第49話

文字数 2,712文字


源三郎江戸日記(弟二部)49

頭がいかだを組んで帆船に引かせて江戸の木場まで運んでいるんですが、これを渡しに使うとは思いもしやらんでした、お武家様の知恵は大したもんですというので、いかだも船と、
同じじあ、丸太が太くて重い程、浮く力が大きいのじあよ、もっと太い丸太を使えば、倍の荷物を運べるぞと言うと、色々試して見ます、縄は張りっぱなし、にして送っても渡れ、
るかも知れんと言ったのです、

富蔵がご家老には負けますなと言うので、戦での浮き橋は丸太を使うのじあよ、川が増水すると流されるので、いかだの方が良いわけじあなと言ったのです、藩士の友永新太郎が、
ご家老と一緒に印西に行きましてから、驚く事ばかりですというので、本を沢山読んで学ぶことじあ、論語や漢詩などは何の役にも立たんのじあよ、医学、、治水、大工、蘭学が、
よっぽど役にたつのじあと笑ったのです、

さて後は荒川じあな、もう直ぐ日暮れじあな、後はさかのぼるしかない、千住大橋までは4里の道のりで3時はかかる、船でわたれば深川まですぐじあが、渡ればご府内じあからな、
騎馬70騎がいきなり深川に現れれば、船手奉行が驚いて上様に報告するじあろう、叉源三郎かと言われてもいかんから、おとなしく千住大橋から府内に入ろうというと、七衛門が、
それがよろしいですと言ったのです、

次の日は千住大橋を渡り上野、神田をへて七衛門と別れて桜田門の上杉上屋敷に入ったのです、皆を大広間に集め印西の水門は完成して陣屋周りの整備も終り、50人が現地で治世、
に携わる事になった、2年交代で詰める事になる、行きたいものあらばわしまで申し出るが良い、帰って来たものはご苦労であった軍装を解き役宅にもどるが良い、後の者は役目、
に戻るのじあと言ったのです、

次席家老に留守居ご苦労であったなと言うと、何のご家老の苦労にくらぶれば大した事はござらぬ、瓦版で読みましたぞ、上杉の名は江戸中で評判でござる、殿もお喜びで御座い、
ましょうと言うので、まだ雪は降っておらんだろう11月の中には一旦米沢に戻り殿に印西の治世の報告をせねばならん、雪深くなる前には戻ってこようと言うと、ご苦労な事です、
体には気をつけなされ、

ここでご家老に倒れられると改革が頓挫いたしますと言うので、周りがよくやってくれるのでわしは暇なんじあよと言って、帰って来た者はもとの役目にもどしてくれ、手柄話等、
聞いてやってくれと言うと、ハイ、楽しみに待っておりましたと言ったのです、わしは色々やる事があるので、これで一旦根岸に戻るというと、役宅にお移りなされ家人き用意い、
たしますと言うので、

その内になと言ってお峰と徳三郎を連れて、馬で根岸に戻ったのです、母上とお律が出迎え、よう戻ってまいったと言うので、郎党の徳三郎を引き合わせ、部屋に入りお峰が長い、
間留守をしましたと言うと、これで叉賑やかになりますと言うので、私は11月には米沢に行き年内には戻ってきます、お峰はここで待っておれと言うと、ハイ、お帰りをお待ちい、
たしていますと言ったのです、

それでは深川に行って来る、徳三郎は馬の手入れを頼むと言って、夕餉は済ませてくるぞと言うと、若狭屋が喜びますと母上が言ったのです、根岸から籠で深川に向かい、玄海屋、
に立ち寄り、みんなご苦労であった、叉手助けしてくれと言うと、いつでも声をかけてくださりませと言ったのです、七衛門が残りました5000両は明日上屋敷の勘定奉行様に帳簿、
とともにお引き渡ししますと言うので、

宜しく頼むと言うと、源蔵様が持って来た7000両はどうしますかと、聞くので預かって置いてくれと言うと、しめて2万8000両預かっています、と言うので、お前は幾ら蓄えがある、
のじあと言うと、6万両です、貸付が役4万両ありますので10万両が、ある事になっていますと言うので、そうか、その内天満屋は追い越すなと言うと、もう追い越していると思い、
ますと笑ったのです、

わしはこれから料理屋に行くので、後で若狭屋を連れてきてくれと言って料理屋に行ったのです、女将がお戻りなされませ先ほどから天満屋の旦那がお待ちしていますがと言うので、
わしは呼んでおらんがと言うと、お帰りになった事をお聞きになり、ここに来れば会えるだろうと思われたとの事ですというので、部屋に入りまずは一杯くれと言って膳の用意を、
させると、

女将が酌ほしたので飲み干し、それでは天満屋を呼んでくれと言うと、天満屋が入って来てお戻りになったそうで、水門も完成したとの事、おめでとう御座いますと言うので、まず、
は一杯飲めと言うと、頂戴いたしますと言うと、女将が酌をしたので飲み干したのです、わしに何のようじあ、天満屋とは手を切ったはずじあがと言うと、さんな冷たい事を言わず、
お助けくださりませと言うので、

何を助けろと言うのじあと聞くと、実は紀州様より用立てしていた3万両を返すと言われたのです、紀州様の御用達が差しとめられれば、屋台骨が傾きますというので、御用達を差し、
止めると言うてきたのかと聞くと、まだですが、受け取れば差し止められるのは必定ですというので、それなら稲葉様に頼めば良いではないかと言うと、紀州様は稲葉様の事はお嫌、
いのよなのです、

稲葉様はわしから頼んでも、紀州公はお聞きにならん、ご家老様は紀州様と親しいので、頼んでみたら良いだろうと言われてたのですと言うので、はて会ったのは一度切りしかない、
が、一介の家老の言う事など聞いて貰えぬじやろうと笑うと、何とかお願いできないでしょうかと言うので、虫の良い話だのう、上杉潰しを画策して失敗したら助けろと言うのかと、
言うと、

申し訳ありませぬ、あれは総て稲葉様の指示で御座います、言う事をきかねば店は取り潰されます、商人は権力者にくついていなければ潰れてしまうのですというので、そちの店が、
潰れようと、わしの知った事ではないわいと言うと、ご家老様の言う事はなんでも聞きます、なにとぞご助力をと畳みに頭を擦りつけたのです、困ったなあわしが頼んでも聞いて下、
さるとは限らんぞと言うと、

ともかくお願いしてくだそりませと言うので、それで何か見返りでもあるのか、金はいらんぞと言うと、手前は商人です、差し上げるものは金しかありません、1万両を差し上げます、
いかがでしょうかと言うので、それは大金じゃな、失敗してもくれるのかと聞くと、ハイ、と言うので、おまえもしたたかな奴よのう、わしが絶対失敗しないと踏んでいるのだろうと、
言うと、

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