸をわしが持っているはずはないじやろうがと言うと、白石が申し訳御座りませぬ、それがしが腹切ってお詫びいたしますると言うので、その腹が9万両で御座るか、それをやれば死、
ぬのですぞ、

新井殿は高名な学者ですぞ、その命は数百万両だしても買えませぬ、それがしは釣り銭をもっていないので、おやめくだされ、しからば今幾ら持ち合わせはと聞くと、今で御座るかと言、
って、サイフを出して8両2分にござると言うので、それでは8両におまけしておきますと傍により、8両を手で掴み、2分は今日の自棄酒代に残しておきまする、真鍋殿とそれがしの悪口、
を並べて、

鬱憤をはらしなされと言って、これで総て肩がつきましたと言うと、みんなが唖然としています、綱吉がこの伊達者がと大笑いすると、みなも大笑いしたのです、綱豊助かったなと言う、
と、ハツ、申し訳ござのませぬと言うので、綱豊は何もしらなかったのであろう、そなたは気にせんでも良いのじあ、綱吉が源三郎、相模原の新田開発を頼みたいのじあがと言うので、
しからばとその方策を言うと、

わかった総てそちの言うとおりにいたせ、そうでないと引きうけぬであろう、この、へそまがりめとにやりと笑ったのです、ともかくめでたしじあのうと言うので、上様あまりそれがし、
をこき使わないで下されと言うと、8両儲かったのだ良いでは無いかと笑って、吉保後は頼むぞ、勘定奉行にいうて、開発資金を下げ渡してくれ、と言うと御座所を出て行ったのです、
源三郎後で西の丸に寄ってくれと言うと、

綱豊と新井は部屋を下がったのです、土屋が見事な芝居であったなと言うので、何が出御座いますかかと言うと、上杉の借財を上様に言うて、幕府の賦役が来ぬようにとの策であろう、
と笑うと、これは読まれてしまいましたかと言うと、柳沢が老中全員がわかっておるわ、見え透いた芝居よのうと言うので、秋元がいや綱豊様にくさびを打ったので御座るよと言うと、

土屋がまさに一石2丁の策で、あったかと言うので、稲葉が綱豊様は何を言われると思うのじあと聞くとので、二人をかばってそれがしを慰撫なさいます、まあ、貸しておけと言う事で、
御座いますよと言って、最近は大名の西の丸詣でを、上様は面白くないとお思いなので、これで鬱積が晴れた事と思います、1石3丁に御座いますと言うと、まつたく、抜け目がないのう、
と全員が笑ったのです、

それでは西の丸参りに行ってきますと言うと、上手くゴマをすれよと柳沢が言ったのです、茶坊主に西の丸に案内してもらい、御座所に行き、失礼は幾重にもお詫びしますと平伏すると、
まあ、足を崩せと綱豊も足を崩して、上様の前で金のやり取りをした者はそちが初めてじあよと笑い、そなたのくさびはこの胸に刺さったぞ、又、上様の鬱積も晴れたようじあわしも、
ホットしたぞ、

大名共にここに来るなとはいえんからのうと言うと、さすが綱豊様に御座います、総てお見通しで御座いますなと言うと、白石のボケツを上手く利用したわけだと言うと、白石がなんと、
あの戯言は上様と綱豊様の仲を、緩和させる芝居で御座ったかと言うので、源三郎が気を使ったのよと言うので、源三郎は袖口から8両を出して、新井殿を利用させてもらいました申し、
訳ありませぬ、

これはお返しいたしますと、新井の前に置いたのです、真鍋でて来いと言うと座敷に座り、真鍋にござると言うので、村上に御座る、真鍋殿も利用させてもらいましたが、治水の件は、
ご存知だったでしょう、なぜ止めなかったので御座るかと言うと、それがしも上手くいかぬと思うたので御座ると言うので、銭屋から幾らお貰いになったので御座るかな、一人1000両、
づつで御座ろうと言うと、

綱豊が何二人とも貰ったのかと聞くと、ハイ、申し訳ござりませぬ、直ちに返しますると言うので、源三郎がそれには及びませぬ、それがしは1万両もらいましたと言うと、綱豊がなに、
1万両だとと言うので、銭屋の首が飛ぶのを助けたので御座います、真鍋どの綱豊様にお話なされと言うと、ハイ、言うと、いきさつを話したのです、そんな事があったのか、わしの耳、
にはなにも入っておらんと絶句したのです、

真鍋殿これからは知りえた事は総て綱豊様の耳にはいれなされと言うと、ハイ、必ずお耳に入れますると言うと、銭屋はしたたかな奴です、代替わりを狙って新井殿と真鍋殿に近づいた、
のでござる、腕を試したので御座るよ、そういうやからは金だけふんだくって財力を減らさせるのです、それを懐にいれずに将軍家の為につかえば賦役になり申す、それがしが貰った1、
万両は上杉家の借財の利息に使うのですと言うと、

綱豊がなる程、身を正して賂を受取らないのは具の骨頂なのだな、上手く賦役か冥加金として吸い上げると言う事かと言うので、銭屋はこれでみすみす3万両をドブに捨てた事になり申す、
と言うと、又擦り寄ってきたら上手く飼いならすのですぞ、50万両からの蓄財があるはずですと言うと、真鍋がそれがしに出来るでしょうかと言うので、今印象を良くしておけば代変わ、
りになったら、良い目が見られるかもしれなぬと言っておけば、

幾らでも金寸はだしますよと言うと、騙すのでござるかと言うので、かもしれないと言えば騙した事にはなり申うさんと言うと、なる程と頷いたのです、ここは寒う御座る、火鉢はあるの、
で、真鍋殿座卓と夏用のフトンを持って来てくだされというと、ハイと言って腰元に探させて、持って来たので火鉢の上に座卓をのせてフトンを被せて、綱豊にここに足を投げ出して入り、
なされと言うと、

足をいれて座ると、ほう、ぬく、ぬくじあなと言うので、その格好で大名にあわれるのはまずいですが、綱豊様の部屋なら良いですよ、但しここで寝ると水分が抜けますので、寝てはいけ、
ませぬ、又部屋のフスマは少し開けてくだされ、代替わりまでに風をこじらせ病気になっては何もなりませぬ、上様にも綱豊様から教えなされば、仲は良くなります、又奥方様と一緒に入、
られれば仲が更に良くなりますぞ、これは炬燵と言う物ですと言ったのです、

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