第95話

文字数 2,755文字


源三郎江戸日記(弟二部)95

柳沢家の用人が入って来て、村上殿お戻りなされたか、殿は用事がありお出ましにはなりませんが、明日昼過ぎに疾風号に乗り城に出仕してくだされとの事です、奥まで何もしなくても、
通れます、案内の小姓が出迎えますので御座所に進みくだされ、服装はいつもの通りで良いとの事ですと言うので、承知仕りましたと言うと、風呂敷包みを出してこれは遠藤への教授料、
に御座る、

200両入っていますのでお納めくだされ、遠藤は報告書を作成し明日殿に会う事になっております、大層成長したようで御座るなと言うと、それではごめんと言うと部屋を出て行ったの、
です、女将が将軍様に拝謁なさるのですねと言うので、骨の折れる事じあよと言うと、新之助が何を言うか、旗本の高禄者でもめったに会えんのだぞ、名誉ではないかと言うので、又、
何かを頼まれるとかなわんだろうと笑ったのです、

さてこの金だがと言うと、信一郎、三蔵、女将、にそれぞれ10両渡すと、沢山貰っているからいらんよと言うので、邪魔にはならんだろう取っておけと言うと、そうか、しからば有難く、
と受取ると、女将も三蔵も受取ったのです、女中が平助と言う方がきていますがと言うので、おう、通してくれと言うと、部屋に入って来て、今横浜からもどりました、こちらだろう、
と思いやしてと言うので、

まあ一献と言うと女将が酌をするので飲み干し、今日はご家老に相談があるので来たのですと言うので、構わん言うてくれと言うと、実は小雪とおあきの事なんですが、二人とも横浜で、
女郎屋をやりたいと言うているのですと言うので、そうか体がほてるのかと聞くと、ハイ、長年やっていましたのでそうなんですが、お弟子さんと情を交わせば、他の人が悋気をします、
のでそれもならず、

困って私に相談したと、言うわけですと言うので、それは構わんよと言うと、そうですか、二人はまっとうな暮らしにして下さった、ご家老に申し訳ないと、言うておりますと言うので、
印西の女郎屋の女将がやはり同じ事を言うていた、横浜なら船で2時もあれば行ける、女郎屋なら旦那衆と情を交わしても問題ないなと言うと、女将が深川の旦那衆がみんな通われると、
深川は閑古鳥がなきますよと言うので、

毎日は通えないので大丈夫だよと笑ったのです、半助それなら上杉上屋敷に行き2000両を次席家老から受取ってくれ、それを二人に渡して資金にするようにしてくれと言うと、資金は、
心配いらないですよ、品川宿の2000両をあてますと言うので、そうか、まあ足りなくなったら言うてくれ、どうせ、悪人から巻き上げた金寸だからなと言うと、ハイ、品川も上手く、
行っています、

横浜、町田は後5日後には開店できます、横浜でそれぞれ15人づつ、町田も15人づつ集めました、江戸中のお茶屋や吉原からの上玉ですよと言うので、そうか、わしも一合戦と行くかと、
言うと、まずは小雪次におあきと合戦してくだされと言ったのです、お勝つ達が入って来て、いらっしゃいな、今日はあやめの送別会をやりましょうと言うと、あやめが3日後に横浜を、
開店できます、

町田もその後直ぐに開店します、暫くは行き来して町田は友達に任せますと言うので、資金は足りたのかと聞くと、建て屋は七衛門の旦那がやってくれました、ご家老の預かり金だから、
遠慮するなと言うていましたがと言うので、そうか、返す必要はないぞと言うと、いいえ、儲けて返しますよと言うので、楽しみにしておこうと笑い、みんなで杯を重ねたのです、

お勝つが私達も出前で横浜と町田に出張するのであやめ呼んでおくれと言うと、ハイ、二階は料理屋みたいに部屋が4つありますので、旦那衆が来るなら、一緒に来てくださいと言うと、
ボタンと駒菊も連れて行くわよと言ったのです、これで人足達も励みが出るだろうと言って、平助も大儲けだなと言うと、ハイ、儲けた金で芝居小屋を作り、旅芸人一座の公演もやり、
ますよと言ったのです、

それではと皆に10両づつ渡して、今日は盛り上がるかと言うと、女将がダメです明日将軍様にお目通りするのに、酒臭さかったら、お手打ちになりますよと言うので、そうじあなと言っ、
て控えめにしておくかと頷いたのです、あやめが、二階の一部屋はご家老専用の部屋にしますと酌をするので、お勝つがそこに泊まろうというと、あやめがダメですと言うので、お勝つ、
がケチと言うと、みながドット笑ったのです、

翌日疾風に乗り大手門から入ると、皆が頭を下げて入り口に行き下馬すると旗本が馬を預かり、小姓が御座所に案内したのです、柳沢以下幕閣の重役が座っており、柳沢が今日来て貰ろ、
たのは、一つは相模原の開発状況、一つは境川の水位があがった流域で稲作が出来るようになったので、その開発資金5000両の上申が代官から上がり、水位を上げたのは村上源三郎との、
報告があったので、

上様がどうやったのかを聞かせよとの事であると言うと、綱吉が出て来てよう来たな足は崩せと言うので、ハイと言ってあぐらをかき、相模原の状況を説明すると、そうか、順調のよう、
じなと言うので、次に水位を上げた経過を話し、相模川からの水路は必要ないので、開発費を安く上がる事をはなすと、なる程火薬か、戦の道具が治水の役に立つのじあな、八王子は、
2万石の増収が見込めるそうじあ、

しかし、そなたの考える事はまさに奇策じあな、火薬は幕府が厳しく規制しているが、今後治水に関しての使用に限って、ゆるくせいと言うので、老中共が承知致しました、と返事した、
のです、ところで、銭屋の抜荷が長崎の港で発覚したそうじあが、銭屋から入れ札停止の解除の願いが出ておるが、いかがしたもんかなと聞くので、罰則金として5万両を幕府に納めさ、
せて、

願いを聞き届けてはいかがですか、相模原の開発資金は銭屋が総て出した事になり、財力を減らさせるのに都合が宜しいと思いますがと言うと、そうじあな、銭屋が悪さをすればする程、
幕府は儲かるわけじあなと笑い、吉保、その通りに申しつけよと言うと、ハハッ、直ちに申しつけますといったのです、源三郎、そちは綱豊に炬燵の指南をしたそうじあな、綱豊が余に、
教えてくれたぞ、

おかげでこの冬はぬく、ぬく、じあ、我が国に昔からあるとは知らなかったぞ、良いものを教えてくれた、あれに入り時々綱豊と笹を飲んでおるぞ、綱豊もそなたを頼りにしているそう、
じあ、助力せよと言うので、ハハツと頭を下げで、上様の馬を拝領いたしありがとう御座りましたというと、あやつは気があらいが、そなたには従順らしいのう、あの鞍は役に立つで、
あろうと笑うので、

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