第86話

文字数 2,903文字


源三郎江戸日記(弟二部)86

奴らの頭の佐々木は東軍流と聞いた、東軍流は剣だけではなく、砲術、長刀、兵法も教える流派だ、良い位置を取ろうとして、野宿するかもしれん、そうなればこの寒空じあ、夜は眠、
れず、明日は疲れて満足な働きは出来きぬであろう、戦う前から勝敗はわかっているのうと言ったのです、翌日は連れ立って寺を出て町田へ向かったのです、すぐに小高い山合いにな、
り、

道はやっと荷馬車が通れる道幅です、富蔵が山肌を削って広げるしかありませんが、丘みたいな低い山で、殆ど土なので手間はかかりませんと言ったのです、一里歩くと山間から平野も
に出たのです、少しいくとプツリと川が無くなったので、あれ川がないぞときれている川に下りるとどうも湧き水になっているようで、沢山の水が沸いています、一旦地下に潜るのかと、
言うと、

近くの者に聞いてみましょうと言って、付近の者と思われる百姓が歩いて来たので、聞いてみるとこの川は境川ではなく帷子川と言って横浜村に流れております、湧き水ですが多分、
境川か相模川から地下に入り出てくるのではないですかねと言うので、町田を流れている境川は何処へ行くのだと聞くと、あの川は鎌倉の先に江ノ島と言うところで海にでますと言、
つたのです、

そうかこれは教えてくれた褒美じあと2朱銀を渡すと、こんなに貰っていいだかねと言うので、ああ、遠慮なく取っておけと言うと、ありがとうごぜえやす、これは先程捕まえた岩魚、
です5匹ありますだ、籠ごとお持ちくだせえと言うので、七衛門が受取ったのです、源三郎がそうか鎌倉の方に流れているのかと言うと、相模川の河口は小田原ですから、あちらに向、
かって低くなっているんですねと富蔵が言ったのです、

そうか横浜は小高い山や丘が多いから鎌倉方面からしか水は流れないわけじあな、それで大きな川はない訳じあなと言って、それでは行くぞと言って進んでいくと道幅も少し広くな、
っています、町田へ2里くらいの場所には境川が流れており、水位は1尺くらいしかありませんが田んぼには引き込めるみたいで、周りは水田になっています、後二里くらいです、
から、

この辺で4000石位でしょうと言つたのです、段々高くなっていくと、水田は消えて畑が広がっています、町田に着くと水田はどこにもありません、境川のは深さはやはり1間くらいあり、
ますが、水位は1尺と言うところです、右側は畑になっており、左側は一段低い野原です、3尺になれば十分水は引き込めるようです、富蔵がこれなら水位だけ上げれば良いみたいです、
ねと言ったのです、

昼飯でも食べようと庄屋の家に行くと、庄屋の八兵衛ですよくおいでなさいましたと言うので、わらじを脱ぎ座敷に上がると、味噌汁と漬物を出しましょうと言って女中にもって来ら、
せたので、これはすまんと言って、握り飯を食べて、一服すると、昔は3尺くらいの水位があったそうじあが、なぜ水田はないのじあと聞くと、よく分かりませんが、水位が1尺になっ、
たのは、

100年以上も前です、その頃は道もなく人もいなかったのではないでしょうか、町田から下の部分は水位が1尺になった後に水田は開拓したのでしょう、私が生まれたときはありました、
と言ったのです、ここに大きな宿場を作り、水田の開発をやるぞ、水位は3尺あげるというと、そうですかそれなら稲作は可能になり、町田から淵野辺までで2万石にはなりますと言っ、
たのです、

淵野辺から矢部で2万石、矢部から相模腹の真ん中まで1万石、として合計5万石と言うところじあな、矢部から1里の処に、境川から水路を開き、水田の周りを通り町田まで水路を開き、
境川に戻せばよい、長さは4里の水路じあなと言うと、まずはここから1里の処に、取り出し口を決めて相模川方向に100町町田側に50町の水路と新田を作ります、梅雨の前には出来ま、
すと言ったのです、

才蔵がって来て奴らは相模原の原っぱに馬を降りて隠れています、総勢20人で鉄砲は持っていませんと言うので、そうか鉄砲がないなら今日叩き潰そうと言って、おのおの戦支度をし、
て、相模原に前進するぞと言うと、立ち上がり外に出て、ここからは4里の2時の距離じあと言って進んで行き、矢部を過ぎると、ここから半里行った処の左150間の処ですというので、

500間の処まで来ると七衛門と若狭屋達は馬をここに繋ぐのじあ、右から迂回した150間の処に隠れていてくれ、こちらは正面から騎馬ですすみ、200間なになったら一斉に一人二発づ、
つ狙撃する、それが終わったら七衛門達が二発火矢を放つのじあ、わし達7人が突撃してまだ馬にのっている奴がいたら引きずりおろし、馬を降りて切りあいをするので、七衛門達は、
背後に回りこみ逃げる奴を、

囲んで肩の骨を折ってやれ、若狭屋達は我々の後ろに陣取り、ひとりづつ送り込むので取り囲み、まずわ若狭屋が正面に配置して後の二人は背後に回り、構え、かかれの声で一斉に、
かかりなされ、その者を叩き潰したら、次は越後屋が正面、次は江戸屋が正面に回りこむ、源信とお蝶は三人の背後をかためいくれ、飛猿と才蔵は散らばった馬を集めてくれ、又、
馬に乗り逃げる奴は叩き潰せ、

以上宜しいなと言うと、承知と言って配置についたのです、源三郎達7人は原っぱに入り進んでいくと、佐々木達が姿を現し、敵は7人だわしが合図するまで待つのだと佐々木が言っ、
たのです、ゆつくりと近づき、山形がおよそ200間ですというので、停止して鉄砲を構えろというと、馬に積んでいたのを取り出し、紙袋の火薬を2丁の鉄砲におのおの入れて玉を、
入れて一丁は肩に担いで、

狙いを定めたので放てと言うと、どか~んと言う音が5発して前列の5人がぐわ~と言うと、馬から転げ落ちたのです、佐々木が何鉄砲を持っているのか、よし、突撃だと刀を上げた、
時二回目の銃声がして佐々木も肩に銃弾を受けて馬から落ちたのです、つづいて左脇から弓が飛んできてあたりに突き刺さったのです、どか~んと言う大きな音がして、馬が総立ち、
になり4人が振り落とされたのです、

なんだ今のはと佐々木が聞くと、わかりません炸裂弾のようですというと、くそ、伏兵もいるのか、撤退だと言って馬に乗ろうとした時に、源三郎達が襲い掛かり、馬に乗っている、
ものを足で蹴飛ばし野原に落としたのです、全員が馬を降りると、怪我していない6人が切りかかって来たので、一人の男を後ろに送り込むと、若狭屋が正面で小太刀を構え後の2人、
は後ろにつき一斉に打ちかかると、

ぎや~と言って刀を落として、そこに倒れたのです、3人を送り込むと、山形にもういいぞ叩き潰せというと、3人は肩の骨をおられて転がったのです、全員が転がったので、佐々木、
の首元に刀を突きつけで、残念だったな、命は助けてやる、江戸に帰り銭屋に相模原解発総支配を襲うとは不届きな奴だ、本来なら打ち首だが、その首5万両で許してやる明日中に、
米沢藩上屋敷に5万両とどけるのだ、

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