第39話

文字数 2,850文字


源三郎江戸日記(弟二部)39

陣屋が完成したので寺からみんなは引越したのです、名主の徳三が陣屋の中を案内して、まずは御座所に案内したのです、中々広いではないかと言うとフスマを外せば200人は座れ、
ますと言って、控えの間に行くと、前には小さな庭園が作ってあり池に滝もあり水が流れ落ちています、庭には桜、銀杏、紅葉の木が植えてあり、池には鯉や鮒が泳いでいます、

後は代官、勘定方、蔵方、郡方、町方などの御用部屋があり、台所もやや広めです、陣屋の中には長屋と役宅が並び立派なものです、中々立派な陣屋じあ、これなら殿が暫く逗留、
されても喜ばれるであろうと言うと、気にいってくださり、宜しゅう御座いました、女中も10人程集めて、おりますと言って、女中頭のしのですと紹介すると、しのに御座います、
よろしくお願いしますと言うので、

武家の出とみたがと聞くと、元佐倉藩飯塚孫四郎の娘で御座いますと言うので、それで、父上と母上はと聞くと、5年前になくなりましたと言うので、兄弟はと聞くと弟がおります、
今回陣屋の手代として奉公する事になりました、お家は国家老の勘気にふれて断絶いたしました、母が名主の徳三殿の娘でございまして、徳三殿に引き取られていたので御座います、
が今回奉公の口を聞いてくだったので御座いますと言うので、

それは気の毒じあな、嫁にはいかんのかと聞くと、武家の出ゆえ百姓の家には貰い手がありませぬと言うので、ここに赴任して来る一人身の藩士を探せばよいと言うと、歳が25に、
なりますゆえ難しいかと思います、一生ここに奉公させてくださりませと言うので、縁はいなものと言うので、縁があるやも知れん、いつまでもいてもよいぞと言うと、ありがと、
う御座りますと言ったのです、

奥方様にお台所を案内して、女中を引き合わせますと言うので、お峰がわたしは江戸にかえらねばならぬので少ししかおらんが宜しくな、これはご家老の側室じあと言うと、これは、
お滝殿では、御座いませぬかと言うので、おしの殿久しぶりです、元気でしたかと言うと、ご家老様の側室におなりでしたか、して佐倉藩はどうされたのですと、おしのが聞くので、

後でお話しましょう、まずは奥方様を台所へと言うとそばを離れたのです、お滝もおしのも災難にあったようじあのおと聞くと、身内の者を推挙して申しわけありませんと言うので、
構わんよ、気にするでないと言うと、おしのの父親は佐倉藩の郡方の頭をやっていたのですが、蔵米の勘定が合わずその責め負わされて切腹させられたのです、お家は断絶になり、
娘である菊としの、弟の菊次郎を一緒に引き取ったのです、

菊はお家断絶がこたえたのか後を追うように病気で死にました、孫四郎殿は律儀な人で領民にも慕われていましたが、お助け米を藩の許しなく、領民に渡したとして責めを負わされ、
たのです、あれはひどい飢饉でした、名主一同が蔵米を下さるように嘆願したのですが聞き入れてもらえず、独断でお渡しになったのですというので、何と言う重役共なのだと言っ、
て、

それでは国家老に殺されたのも同じではないかと言うと、殿様は領地にはほとんど戻られないので実情はしらないと思いますと言ったのです、たとえそうであっても飢饉を知らない、
はずはない、幕閣の政争にばかり目が行っているのじあよ、何とかその重役共を懲らしめてやらねばならん、天満屋とつるんでいるのだろうが、他にもやっているはずじあ、何か、
こころあたりはないかと聞くと、

城下の女郎屋の権蔵が悪い奴で職人や百姓を博打に引きずり込み、イカサマで借金を膨らませ娘を借金の方に取り、女郎屋で働かせていますが、権蔵は国家老に沢山の賂を渡して、
いるそうで、町奉行は手が出せないそうです、いままで何人も町奉行は変わっています、国家老、勘定奉行、郡奉行がつるんでいるのだそうですと言うので、それに意を唱える者、
はいないのかと聞くと、

江戸家老の山脇様が殿に国元の実情をはなされましたら、幕閣への工作資金を調達しているのが国家老なので、証拠もなく誹謗するなと一括されたそうです、それでお滝殿の父上、
に調べさせていたのではないでしょうかと言うので、よし、その権蔵を叩き潰してやろうと言うと、佐倉の城下はこの前の事もあり危険ですというので、わしのかおなど知らんか、
ら大丈夫だよ、

このまま捨て置くわけにはいかんと言うと、何か手助けする事があれば言うてくださいと言うので、なにかあらば頼もうと言って、町奉行は江戸家老と親しいのかと聞くとハイ、
国家老には加担していないそうですが、へたすると首が飛びます、国にお戻りの殿様に直訴すると言われましたら、山脇様から証拠を探しているので待てといわれているそうで、
すと言うので、

大勢の藩士が思っているのであろう、証拠を揃えてわしが稲葉様に直訴してそのネズミを退治してやろうと言ったのです、源信と言うと飛猿が頭は佐倉の城下です特に不穏な動き、
はないそうですというので、今の話を聞いていたであろう、権蔵の賭場に案内しろと言うと、しかしと言うので、この格好じあ何処かの浪人と思うじあろう、今から賭場荒らしを、
やるぞと言って、

わしとお前が賭場にいきお前のイカサマで大勝ちすれば必ず指しの勝負に出るだろう、お前は小さく掛けろ、わしは大きく掛けて大勝ちする、源信に畳針のイカサマ野郎を倒して、
指しの勝負の時わしの掛けた目を出すように言うのだ、才蔵とお蝶は女郎屋を見張り奴らが動いたらお蝶はお峰に知らせて、お峰は景山達用心棒と七衛門達を引きつれ国境で待ち、
伏せさせる、

わしとおまえは金を袋に入れ馬で逃げれば、大挙して追いかけてくるじあろう、みんなで袋叩きにしてやり、権蔵を捕まえる、その隙に才蔵は女郎屋に忍び込み権蔵が持っている、
国家老への賂の書付を盗むのじあと言うと、さすがご家老様これも戦ですねと言うので、権蔵が上杉の領地に入ればこっちの者だ、領内に入るものは狼藉物として成敗すると佐倉、
藩には言てあるので、

権蔵を捕らまえても佐倉藩は文句は言えんわけじあと言うと、お峰と七衛門を呼び話すると承知と言うので、全員馬にのり飯場に向かい、途中お峰と七衛門達は飯場の景山の処に、
行き、二人はそのまま通過して佐倉の城下に行き馬をつないで、居酒屋に入り源信達に策を話すと、承知と言うので、それではと居酒屋を出て飛猿と博打場に行くと、見張りが、
おう弥吉かと言うので、

浪人さんをつれてきやした、懐はあったかいですぜと言うので、懐から50両を見せて、これで遊ばせろと言うと、ヘイ、こらにと案内したので賭場に入り50両だすと、全部です、
かと言うので、この賭場はこれでは遊ばせないのかと言うと、そんな事ありやせんが、すからかんになっても恨みこなしですぜと言うので、わかっているわと言って木札をもち、
席に座ったのです、

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