第99話

文字数 2,928文字


源三郎江戸日記(弟二部)99

それに腕は権藤の旦那より上だそうですというので、霞も一毛打尽になるじあろう、今回の事は見なかった事にして誰にも喋るなと言ったのです、源三郎達は居酒屋に戻り再び小上がりに、
上がり上手く行ったな、これで大丈夫じあよと言うと、お蝶がまったくと酌をするので、お蝶この裏の家業をやっている奴であくどい奴を調べてくれと言うと、ハイ、と言うと店を出て行、
ったのです、

権藤があの者は忍びですかと聞くので、そうじあよ、わしには沢山の耳と目があるのじあよと言うと、それで拙者の事もご存知だったのですかと聞くので、まあそういう事じあ、その狂犬、
は手に余れば切り捨てもかまわんが、なるべく利き腕の肩の骨を折り刀を持てんようにしてくれと言うと、承知しましたと言うので、今日は吉原にでも行って遊んで来い、ここが繋ぎの、
場所とする、

おみよに言えばわしにつなげるぞ、毎月5両の手当てを出すぞと言うと、かたじけない、十分暮せる金寸に御座ります、剣の腕で役に立ちますと言うので、妻女も見つけると良い、時期を、
見計らって上杉家に召抱えてやろうと言うと、ありがとう御座います、しかし、宮使いは苦手で御座います、ご家老の手下でよいですと言って酒を飲み干し、それではごめんと店を出て、
行ったのです、

おみよにそういう事じあ、あの者を宜しくなと言うと、ハイ又お仲間が増えましたねと言うので、それではと1両出すと、お釣りはありませんよと言うので、お前にやるよと言うと、ハイ、
有難う御座いますと喜んだのです、料理屋に戻り総て終ったと言うと、あやめがようござんした、どうなったんですかと聞くので、刺客を手下にしたのさと言うと、みんながあきれていた、
のです、

新之助手柄が立てられるぞ、霞の女将は間違いなく口縄の平次の色だ、霞にいる5人は手下だそうで、捕縛を免れた狂犬は日本橋小網町の銀兵衛長屋に住んでいるそうだ、ほとぼりが冷めた、
ので、深川の越後屋に押し込むつもりだ、奉公しているタケが引きこみ女だそうだ、刺客の権藤に狂犬の始末は頼んだ、越後屋をみはれば必ず押し込む、一毛打尽にしろと言うと、よく分、
かったなと聞くので、

白根の源治は女将に頼みを聞かないなら狂犬に襲わせると脅かされて銭屋の頼みを引き受けたそうだ、源治は泳がせておけと言うと、承知したこれから戻り手配すると三蔵と帰っていった、
のです、お勝つが越後屋は危ないところでござんしたねと言うので、白根の源治から巻き上げた100両があるので、みなに、分けてやろうと言ってさつきの残りと供に、20両づつ分けると、
ありがとう御座いますと受け取り、

これだからご家老は深川にいないと、ダメなんですよとお勝つが言うので、旦那たちが出払って稼ぎが、少なかったろうからなと笑ったのです、それでは今日はこの辺でと立ち上がり店を、
出て疾風に乗り根岸に戻り、上様への報告も済んだので、5日後には横浜に戻るぞ、それまでは上屋敷で仕事じあなと言うと、お峰とお滝が喜んだのです、今日も綱豊様からの刻印付きの、
小判をもろたぞと100両渡すと、

この前の物も大事にしまってありますと言うので、それではこれは藩士の者共にやろうといったのです、翌日からは政務をこなし、明日から又相模原に行くぞと言うと、それでは山形以下、
藩士4名をつけます、断る事は出来ませぬと言うので、わかった、明日根岸に来い陸路を検分しながら行くぞと言ったのです、玄海屋に行き七衛門に言うと、ハイ、手前も明日船で横浜、
にいきますと言ったのです、

馬を預けて七衛門と居酒屋に行くと、権藤が来ているので、遊びはと聞くと終わりました、今日でも引導を渡しますと言うので、待て奴らを始末すると霞の女将が越後屋を襲うのはやめに、
するかも知れん、押入った所を成敗してくれ、町方にはお前は助っ人だと言ってある、わかればここに繋ぎがくるので、すぐそこだと言って、おみよ、ここの二階を貸してくれ、当分権藤、
のねぐらにすると言うと、

ハイ、分かりました、飯も食えますよと言ったのです、新之助と三蔵が来たので権藤を紹介すると、それは助かるというと、浪人二人はお任せあれと権藤が言ったのです、新之助が女将は、
助っ人を頼んだぞ、総勢は15人に浪人2人だ、ほかの者は日本橋の船宿信濃屋にいる、ここも盗人宿らしい、ここに10人いるとのことだ、昼間タケが繋ぎをとったので、今日押し込むつもり、
だろう、

町方の手配は済んでいるといって店を出て行ったのです、それならわしも見物するか、まだ時間があるな銭湯でも行ってこようと権藤、七衛門を連れて銭湯に行ったのです、湯に入ると、
権藤の胸に刀キズがあります、不覚を取った、キズでござると言うので、その切り口は、心陰流だなと言うと、ハイ、山名典膳と言う浪人者で心陰流の使い手で霞の庄兵衛と言う盗人の、
用心棒です、

一の太刀をかわされたので御座ると言うので、示現流にも二の太刀があるのかと聞くと、ありますよ、しかし、素早く間合いの外にでないと不覚を取ります、一の太刀の振りが鋭く上手、
くは間合いは外せませぬ、かろうじて左袈裟切りを外したので御座るがこの通り胸を着られ申した、やっとの事で二の太刀で仕留めたので御座るが、深手を負いそこに倒れたので御座る、
見ていた、

女子が医者に担ぎこみ一命を取り留めたので御座ると言うので、その女子はと聞くと、果し合いは神社で御座ったが、お参りに来ていて足がすくんで動けなかったそうで、拙者が倒れた、
ので、人を呼びに行き、息のある拙者を担ぎ込んだそうなのです、その女子は大工の娘で、キズが治り尋ねていきましたが、岡場所に行ったと言う事でした、場所はわからなかったので、
すが、

最近吉原にいる事がわかり、身請けしょうとしたのですが、200両との事で拙者では無理で御座ると言うので、その者に会いにいったのかと聞くと、ハイ、金寸80両ほ渡しましたが受け、
とりませんでしたと言うので、情は交わしたのじあなと聞くと、ハイと言うので、岡場所に一回入ると、普通の女として女房にはなれんそうじあがと言うと、お園と言うのですが、そう、
言っておりました、

それなのでこのままほうっておいて、欲しいとの事で御座る、命の恩人に御座れば、たまに会いに行きますよと言うので、そうじあな、その方がそのお園も喜ぶであろうと言ったのです、
その者の家族はと聞くと、はやり病で死んだそうで天蓋孤独だと言う事で御座ると言うので、ならば借金を全部払って、自由勤めにさせれば良い、さすれば気にいらぬ客とは寝ないで済、
むはずじあ、

平助に頼んで店代わりにして貰おうと言うと、吉原にも知り合いがと言うので、七衛門がご家老にお任せなされ、顔は広いのですよと言つたのです、それではお頼み申すと言うので、手下、
の頼みじあから任せておけと言って、美形の女かと聞くと、ハイ気立ても良い女子に、ございますと言うので、そうか、大事にしてやれと言ったのです、風呂から上がり居酒屋に戻ると、
新之助が待っており、

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