第30話

文字数 2,799文字


源三郎江戸日記(弟二部)30

お蝶が佐倉の城下で見張っている源信の元に行くと、おう、飛猿かやっと来たかと言うので、才蔵を紹介すると伊賀者か宜しく頼むぞ、手当ては月3両だ、他にかかる費用は藩が出す、
100石取りの藩士と同じだ、ただし、ご家老の為に命はかけなくてはならんぞと言うと、そんなに貰えるのですか、赤穂では月1両4分でしたがと才蔵が言うと、ご家老は気まえが良、
いのだ、

金儲けの天才だからなと笑い、ここは、わしと才蔵でよい、お蝶と飛猿飯場を見張れ、稲葉の手の者がもぐりこんでいるやも知れんと言う、承知と言うお蝶と飛猿は飯場に戻ったの、
てす、お蝶がそれではお前は人足頭の店で飲んでいろ、ご家老はそこに行きなさるはずだ、わたしは近くの居酒屋を回るといって別れたのです、飛猿が飯屋に行くと女将が弥吉仕事、
終ったのかと聞くので、

ああ、もうじきお頭がご家老を連れてきなさるよと言うと、ご家老が来てなさるのか、確かいわしが好きだと言っておられたな、お滝いわしはあるのかえと聞くと銚子で上がった、
丸干しならありますがと言うのでそれでいいよと言うと、新しい女中がはいったのかと聞くと、そうか、お前はこの4、5日来てないね、何処であそんでいたのだと聞くので、佐倉、
の城下だよと言うと、

また博打か、給金をまきあげられるよ、そこそこにしておきなと言って、酒とするめいいかいと言うので、それを頼むと言ったのです、お滝が酒とするめをもって来て出してので、
何処からきたんだと聞くと、佐倉の城下ですよと言うので、ちょくちょく行くが見かけんなと言うと、料理屋の奥女中をやっていたから顔はあわせなかったんだよと言って酌をし、
たのです、

席を外れると、あれば武家のむすめだな、町家の娘が徳利の底をもって酌をするはずが無い、さては稲葉のてのものかと思い、監視する事にしたのです、源三郎、お峰、熊吉が店、
にはいってきて、熊吉が弥吉を見つけて怪訝な顔するので、弥吉が右手で合図すると、頷き傍の小上がりに上がったのです、女将がやってきて、これは、ご家老様よくいらっしゃ、
いましたと挨拶したので、

おう何か美味いものを食わせてくれと言うと、銚子から丸干しが入っていますがと答えると、それをくれ、わしの好物じあと言って頼むと、ハイと言っ奥にいったので、お滝の様子、
を盗み見ると、明からにこちらを伺っています、女将がお滝お酒をご家老様にと言うと、お滝がハイと返事して盆に用意したのです、もって来て二人に酌をしたので、飲んではいけ、
ないと手を横に振ると、

おう弥吉かこっちとに来いと言うので、ヘイと言うと、お前も飲めと言うので、お滝ご家老様が、お酌してくださるそうで、新しい湯のみをと言うと、ハイと言って取りに行ったの、
で、あれは武家の娘です、私が毒みをと源三郎の湯のみを飲み干して酌をしたのです、大丈夫です毒は入っていません懐と袖口を探りますと言うと、源三郎が頷いたのです、お滝が、
ハイと湯のみを渡すと、

弥吉に源三郎が酌をして、4人がハイを重ねたのです、ご家老厠にいってきますと席を立ち、よろけたふりをして、おととっととお滝の肩につかまると、危ないとお滝が抱きとめた、
ので、すまんと言って小上がりを降りて厠に行ったのです、女将がいわしを持ってきたので、熊吉が一匹をあっしにと言うと、あんたの分も焼きますと、なんてすかご家老様の物、
をと言って奥に言ったので、

それではと一匹を手で掴みムシヤ、ムシャと食べるので、源三郎が来て直ぐには毒は入れんよ、必ず様子をみてやるから大丈夫だと笑うと、大丈夫みたいですと言うので、お峰が、
毒を食べても大丈夫なのですよというと、どうしてですかと聞くので、毒消しの薬を持っているのですと言って、源三郎が腰にぶら下げている印籠をはずし、蓋を開けて匂いを、
かがせると、

これは梅酢ですかと聞くので、これを飲めばいの中の物が全部はき出ますと言って、蓋をして腰に返したのです、熊吉がなる程毒用の鎖帷子ですねと言ったのです、飛猿が帰って、
来て、財布に入っていました、抜き取りサイフは返しましたというので、見ると紙に入った白い粉です、飛猿が少しなめて、これはトリカブトの毒です、やっぱり柳沢の手の者で、
すよと言うので、

そうか、今度は毒殺と来たか、こりない奴だなと言うと、お蝶姉さんに知らせてきます、表を固めてもらいます、私は裏口をと言うと、女将さんここに置くよと言って銭をおくと、
今日博打場にいくんじあないよと言うと、ハイ、ハイと言って店を出て行ったのです、熊吉がすいませんと言うので、気にするな知らん顔していろ、今にクスリが無いことに気ず、
き、

逃げ出すだろうと言うと、お峰が早速活躍してくれましたねと言うので、お峰は気づいたかと聞くと、町家の娘の酌の仕方ではありませんし、あの手は洗物をしている手ではあり、
せぬ、直ぐわかりましたよと言うので、熊吉が驚いたのです、熊吉毒かも知れないのは飲むなよ、飛猿は毒の修練しているので死なないのじあよ、お前は修練していないじあろう、
一ころじあぞと言うと、

ご家老様の為なら死んでも構いませんと言うので、ばかをいえ、女将と子供が嘆き悲しむぞ、私たちに任せておけばよいのじあ、修羅場を何回もくぐっているので大丈夫じあよ、
次のお銚子を頼んだ時にいれようとしてない事に気づくよと言うと、お峰が酌をして三人で飲み干し、お滝さんお銚子とお峰が言うと、は~いと返事をしたのです、さあどうす、
るかなと言うと、

少し間が空いたのですが、飛び出しては行きません、覚悟したのかお峰手を出すなよと言うと、ハイと返事したので、お滝が盆に3本のお銚子を載せて、小上がりに上がり、机に、
置き、源三郎に酌をする振りをして、懐剣を突き出してので、源三郎が手を捕まえて捻ると、懐剣を落としたのです、お峰が腰帯を掴み座らせると、殺してくださいと言うので、

父上や母上が悲しむだろうと言うと、父も母もおりませぬと言うので、病気でくなったのかと聞くと、いえ、父は殺されたのです、母は後を追うようにしんでしまっのですと言う、
ので、自害したのかと聞くと、いいえ、病気になりそのままなくなったのですというので、他に兄弟はと聞くと、おりませぬと言うので、そうか気の毒にと言って、誰に殺され、
たのだと聞くと、

高木監物と言う男ですと言うので、お前は稲葉様に命令されたのだろう、高木は稲葉様の手の者ではないか、敵討ちはしないのかと聞くと、殿がお許しにならないのです、酒の、
上の喧嘩で父が監物に切りつけて、返り討ちにあったということで、お許しにならないのですというので、それは誰か見ていたのかと聞くと、勘定奉行様の宴席だったそうで、
す、

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