第14話

文字数 2,831文字


源三郎江戸日記(弟二部)14

物産会所に着き、源才にお絹を紹介して、特産品作りを頼んだ事を話すと、食べ物てですか、それは良いですねと言うので、お絹は頭であり教授方じあ、教授方にも給金は出るぞ、
設備はここに作らずとも、お絹の村に作っても良い、ここの者達の手が足りねば村の者に手伝って貰い、給金を払うが良い、設備する金寸は源才に言えば勘定方から出してくれる、
いくらかかってもよいぞ、

立派な物を作るのじあと言うと、わたしが頭ですかというので、他の物は口はださぬので、好きなようにやるが良いと言うと、ハイ、頑張ってやってみます、上手くいけば村の衆も、
豊かになりますし、藩の為にもなるのですねと言うので、他の教授方にも挨拶させて、中を見て回らせると、みんなが頑張ってと声をかけたのです、みんな楽しそうに奉公していま、
すねといったのです、

それでは明日から頑張ってくれと言って、馬をおいて、町に繰り出すぞと屋敷に戻ると、お峰とお春が出迎えたので、得衛門の娘でお絹じあと紹介して座敷に上がり、お絹に袴を脱、
ぎ着替えて来いと言うと、お春が別部屋に案内したのです、お峰に殿の側室候補じあ、お城に上がり殿に柘植だけを連れて、お忍びで料理屋にお出でましになるように言うてくれ、

藩士の格好をして秋月時種と名乗り、上杉の50石取りの藩士という事にしてくれるように話てくれと頼んだのです、着替えが出来たのでお絹を連れて料理屋に行ったのです、お春が、
奥方様、旦那様はあのお方を側室にされるつもりなのでしょうかと聞くので、訳を話すと、そうですかと喜ぶので、心配しなくても大丈夫ですよと笑ったのです、源三郎達は料理屋、
に着くと、

膳を囲み、今日は前祝いじあ、好きなだけ食べるのじあと言うと、まあ、凄いご馳走ですねと言って、箸をつけたのです、暫くすると、お呼びだそうでと、治憲が入ってきて座ると、
これは得衛門の娘でお絹じあ、こちらは米沢藩士秋月時種じあと紹介すると、お絹に御座います宜しく、お願いしますと頭を下げるので、秋月時種じあ50石取りの貧乏藩士じあと、
言うと、

何を申されます50石と言えば一年で一人1石の米を食べるとして50人分の扶持ではないですかというので一年暮すには味噌、醤油、着物、野菜、炭、油、と色々かかるので二人が、
暮す分じあ、家族がいれば暮らしは厳しいのじあと言うと、それなら何か工夫されれば良いではありませぬかというので、そこで屋敷の庭に野菜畑を作ろうと思うておると言うと、

お侍が畑仕事をなさるのですかと言うと、くわで畑をたがやせば足腰が丈夫になり、剣術も上達するのだよ、又肥やしに人糞を撒くと隣近所に迷惑なので馬糞を発酵させれば良い、
肥料になるし、捨てなくて良い、こうすればいくらかは、暮らしの足しになるだろうと言うと、成る程一石2丁ですねというので、源三郎がお絹に物産会所で干し梅という菓子と、
梅酒を指南して、

作り米沢の特産にすると話すと、ほう、お絹はそれが作れるのかと聞くので、それを作る名人なのです、屋敷でも作れますので、こんど指南して差し上げます、それを売れば暮ら、
しの足しになりますよ、物産会所に顔を出しなされというので、それは助かる是非教授ねがおうと言うと、ハイ、まかしておいてくだされ、ところで、時種様は剣術の方はと聞く、
と源三郎が、

芯陰流の目録持ちなのじあと言うと、お強いのですねと聞くので、ご家老にはかなわないが少しは自信あるぞと酒を飲み干すと、こんど物産会所でほかの物も一緒に考えましょう、
それをご家老に進言なされば、少しは扶持をくださるかも知れませぬと言うので、それは楽しみじあなと言ったのです、源三郎がどうじあお絹、時種の所に嫁に行かぬかと聞くと、

わたしの家には妹と私の女子しかいません、婿を取り名主を継がなければなりません、時種様はお武家様です、町人の婿にはなれないでしょうと言うので、妹に婿を取り跡を継いで、
貰えば良いではないかというと、そうですねと考えて、でも、今回新しい特産作りの頭になったばかりです、これを成功させなければなりません、成功するまで待っていただけるの、
ならお嫁に行って差し上げますと言うので、

時種はどうじあなと言うと、それがしには異存ござらぬと言うので、それでは特産品作りが成功したら、わしの養女となり嫁つげば良いと言うと、お絹が宜しゅうお願いいたします、
と言うと、時種が待っておるぞと言たのです、今日は良かったなとお絹に言うと、ハイ、時種様宜しゅうお願いしますと頭を下げると、時種が早く上手く行くようにそれがしも手を、
貸すぞと言うと、

醸造所はきれいな水が必要ですので、村の谷川のほとりにつくります、こんど時種様を案内いたします、野掛もできますので馬で早駆の競争をしましょうと言うと、楽しみじあなと、
時種が酒を飲み干したのです、お絹が沢山ご馳走を頂きました、お父っさんが心配しているといけません、これにて失礼しますと言うので、ちょっと待て今送らせるといって立ち上、
がり、

部屋を出て柘植の所に行き待たせてすまんと言うと、いえ、酒を馳走になっておりましたと言うので、それではお絹の馬が屋敷におるので、柘植もわしの馬に乗り得衛門の家まで送、
っていってくれ殿はわしがお相手しているので、ここに戻ってきてくれと言うと、承知しましたと言うので、部屋に連れて行き、お絹にこの者が家まで送るので、わしの屋敷で着替、
えて帰るが良いと言うと、

柘植と申す、お送りいたすと言うので、お願いいたしますと言い立ち上がり料理屋を出て行ったのです、源三郎が失礼いたしました、こちらにと上座をあけると、ここで良いと言、
うので、それはなりませぬというと治憲が上座にすわったので、呼び捨てにして申し訳ありませぬと言うと、いいのじあよ、上手い芝居であったろうと笑い、中々良い女子じあ、
あれなら奥を取り仕切ってくれるじあろうと言うので、

ちょっと芝居が過ぎましてすつかり物産会所にのめりこんでしまいましたと言うと、いいではないか、新しい特産が出来るのじあ、わしも時々見に行こうと言うので、殿とばれると、
へそを曲げるやも知れませぬと言うと、大丈夫じあ、あそこにはわしの顔など知る者はいないじあろう、得衛門ともわしはおうた事は無いと言うので、そうですね、柘植は郎党にし、
ておけば良いですね、

因果を含めておきますと言ったのです、しかし、あの畑の話は驚きましたと言うと、そなたのうけおりじあが、上手く行ったなと大笑いしたのです、女将が入ってきて席が違うので、
怪訝な顔をするので、このお方は上杉治憲様じあと言うと、女将が知らぬ事とは言え、失礼致しましたと土下座するので、女将忍びじあ手を上げてくれと言うと、驚きましたあれは、
全部芝居だったんですかと言うので、

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み