第31話

文字数 2,681文字


源三郎江戸日記(弟二部)31

父はおとなしい人です、勘定方で剣の腕はまったくだめなソロバン侍です、剣の達人である監物に刃を向けるはずはありませぬと言うので、何か証拠品はあるのかと聞くと、父の遺骸、
が屋敷に運び込まれた時に、勘定奉行の手のものが、城から持ち出した物なので没収すると言って総ての物を持って行きましたというので、証拠を隠滅したのじあな、恐らく勘定奉行、
と高木はぐるなんだろう、

お前の父が何か二人の不正を見つけたので、口封じされたのに違いないと言って、なぜ私を毒殺すると言うていたのじあと聞くと、佐倉藩に仇名す者ゆえ毒殺せよと殿にいいつけられ、
たのです、きかねばお手打ちになります、いままで監物が油断するのを待っていて、数ヶ月前に肩に大怪我して江戸屋敷に戻って来たので、やっと機会が訪れたと思ったのですが直ぐ、
に旅にでたので機会を失ったのです、

今月の初めに戻って来たら、傷はすっかり治っていたのです、殿が佐倉にお戻りになると言うので監物も来るだろうと待っていたのです、お手打ちになれば仇を討つ事は出ませぬでも、
もういいのです、父上と、母上の元に行きますと手を合わせて、目をつむったのです、高木のキズはわしがつけたものじあ、二回襲て来たが二階とも、首筋に刀を当てたが、殺さずに、
置いたのじあと言うと、

何故で御座いますかと聞くので、殺す理由がなかっからだしかし、そなたの話を聞いて殺す理由が出来た、わしは殺さぬがお前に手を貸してやろう、とどめを刺すのはおまえじあと言、
うと、本当にご助成くださるのかと聞くので、もうじき工事が終る、わしも戻るが、稲葉様と高木も江戸にもどめじあろう、戻れば機会があるはずじあ、仇を取ったらわしの処へ奉公、
するが良い、

良い相手を見つけて嫁に行くのじあ、終った事は忘れて、幸せになれば良い、お峰よいなと言うと、ハイ、しつかりお預かりします、お滝、仇を打ちたいなら、小太刀の稽古をしなけ、
ればならぬが、出来るかと聞くと、ハイ宜しくお願いします、お峰は小太刀の名手じあ習えば直ぐに上達するであろうと言って、それではお峰ここにいては面倒がおきるやも知れん、

本陣へ連れていってくれと頼むと、わかりました一足先に帰りますと言うので、七衛門が配下を護衛につけますと言うと、私が護衛することになるのでいらぬと言うと、そうで御座い、
ますなと笑ったのです、お峰とお滝は店を出て本陣へ向かったのです、七衛門が寝首をかくのではと言うので、あの目は嘘はついていない目だ心配ないと言って、折角来たのだ、
金寸はタップリあるじあろう、

好きに遊ぶが良い、七衛門もあそんで来いと言うと、わかりました配下が乱暴せぬように、見張りますと店を出て行ったのです、女将が済みませぬというので、気にするでないと言う、
と、熊吉が今度からちゃんと身元を確認しろよと言うと、おまえさん申し訳ないと言ったのです、女将がご家老様は私が相手しています、お前さんも遊んできなされと言うと、そうで、
すね、

男がいても無粋ですね、それじあちょっと人足供を遊ばせてきます、野郎共繰り出すぞ、今日は俺のおごりだと言うと、お~と言って店を出て行ったのです、お蝶が入ってきて、飛猿、
はわからないように奥方様の後を追いましたと言うので、そうかと言うと、女将が弥吉は殿の配下の者でと聞くので、今日からなったのじあ、熊吉は知っておるが、内緒にしておいて、
くれと言うと、

ハイ、分かりましたと言うと、お蝶が一稼ぎしてきますと店を出たのです、あの鳥追いの人もですかと聞くので、そうじあと言うと、そうですよね、ご家老様が一人で出歩きなさる、
はずがありませんよねと酌をしたのです、ところで熊吉には娘が一人いると聞いたがと言うと、ハイ、ふくという娘がおりますと言うので、みえんようじあがと言うと、飯屋もやっ、
ているので、

煮付けを作っているんですよと言うので、手が空いたら呼んでくれと言うと、調理場に行き呼んで来たので、煮付けはできたかと聞くと、ハイ、出しましょうかと言うので、後でよい、
それじあ今は暇じあなと言うので、ご家老様ふくに御座いますと言うので、女将に似てべっぴんじあのうと言うと、ご家老様と言う役目は口が上手いのですかと聞くので、米沢藩は、
微禄の藩士が多いので、

口が上手くないと勤まらんのじあよと言うと、15万石のお大名なのに大変なんですねと言うので、そうなんじあと言って、ここにはうなぎはおいてあるかと聞くと、あれはドロ臭い、
ので売れないから置いてありませんと言うので、それでは溜まり醤油、酢、酒、砂糖はあるかと聞くと、ありますが、砂糖は黒砂糖ですといたので、それで良い、後金櫛、七輪、網、
と言うとありますと言うので、

2分銀1枚を出して、これでうなぎ10匹を買うてまいれと言うと、こんなにかかりませんよと言うので、残りは駄賃だと言う、沢山残りますよと言うので、簪でもむ買うといいと言う、
と、お母さんと聞くと、せっかくの志です受け取りなさいと言うで、いってきますと言うので、ゆつくりでいいよというと、何をなさるのですかと女将が言うので、うなぎの美味い、
食い方を指南してやろうと言うと、

ドロは抜けませんよと言ったのです、暫くして買うてきましたがと言うので、それでは調理場をかりるぞと立ち上がり、おふく良く見ておくのじあと布巾でぬめりを取り、頭に布を、
被せて、金櫛を頭に挿して、裁いた事はあるかと聞くと、ええと言うので、裁いてみろと言う背から包丁を入れようとするので、腹からじあと言うと、いいんですか、切腹ですよと、
言うので、

うなぎに切腹があるかいいんだよと言うと、腹を裂きはらわたを出すと、水であらうので、それでは尻尾から身をそがぬように、骨にそって二枚に降ろすのじあと言うと、器用に、
二枚にしたので、これはあまり大きくないので二つに切るのじあ、大きい場合は三つでよいぞ、みんなを裁くのじあと言うと、中々器用で直ぐに緒わったので、炭をおこしてくれと、
いうと、

酒と酢が入らないと煮付けのタレと同じで少し甘くするのですねと言うので、そうだよと言って、うなぎをそこに入れて、七輪にのせるのじあ、焦げ目がつくか着かないくらいで、
よいぞと言うと、ハイと言って三本づつ焼きだしたのです、焦げ目がついたら叉タレを付けてこんどは反対側を焼くのじあ、都合3回やれば中に火が通る、そしたら次を焼くのじあ、
と言うと、

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