第8話

文字数 2,740文字


源三郎江戸日記(弟二部)8

暫くすると藩士が現れ、我々の申し出を断ると言うのか、と聞くので、人の座敷に出ているものを、回せとは無体なと言うと、上杉正光さまが所望なのだお前如き藩士が逆らえる訳が、
ないと言うので、たとえ一門であろうと狼藉を許させぬ、馬鹿息子共の悪行はつぶさに聞いたというと、何をと刀抜いたので、お峰が立ち上がり様に小太刀を抜き、右手を切りつける、
と、

ぎや~と言って刀を落としたので、峰に持ち替え肩をピシ~と打つと後ろにひっくり返ったのです、腕から血を流しているのでお峰が袖をめくり腕の付け根を手ぬぐいで縛り、これで、
血は止まると言うと、ブルブル震えています、正光の元につれていくのだと立ち上がらせて部屋に行きつき飛ばすと、何だお前はと言うので、馬鹿息子らめお前達は金も払わずたかり、
かと言うと、

おのれ平侍がと言うと4人が立ち上がり刀に手をかけたので、ここでは迷惑だ外にでろと言うと、後をついて来たので店の外に出たのです、4人が一斉に刀を抜いたので、お峰懲らしめ、
てやれと言うと、ハイと返事して抜く手もみせず踏み込んで右左に切り下げると、あっと言う間にぎや~と言って刀を落とし、右腕から血を流したので、お峰は小太刀を峰に持ち変え、
片っ端から肩を打つと、

ぐわ~と言ってひっくり返ったのです、4人は唖然としています、腰の物を前に投げるのだと言うと、小太刀を前になげたので、足で蹴飛ばして、白菊たちに腕の付け根をしばり止血、
してくれと頼むと、みんなで手ぬぐいを裂いて縛り、残りで血をふき取ったのです、部屋に入れと言って座らせて、わしは主席家老の村上源三郎だ家老に狼藉を働くとは厳罰に処する、
ぞと言うと、

5人がご家老としらず申し訳ありませんと言うので、いまさら遅いわと言って、女将こいつらが払わない代金は大体いくらだと聞くと、ハイ8両くらいですというので、白菊達はと聞く、
とおよそ12両ですというので、全員サイフだして中身を出せと言うと、出したので数えると3両2分です、とても足りんな、右の者にいまから上杉正行殿の屋敷に行き、代金を払わず、
主席家老に無礼を働いた息子を預かっている、

1時のうちに50両を持参してこの料理屋に引き取りにこられよ、もし1時たっても現れない場合は、4人は斬首いたすとと言っていると申し伝えよと言うと、そんなと言うので、10両盗、
めば首が飛ぶのがご定法だ何が無体なものか、他にも色々踏み倒しているのであろう、50両耳をそろえなければ許さんと伝えよと言うと、ハイと立ち上がり店を出て行ったのです、

血も止まっただろう、みんなに杯を渡し酒をついでやれ、迎えにこなかったら末期の水になる、さあ飲むのだと言うと、みんな真っ青な顔をしています、半時たった時に上杉正行が、
部屋に入ってきて、これはご家老この者達が無礼をはたらいたそうで申し訳ござらぬ、と50両を渡すので受け取り、女将に渡しこれでこの者達がこの城下で踏み倒したのを清算する、
のだと言って、

これで踏み倒した物の始末はついたが、わしへの狼藉は許さぬ、殿が一門とあろうと楯突くものは許さぬと申されたであろう、この者達は殿に言うて全員切腹を申し付けて頂くので、
そう心へられよと言うと、それは又罪が重たいのでは御座らぬかと言うので、わしに狼藉を働くのは、殿に狼藉を働いたのも同じじあと言うと、ハハ~と頭を下げるので、しかし、
助ける方法は一つある、

それはこの一門の息子達の親が命乞いに200両づつ勘定方に納める事である、財政逼迫しておるおりである、一門がこぞって寄進したとなれば殿も許して下だされよう、命の代償と、
すれば安い物でござる、両方とも不服とあらば一門郎党に味方の藩士ともども屋敷に立て篭りなされ、それがしが藩兵を率いて打ち込み、みなの首をあげますぞ、明日の正午まで、
にとくと考えて返答されよ、

もう帰っても宜しゅう御座るぞ、尚それがしの帰り道を襲っても宜しいぞ、わしは、堀内道場の目録持ちだ、あの高田の馬場の決闘で18人切りをした、中山安兵衛に一度も負けた、
ことは無い、かかってくれば全員血祭りに上げるので、覚悟して人数を集められよと言うと、そんな事は及びもつきませぬ、それではごめんと立ちあがり、5人を引き取って帰っ、
たのです、

女将達がありがとう御座います、これで狼藉は働かなくなる、でしょうと言うので、その金は迷惑を掛けたものに、払おてくれと言うと、ハイ承知しましたと、受け取ったのです、
屋敷に戻った正行はみんな屋敷へ戻り、父親にここに集まるように言うのだと言うと、4人は屋敷を出て行ったのです、正光が申し訳ございませぬと言うと、ばかめ、お陰で散在、
する事になったではないかと言うと、

みんなを集めて屋敷にたて篭りましょうと言うので、謀反を起せば一族郎党ともども忠罰されるぞと言うと、家老の味方する者はおりませぬと言うので、そうかなそれは明日以降、
に何を改革するかによつて、不満を持つ者を集めればよい、奴は噂通りの腕に違いない、今はへたに逆らわぬ方が身の為じあと言ったのです、5人の父親が集まったので、明日は、
200両ずつ勘定方に納めるのだと言うと、

素直に聞けともうされるのかと聞くので、その方が身の為じあと言うと、村上如きを恐れるといわれるかと言うので、ならばそなたは奴に楯突けば宜しかろう、わしは知らんと言、
うと、人数を20人集め申した帰り道を遅い忠罰してくれると言うので、失敗すれば間違いなくお家断絶切腹だぞと言って、わしは係わり無いからなと言うと、二人が立ち上がり、
かってに討ち取りますと屋敷を出て行つたのです、

源三郎は飲みなおしだと言って杯を重ねると、源信がす~と入ってきて、奴らは20人を集めて待ち伏せしていますと言うので、正行の指図かと聞くと、いえ、一門の800石上杉紀正、
と同じく800石上杉紀敏に御座いますと言うので、馬鹿目200両で済むものが、500両に跳ね上がるわと言つて、炸裂弾の用意はと聞くと、1発づつ渡すので火種つぼと受け取ると、
源信がそれがしとお蝶が後ろから2発なげますので、

殿と奥方様で前から2発投げてください、これで半分は吹き飛びますと言うので、わかった、まあ一杯飲めと言うと飲み干し、お蝶が見張っていますと言って、す~と消えたです、
白菊が忍びですかと聞くので、彼らもわしの護衛じあよと言うと、まるで戦ですねと言うので、戦をしに米沢に来たのだよと笑い、さてお待ちかねだ、お峰まいるぞと言うとハイ、
旦那様懲らしめてやりましょうと言って店を出たのです、

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