第56話

文字数 2,934文字


源三郎江戸日記(弟二部)56

これからは何でも取るばかりではなく、育てる事が大事なんじあなと言うので、馬も育てておられるのでしょう、他にも沢山あると思いますと言うと、色々話をすれば良い知恵も出て来る、
わけじあな、考えるだけでも楽しいのおと大喜びしたのです、七衛門の相馬の出店が儲かれば冥加金も入り藩も潤うのじあ宜しく頼むぞと言ったのです、色々歓談して城を下がり旅籠に戻、
ると、

七衛門が叉一つ工夫が出来ましたなと言うので、わしも、気がつかなんだよと言うと、船に大きな水槽を作れば生きたまま運べるわけです、空気の取り入れは風車を使えばよいですねと言、
うので、これで叉大儲けが出来るわけじあなと笑うと、ご家老の傍にいると儲かりますよと七衛門も笑ったのです、次の日には相馬から船に乗り追い風なので翌日の夕方には佃沖について、
上杉の上屋敷に顔を出したのです、

次席家老に印西陣屋の代官の山本に赴任者の手当ての裁可が下りたので皆に知らせるように言てくれ、叉江戸にでも藩内の者に触れを出して知らせよというと、これなら希望者が沢山でま、
すなと言うので、2年後には沢山集まるじあろうと笑ったのです、ところで役宅へお移りはと聞くので、一段落したのでわしは暇じあ根岸の方が気楽なので勘弁せいと言うと、しかたあり、
ませぬ、

それがしが屋敷を守りますと言うので、すまんなと言って、根岸に馬で戻ったのです、みんなが出迎えたので部屋に入ると、大工が入っているので、何をつくるのじあと聞くと、お峰が、
どうせ、上屋敷には移られないだろうと、若狭屋が増築をしているので御座いますと言うので、そうかと言うと、腰元4人程増やしました、母上とお律殿付きに2人お春の方付きに1人、
わたし付きが1人に御座います、

次席家老様が役宅の分をここに回されたのですと言うので、その者達は了承しているのかと聞くと、ハイ、ここは気が楽だと喜んでおりますと言うので、そうかそれなら良いだろうと言っ、
たのです、母が現れて私はいらぬと申したのじあがと言うので、大勢いれば楽しく過ごせます、どうぞ気を使われますなと言うと、そうかえ、なら奉公してもらいましょう、裁縫、和歌、
料理等も教えて、

嫁入りできるようにしましょうと言ったのです、皆が集まったので気楽に過ごせよ、よい縁があれば心に留めておこうと言ったのです、おうめを呼び、お前が女中頭だ宜しく頼むぞと言っ、
たのです、お峰がお出かけになりますかと聞くので、一休みしたら出掛けるぞと言うと、ハイ、今お茶を入れましょうと言ったのです、他の物はそれぞれの部屋に下がり、お峰がお春は、
息災でしたかと聞くので、

ああ元気であったぞと言うと、たまには米沢にお行きなされと言うので、雪が溶けたら様子を見に行くとしょうと言ったのです、何かふっくらしたようじあがと聞くと、わかりましたか、
実はやや子が出来たのですというので、本当か、それは目出たい、して産み付きはと聞くと来年の9月との事ですというので、それならあまり動いてはならぬと言うと、まだ小指の先程、
に御座ります、

少しは動かないと逆にやや子に良くないのですよと言ったのです、男の子でも女子でもどちらでもよいぞと言うと、ハイと笑ったのです、母上も若狭屋も知っておるのかと聞くと、ハイ、
と言うので、そうか出来たかと喜んだのです、お峰が夜伽はお滝があい勤めますと言うので、そうじあなと言ったのです、それでは出掛けるとしょう、今日は歩いていくぞと言うと屋敷、
を出て深川に向かったのです、

貰った本二冊を抱えて玄庵の診療所に行くと、お戻りになられましたかと言うので、米沢は一面雪が積もっておりましたといって、本を二冊だして、翻訳して下さらんかと言うと、まず、
医学書を見て、これは最新の本ですな、翻訳すればそれがしも新しい医術が学べますと言い、もう一冊を見てこれは南蛮の農機具などの生活の様子を書きとめたものにござるか、これも、
最新に御座るな、

貴重な本ですぞ、診療は弟子に任せております、さつそく翻訳してみましょうと喜んだのです、居酒屋に行き小上がりに上がると、おみよが久しぶりですねと言って酒を持って来て酌を、
して、今日はアジのいいのが入っています、叩きに塩焼きを出しますと言うので、宜しく頼むと言うと、お蝶が入って来たので小上がりに上がらせて酌をすると飲み干し、やっと阿片を、
やっている場所が分かりました、

神田橋外の護持院の蔵の地下室に御座いますと言うので、生類哀れみの令を進めた隆光が住職の寺ではないか、それは誰も手はだせんなと言うと、大奥取締りの絵島の局が黒幕ではない、
かと源信が申しています、絵島は元加賀藩の藩士の娘に御座います、絵島が阿片をやっているのかと聞くと、部屋子に阿片を吸わせて役者と絡ませそれを見て楽しんでいるとの事です、

部屋子はいずれも町家の出で行儀見習いに大奥に上がっている女子との事です、それで中毒になって殺された者はいるのかと聞くと、それは分かりませぬ才蔵が忍び込んで見つけたそう、
に御座いますが、天井には忍び返しが仕掛けしてあったそうで、あやうく見つかるところを猫の鳴きまねをして天井に潜み、ほとぼりがさめた所を脱出したそうに御座います、丸1日も、
天井に張り付いていたそうです、

一向が城に変えると警備の人間はいなくなるそうですと言ったのです、無理をするなと言うたのにと言うと、源信に叱られていました、どうしても手柄が欲しかったそうですと言うので、
命あってのものだねだろうと言うと、ハイ、きつく言い聞かせましたと言ったのです、そうするとやはり前田行部が絵島に阿片を渡しているのだな、絵島の父親はどうしているのだと聞、
くと、

絵島のお陰で旗本に、取り立てられているそうです、徒歩組の頭をやってるそうで、石高は500石だそうです、噂では絵島は大奥に登る前は、行部の女子であったと言う者もいるそうです、
前田行部の専横に憤慨している加賀藩の藩士が昨年粛清されて切腹3人、断絶の上領内追放に5人なったそうです、国家老は先代からやっているらしいのですが、手足をもがれて隠居同然、
だそうですと言ったのです、

絵島と若年寄りの本多佐渡の守は仲が良いそうです、本多を通じて多額の賂を大奥に贈っているとの事ですと言うので、老中職を狙っているのであろう、大奥から綱吉公に働きかけて貰、
う為じあな、町衆に阿片を売りつけて、いるのでないなら良いが、そのうちに足がつかないように、町娘をかどわかして阿片を吸わせて言う事をきかせようなんで事になると大変じあな、

行部が何処に阿片を隠しているかじあがと言うと、銭屋の店を飛猿が探っていますと言うと、お蝶は席を離れたのです、仕方ない前田公に行部の賂と抜荷の書状を見せてどうされるか聞、
くしかないなと言って、料理屋に行き女将に手紙を渡してこれを柳沢様に渡すように使いを頼んだのです、暫くして柳沢が来たというので部屋に行き、お呼び立てして申し訳ありませぬ、
お頼みしたい事が出来たので御座いますと言って、


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