第82話

文字数 2,762文字


源三郎江戸日記(弟二部)82

住職に暫くここはかりるぞと50両渡すと、これは、沢山の寄進あれがとう御座います、いつまでもお使いくだされと言ったのです、連れ立って馬に乗り海の方へ歩いていくと、富蔵が、
縄張りを始めて、ここが一番いいですねと言って、このいわばを爆破してじやりにして土台を積み上げて千石船の甲板の高さにします、その先の水深を測ると1間弱ありますので、後2、
間掘り下げれば十分です、

源信が200間ですと火薬樽40個で、600個の爆薬を作れば2間の深さまで掘れます、多分砂の深さが2尺あまり、深さ1間2尺となります、まずはその砂をかき出して堅い土を出して最初は、
小さい爆薬を爆発させて穴を作り、その穴へ大きな、爆薬を仕掛ければ、どの位の大きさになるかを調べて、次に仕掛ける場所を決めていきますといったのです、七衛門に火薬は幕府、
の火薬庫から貰う事になっているがと言うと、

ハイ、蔵奉行様と話しがついています、今は火薬樽200個があるそうです、足りなければ調達すると言っておられました、穴を掘る為だと言いましたら、驚いていましたよと言つたの、
です、富蔵が一回で深さは3間2尺となります、千石船は船底から甲板まで1間3尺ですから、砂をどかすだけでも座礁はしませんが、3間もあれば深すぎるくらいですと言って、ただ、
穴を掘ると周りの砂がそこに落ちますのてで、

埋め立てと同じに長さ200間両脇に海に向かって丸太を隙間無く打ち込む必要があります、長さは3間の丸太ですから船で簡単に運べます、どこか近隣に杉林があればそこから切り手出、
せば良いですね、丸太の両側は柱みたいに平行に削って隙間がないようにする必要がありますと言ったのです、それなら横幅を300間砂を沖へかき、両脇250間に岩を鎮めて砂よけに、
とてはどうだ、

そうすればここには岩が沢山あるだろう、砂の高さが2尺なら4尺の岩の包みを作ればよい、幅2尺にして小石もいれれば隙間は少なくなる、その内藻や貝殻が着くので魚も沢山卵を産み、
つけるよ、岸壁が釣場にもなるわけだ、船着場の横に広場を作り桜や紅葉、カエデ、銀杏などを植樹すれば人も集まるじあろうと言うと、なる程丸太ではなく岩ですか、これは驚いた、
と富蔵が言うので、

石を運ぶのはいかだの下に吊り下げるのだよ、重たい石程浮く力が着くので水の中では軽くなるのさ、江戸城の石垣は房総半島や三浦半島、伊豆半島からそうやって運んだと言う事だ、
大阪城の石垣を加藤清正公がそうやって運んだのが始めだと言う事だと言うと、富蔵がご家老の知恵には適いませんと笑ったのです、七衛門がそうするとここの上に載っている岩は、
爆破せず、

運んで、海水から上は土俵を敷き詰めれば良いですねと言うので、土だと海にながされるので、小石を詰めた方が良いな、桟橋の上は煉瓦にすれば雨が降ってもぬかるまないと言うと、
それは良いですね、近くに煉瓦焼場を作って煉瓦を売る事も出来ますと江戸屋が言うので、境川流域から粘土を掘り出し、船でここにもってこれれば良いなと言ったのです、若狭屋が、
ご家老がいると、

材料費もタダになり、費用も安く出来るわけだと言って、宿場町の道も煉瓦にしましょう、町田にも煉瓦焼場を作りますよと言うと、みんなが新しい工法の町が出現するわけだと喜ん、
だのです、網元がこの話しを聞いて、これはこの近辺は大きな町が出来るんですねと言うので、魚はどうやって取るのだと聞くと、回遊魚は網を入れて捕まえます、後は一本釣りです、
がと言うので、

船二隻に網を縛りつけてその中に追い込めば、もっと沢山取る事が出来るぞ、叉あの浜にあらかじめ網を仕掛けておき、両脇から人が綱引きみたいに引っ張りあげれば魚が網に入る、
のではないかと言うと、なる程それは良い方法ですね、しかし、一杯取っても売る所がなければ腐ってしまいますというので、丸太を打ち込んで回りに網をはりそこに入れておき、
必要分だけ網ですくって出荷するのだよ、

エサは米ぬかを、団子にして与えればよい、そうすればシケの時でも魚が売れる、叉波よけにあの浜から、200間の場所に横に200間に岩を沈めて海の石垣をつくれば波が緩和される、
じあろうと、その内側にいけすをつくればシケの時にも網が流されずに済む、富蔵ついでだそれもやってくれ、この近辺の漁師へ、迷惑代として金はいらんよと言うと、富蔵がハイ、
先程の浮力を使えば訳ないですよと言うと、

岩があれば沢山の魚が住み着きますと網元が大喜びしたのです、網元が今日は私の家で夕餉を取ってください、大漁でしたので魚が沢山ありますと言ったのです、それは楽しみじあな、
それでは、町の縄張りをしてくれと言って東海道の方へ馬を進めたのです、富蔵がこの原っぱが良いですね、海から直ぐ傍ですし、人は住んでいません、畑もありませんので、船着場、
から大きな道を作り、

この街道を広げて両脇に人家が出来るように普請しましょう、こ印西と同じ位の大きさにします、町田に行く道に繋げてここを、基点にしましょうと言ったのです、この町作りは江戸屋、
の担当じあなと言うと、ハイ、長屋、めしと居酒屋、髪結い、銭湯、旅籠、籠屋、本陣、脇陣、女郎屋、商家、と声をかけてありますと言ったのです、一人の武士が近づいて馬をおり、
柳沢家の家臣藤堂平助と申しますと言うので、

先程から様子を見ておられたようですが、何か用ですかなと聞くと、主人美濃の守さまから、村上殿の相模原開発のやり方を、学ぶように言いつけられたので御座います、是非とも一向、
に加えててくだされ、邪魔立てはいたしませぬと言うので、そうですか、銭屋の手の者が様子を伺っているのかと思いましたぞ、構いませぬが銭屋は我々を相模原で待ち伏せして襲う、
つもりです、

危険を伴いますがと言うと、何と銭屋はまだ懲りないのですか、それならひっとらえて厳罰にしましょうと言うので、いや、生かしておいて罰則として奴の溜め込んだ金を巻き上げた方、
が幕府の為にはなるのです、悪い事もやっていますが、商才には長けています、稼がせて吸い上げるのが一番で御座ると言うと、なる程それも良い策ですなと言うので、戦支度はして、
御座るかと聞くと、

いや特別にはと言うので、我々は鎖帷子、篭手、すね宛を用意しています、後でお貸ししますので、必要な時には着用しなされと言うと、ハイ、お借りしますと言って、先程から見て、
おりましたが、目からうろこが落ちました、それがしは郡方の頭をやっていますが、私の知らない技法ばかりで、御座ると言うので、よく見聞されて藩政にお役立てなされと言ったの、
です、

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