第34話

文字数 2,922文字


源三郎江戸日記(弟二部)34

5才くらいの時に肩車をした事もあります、当時は江戸湾の埋め立てをやっていまして、若狭屋の旦那さんに幕府の若年寄り秋山様、今はご老中ですが、埋め立ての差配をしておられ、
まして、口を聞いてもらって請け負わせて貰ったのです、大分金寸をお送りになったのだと思います、何の得にもならないのに手助けしてくださり、その時の仕事が認められて殆ど、
の埋め立てを請負させてもらいました、

勿論あれだけの工事ですから、請け負った人足頭は沢山いたのです、そうかあの時の頭がお前だったのか、丸太を何本も打ち込み一町部位の池にして、砂俵を投げ込み埋め立てていく、
のを見て感心したのじあよと言うと、覚えていますかあれを見て砂俵は大きさが結構あるのに丸太を隙間無く打ち込むのはどうしてだ、どうせ水抜きは出来ないのだから砂俵の半分、
ずつの間隔があっても、

外には落ちないであろう、砂俵の分だけ水がなくなり、やがては水は丸太の外に、行くだろうと言われて、はっと思ったんですよ、その通りですから丸太が、3本づつ節約できるので、
4町分は丸太を打ちこまなくて良いわけで安くて埋め立てできたわけです、秋山様が見に来られてこれでは埋め立てた海側から相当な海水が入るではないかと言われたら、ご家老が、
その先も埋め立てるのだから、

もんだいは無いですよ、埋め立てが終った海側だけ隙間の無いように丸太を打ち込めばいいと思んですがと言って、使った丸太を引き抜いてつかえばもっと丸太がいりませぬと笑っ、
ておっしゃったら、お前は何処の家中の藩士の子供じあとお聞きなさったら、高鍋藩村上源之丞の倅に御座いますと答えられると、おう、秋月政種の家中か中々知恵がまわるのうと、
言われて2分銀をお渡しになり、

これは褒美じあ何か上手いものでも食えば良いとお笑いになりましたので、若狭屋のお孫さんですと言いましたら、おう、若狭屋の孫かお前の爺様には世話になっておるのじあここ、
の埋め立てにも寄進してくれておるぞ、名前はと聞かれたので、村上源三郎に御座いますと言われたら、覚えておこうと言われて、富蔵中々の工夫じあ他の人足頭にも教えてやり、
その工法にて埋め立てるようにせよと言われて、

お前はこの埋め立てが終るまで請けおえ、人足を後300人あっめてお前は500人でやるが良い、安くなった分給金は弾むぞと言われたのですと言うので、なんとなく覚えているぞあの、
人が秋山様だったのか、人のよさそうなお肩だったなと言うと、目立たない方ですので、幕府の老中でもいるかいないかわからないと影口をたたかれていますが、江戸が発展したの、
は埋め立てを成功させた秋山様なのですといったのです、

な~んだ富蔵とは竹馬の中ではないか、早く言えば良いのにと言うと、今は上杉15万石の主席ご家老様ですそんな事はいえません、若狭屋の旦那からこの話を聞いて直ぐにお引き受、
けしたのですが、頭と小頭10人程でよいと言われましたので、人足は現地であっめるんでと聞いたら、人足はいらんそうだと言われたので、若様は何を考えて折られるのですかねと、
聞きましたら、

あ奴のことだ天から人足をふらせるか、人足なしでも出来る知恵をもっているのじあよ、ともかく行ってくれと笑っておられましたが、ここに来て人足がいらわけが分かりましたと、
言うので、そうか、それは悪い事をしたなと言うと、いいえ、ここの領民は人足よりよく働きますと笑ったのです、それでは、お前と小頭10人はここが終わったら印旛沼の飯場に、
印旛屋と言うめしやがあるので、

そこに行きわしの知り合いじあと女将に言うで酒とめしでも食うていろ、わしも後から行くぞ、勘定はわし持ちじあと言うと、ありがとう御座います、おうみんな聞いたか、頑張っ、
て働けよと言うと、お~と声を上げて喜んだのです、それでは頼むぞ、七衛門あの川原にドロ抜きをしていた鯉5匹を捕まえて持って帰ろうというと、ハイと言って配下と捕まえなに、
行き持ってきたので、

それでは血抜きしょうと血抜きをして、こうしておけば暫くは新鮮のままじあと言うと、それでは買えるぞ、お峰とおふくに美味い鯉料理を食わしてやろう、お前たちにもおすそ分け、
してやるぞと言うと、馬に乗り本陣に引き上げたのです、お峰とお滝が、出迎えお戻りなされませと言って、お峰が腰の物を受け取ったので、台所を借りようと、寺の調理場にいき、

鯉5匹を三枚におろして、皮は炭火であぶり鯉こくそうめんを作り、後は鯉こくにして、酢味噌のタレを作ると住職がこれは又美味そうですなと言うので、鯉の皮は魚ではないので、
ご住職が食べてもお釈迦様はお怒りにならぬだろうと、5人分を私ここの僧にも分けてやりなされと言うと、そうですな、皮くらいはお許しになるでしょうと言うと言って受け取っ、
たのです、

七衛門を呼び、お前の配下20人分には少ないが、鯉こく3人分と、鯉こくソーメン21人分じあ、たまにはお前を囲んで宴席を開け、今日は源信と才蔵が護衛するので、護衛は無用じあ、
と言と、ハイ、奥方様の護衛をしますと言うと配下がそれぞれ運んで行き、部屋にも運んでもらったのです、部屋に入り膳を並べてドロは殆ど抜けているが生臭いので酢味噌を付けて、
食べるが良いと言うと、

お峰が尺をしたのでハイを重ねると、お峰が久しぶりですね鯉こくソーメンを食べるのはと言うと、お滝が一口食べてこおぼしくてとても美味しゅう御座います、料理もおできにな、
るのですねと言うと、旦那様は手先が器用なのですよと言うと、滝もこんな旦那様が欲しゆう御座いますと言うと、お峰がそれなら旦那様の側室になるかえと言うと、ハイと返事す、
るので、

おい、おい、お峰正室が側室を勧めるなんぞ聞いた事ないぞと言うと、何を言うわれるのです、側室を沢山儲けて小が沢山出来れば、我が家は安泰なのです、敵討ちが終ったら側室に、
なさいませと言うので、好きなようにするが良いが、後で文句を言うなよと言うと、悋気などしませぬ、お滝はとても良い女子ですよ、小太刀の筋も中々良いですよ、それにここに、
は男しかおりませぬゆえ、

お滝がいると、楽しゅう御座います、色々お喋りをしていると時間が達のが早いですよ、今日は住職より甘い菓子を頂きましたので、後でたべましょう、旦那様はどうぞお出かけ下、
さりませと言うので、そうかそれは良かったなと笑ったのです、山本が博多屋源蔵殿が見えられていますがと言うので、こんな処まで来てくれたのか、構わん通せと言うと、これは、
食事中すまんと言うので、

構わんお峰膳を、もう一つじあと言うと、ハイと言うと、源蔵がお構いくださるな、これは江戸前の押し寿司に御座ると渡すので、これを出しましょうと、言うと奥に行ったのです、
これはわしの側室のお滝じあと言うと、おふくと申しますよろしゅ願いますと言うので、源蔵に御座るよしなにと言うので、こ奴は元鮒手同心じゃたが今わ博多屋源蔵と名乗る、
豪商じあ、わしの盟友じあ宜しくなと言つたのです、

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