第26話

文字数 2,741文字


源三郎江戸日記(弟五部)26

城を下がり居酒屋に行き、みなのもご苦労であったと杯を重ねて、これは今回の褒美じあといって、1人10両づつを渡して、今日はここに留まり、その金で羽を伸ばすが良いと言うと、
みんなが喜んで、銘々出て行ったのです、遠山もたまには羽を伸ばせと言うと、そうですな、お2人の邪魔をしてはいけませんな、と言うと山形と出て行ったのです、エミにたまには、
茶屋にでも行くかと言うと、

連れ立って茶屋に行き燃え上がったのです、エミが行部もなぜ何回も勝てぬとわかっているのに、向って来るのでしょうと言うので、勝てると思うたのじあよ、普通であれば50人もい、
れば7人等に負けるわけないと思うじあろうと言うと、小太郎と言い中々反省させるのは難しいですねと言うので、武士の面子と言う奴が邪魔をするのであろうと言うと、殿の役目も、
大変で御座りますなと手を握るので、

抱き寄せて、こんな楽しみもあるので良いのじあよと言うと再び燃え上がったのです、何回か情を交わして旅籠に戻り湯に入り、茶づけをかきこんで寝酒を飲みフトンにはいるとすぐ、
に寝入ったのです、朝起きて朝餉を取り支度して下に降りると、遠山がこれで川越に戻りますと言うので、後は頼んだぞと言って、源三郎達は戸田宗時と郡奉行の案内で先の一揆で、
死罪になった中谷村の庄屋の家へ行ったのです、

中谷村の庄屋の家に行くと、恩田佐助に御座いますと言うので、そなたの父佐吉は気の毒な事であったと言うと、父達3人の庄屋の犠牲のお陰で税は元に戻りました、直訴は厳罰なれば、
致し方ありませんと言うので、わしは諸国巡察視の村上源三郎じあ関が原から100年達ち、人も増えていままでの田畑では暮らしていけなくなったのであろう、藩に新田開発の願いを出、
しても、

財政が悪いと言う事で、開発資金を降りぬであろう、そこで、幕府から開発資金をそなたに下げ渡す事にする、開発できそうな場所に案内してくれと言うと、まことに御座りますかと、
言うので、うそはつかぬというと、馬を出して乗り案内したのです、なる程問題は潅漑施設じあなと言うと、ハイ、川は右に流れていますが、それより高い為に水をくみ上げるしか、
ありません、

後は左の山の小川から潅漑の為の用水路を掘るしかありませぬ、地盤が軟らかいので工事をすれば山津波が起きる可能性があります、岩盤の硬い場所を探して掘り進めれば良いのです
が、相当の費用がかかりますと言うので、ならば、あの川で水車を回し、水をくみ上げて、といにて水を野原に引き込めばよいと、水車での水のくみ上げ方法を絵にかいて教えたの、
です、

水車は3基もあれば良い、田に関をもうけて次ぎから次に水が回るようにするのじあ、水が必要なくなったら、といを外すのじあと言うと、なる程水車ですか、ついぞそれは思いもしま、
せんでした、低い所から水を汲みあげるのですねと言うので、水車は脱穀に使うだけではないのじあ、半径一間もあれば全体で2間になり、野原より上になるであろうと言うと、ハイ、
それなら金もかかりません、

ため池を作るより安上がりですと言うので、野原の開墾は馬二頭に、このような鍬を引かせて耕すのじあよ、そりを付けて人が乗り馬を扱うのじあ、あっと言う間に、耕せるぞと言うと、
なる程これなら従来の二倍から三倍の田を作れば良いですねと言ったのです、又稲穂を落とすのは丸い樽に鉄の三角にしたのを打ち込み、これを回転させて稲穂を引っ掛ければ簡単に、
稲穂の身が落とせる、

樽の円周に二つの鉄の棒を取り付けて、足でこげば回転するぞ、手が挟まれないように工夫するのじあよ、水車は回転を上下運動に変えて脱穀するのじあろう、逆にすれば回転する事に、
なると言うと、みんなの目が点になっています、この野原で2000石と言うところじあろう、開発費用は馬、鍬、水車の道具と、人でで2000両もあれば出来るじあろう、人では村の者に、
一日二朱で開墾させるのじあ、

出来上がったら、働き手の人数により均等に分ければ良い、又山を開墾する場合は、木を切ったら、木の根は火薬を仕掛けて吹きとばせば、簡単に開墾できる、幕府は治水や開墾に使う、
火薬は花火と同じに許しておる、佐助そなたに1万両預けるので、犠牲になった3つの村もそなたが指導して開発させるのじあ、さすれば、2万石は簡単に新田開発できるぞと言って為替、
手形2枚を渡して、

城下の両替商にいる分だけ出してもらえば良いと言うと、有難う御座いますこれで、間引きや娘を売らないで済みます、又次男、三男も田を作付けして、暮らす事が出来ますと言うので、
米だけに頼ってはいかん、名産を作り糧の助けにするのじあ、木細工、竹細工、うどん、蕎麦等考えれば沢山あるじあろう、豊かになれば次の開発資金は貯蓄しておくのじあよ、藩に、
頼っても、

裕福に育った武士に知恵等ありはせんのじあよ、それに金がなければ何もできやしないのだと言うと、色々聞きまして目から鱗が落ちました、いままでのやり方を工夫しなければ誰も、
豊かにはならないのですね、物産もみんなで意見を持ち寄り勧めます、何か明るい希望が出てきましたと嬉そうです、宗時そなたは家系がら、いつかは執政にならねばならぬじあろう、
村々を歩き、

話しを聞き、藩政改革のネタを探すのじあ、おもわぬところに良い施策があるもんなのじあ、わしが今教えた事は、わしが全国を回って教えて貰った方法を言うたまでじあよ先人の知恵、
は埋もれた場所にあるのじあよ、城で議論をしていても何も出てくるはずはないわと言うと、宗時が、井の中のかわずでした、これよりは、村々を回り意見を聞いて、藩政に取り込むよ、
うにしますと言ったのです、

郡奉行が私も職務怠慢でした、上司の顔色を伺い暮らしてきました、今後はわたしも村を回ります、配下の者が賄賂等を要求しないようにしつかり監視します、本来ならば私も腹を切ら、
無ければならないところですと言うので、腹を切るのは藩主が家臣を助ける為にやる事だ、家臣は藩主の為に討ち死にをして果てなければならぬのじあよ、切腹等具の骨頂と言うもの、
じあ、

宗時そなたの父上を辱めて言うておるのではない、そなたの父上は藩主の代わりに腹を切ったのじあ、恥じる事はないぞと言うと、勿体無いお言葉です、家族の者が聞けば喜びますと言、
ったのです、国が豊かになればそなた達藩士も豊かになると言う事じあよ、質素倹約は大事な事じあが、祭りなどで腹一杯美味いものを食うて騒ぐのも必用なのじあよと言うと、佐助が、
秋祭りは盛大にやりますと言ったのです、

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