第50話

文字数 2,927文字


源三郎江戸日記(弟二部)50

ハイと言うので、仕方ない金は返しても札差は差し止めしないように頼もう、財政改革が上手く行ったから返すのであろう、借りていれば年に3千両の利息は払わなくていけないから、
のうと言うと、半分の利息で良いと申したのですが、返すと言われているのです、と言うので、返してもらって他の大名に貸し付ければ3千両の利息が貰えるので、3年で9千両の儲け、
となり、

札差も続けられば万々歳じあな、他に前田家の札差もやっているのじあろう、100万石じあろうと言うと、銭屋が半分やっております、札差ではありませんが、米を買い取りますので、
ご定法には触れないわけですと言うので、相場はどうするのじあと聞くと、前の年の一番安い相場で買うのですと言うので、それで前田家は納得するのかと聞くと、大枚の賂を贈って、
いますのですというので、

ほう年に1万両は送っているのかと聞くと、通常値との利ザヤは2万両は下りませんので銭屋は1万両賂を渡しても、儲かるわけですと言うので、よく前田公が認められているなと言う、
と、実権は前田行部様が握っています、前田公は口出しできないのです、大藩なれど借財も10万両は超えています、それがしからも3万両程用立てしております、行部様には年3千両、
の賂をお渡ししています、

その代わり利息は1割5分で4500両ですから1500両が儲けになります、他に札差の儲けが年に3000両はあるのですと言うので、その前田行部はその金を何に使っているのだと聞くと、
藩士を取り込む為と幕閣への賂、ご自分の遊興にございますと言うので、銭屋が絡んでおれば抜荷もやっているのじあろう、阿片でも江戸で売っているのじあないかと聞くと、実態、
は知りませぬ、

隠密が調べているそうですが、いまだにはっきり分からないそうです、なんでも大奥にもやっている者がいるそうです、何処かの寺でやっているのでしょうが、将軍様ゆかりの寺で、
は町方も寺社方も手は出せませぬ、誰か幕閣の重役がいなければ出来ないでしょうが、稲葉様ではありませぬと言ったのです、とんでもない事じあな、わかった紀州公に頼んで見よ、
う、

その一万両は佐倉藩の山脇殿に届けよ、それがしからの寄進じあ、道普請にお使いなされと言うのだと言うと、それで宜しいのでと言うので、あまり稲葉様をいじめる訳にはいかん、
だろうと笑うと、ハイ、早速お届けしますと言うので、お前とも和解がなったと言う事じあな、さあ飲めと言って杯を重ねたのです、天満屋は喜んで帰っていったのです、女将が、
敵が一転して味方になるのですかと言うので、

昨日の敵は今日の友と言うわけじあな、これで、成田街道筋は日光街道に勝るとも劣にぬ街道になるじあろう、目出度い事ではないか、幕閣の賂に使っても道も何も良くなりはせん、
よと酒を飲み干したのです、源信と呼ぶと、ハイ、将軍家ゆかりの寺を探りますと言うので、警護が厳しいと思うので気をつけよ、猫を懐にいれておけ、いざとなったら放せば猫だ、
と思うだろうと言うと、

忍びは猫の物まねはみな出来ますよと笑って、全員で探りますと言うので、くれぐれも無理はするなよと言ったのです、さてどんなネズミが出てくるか楽しみじあなと言うと、宿下、
がりで寺参りとなると、お局様が絡まなければ出来ぬ事です、芝居見物の後は寺に役者をお呼びになるそうですがと言うので、役者共々阿片を吸うとなると、中毒になったらどう、
するのじあろうかなと言うと、

お寺ですから埋めるところは沢山あるのではと言うので、恐ろしい事じあなと言つたのです、大奥と言えば莫大な化粧料を使っているからのう、しかも篭の鳥じあから快楽にふけり、
安いのかも知れんと言ったのです、若狭屋達が部屋に入ってきて、役目ご無事にはたされたそうでおめでとう御座いますと言うので、若狭屋が富蔵を送ってくれたお陰じあよ、富蔵、
も江戸は久しぶりじあろうと言うと、

先ほど若狭屋の旦那にご家老の活躍を話しておりましたというと、若狭屋が糞合戦祭りは江戸で評判でしたよと笑うので、玉屋は随分儲かっただろうと言って、みんなで杯を重ねた、
のです、江戸屋には紀州様と前田様の札差は出来ぬ事になったと言てくれ、これ以上天満屋を痛めつけると本当に屋台骨が傾くのじあ、何の徳にもならないのに大枚10万両を放出、
させましたのでなと言うと、

それがみんな世の為になっているので御座いましょう、わかりました、江戸屋にはそういっておきますと言ったのです、後は誰で御座いますかと言うので、次から次に出てくるので、
すよ、総てのネズミは退治できませぬ、大きいネズミは加賀藩の前田行部と銭屋に御座る、このままほうっておけば加賀藩はお取り潰しになるやも知れませぬ、そんな事になれば、
数万人が糧を失いますると言うと、

その前田行部はそれがわからないので御座いましょうかと言うので、感覚は麻痺しているので御座います、権力と言う亡者に取り付かれているのですよ、ちっとや、そっとでは、
亡者は離れませんと言うと、何か手がと聞くので、失脚させても蓄えた金で裏から牛耳ると思います、総ての蓄えを奪うしかありませぬがと言うと、まさか屋敷に押入るわけにも、
いかんでしょうというので、

多分屋敷には隠していないですよ、外の女の処か銭屋の蔵に預けているのでしょう、それを、頂こうと言う事です、多分人の知らない銭屋の寮があり女でも囲うているのではない、
かと思います、吉原には通っているらしいので、それがしのカンですが、元吉原太夫あたりを囲っているんでは、ないかと思います、年に1万両くらい懐にいれているようですので、
色々使ったとしても4、5万両は蓄えているはずですよと言って、

何か引っ掛ける手があれば良いのですがと言うと、若狭屋がやはり銭屋を叩くしかないのではと言うので、抜荷は当分出来ないようにしましたが、阿片だけは手にいれないと局あた、
りが騒ぎだしますので、何らかの方法で続けるはずです、まずはそれを潰しましょう、何か他に良い方法を考えますと言ったのです、お勝つ達が入って来たので、今日は土産はない、
ぞと言うと、

いつも貰おうとは思っていませんよとみんなが笑うので、そうだ、男の一物を立たなくする方法はないのかと聞くと、恐ろしい女子と情を交わせば立たなくなりますよとボタンが、
言うので、どんな女だと聞くと、幽霊とかですよと言うので、幽霊には知り合いがいないからなあと言うと、わざと殺させて、暗闇でその女とそつくりの女子を抱かせるのです、
やっている最中に蝋燭に火をつければ、

ビックリして一物は縮こまり、二度と立たなくなりますというので、そうか、悪人だから女の一人くらい殺しているかも知れんな、その女子とそっくりの女子を探せばよいわけか、
まるで怪談ばなしだな、考えるだけでぞ~とするなと言って、忍びならそんな術があるかも知れんと頷いたのです、お勝つ達が、お役目ご成功おめでとうござります、と言うので、
みんなこの富蔵のおかげだだよと言ったのです、

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