第44話

文字数 2,712文字


源三郎江戸日記(弟二部)44

大広間に行き皆をあつめて、みなの者ご苦労であった、これで懸念はなくなった、3日後には江戸に戻る、残るものは宜しく頼むと言って、勝どきは上げなかったが、完勝であった、
今日は戦勝祝いをやる、思う存分飲ん出くれと言ったのです、飯場からの引越しは順調にすすみ、人足も陣屋町の長屋に移ったのです、全員が移った為いきなり大きな町が出来た、
ようなものです、

長屋は一番印旛沼に近い場所に立ててありますので干拓現時までは半時で行けます、富蔵達もここに移っており、池、水門の工事は終り、今は用水路の船着場と桜、銀杏、紅葉、
アジサイ、水仙等の草木の用水路植え付けを行っていたのです、部屋に富蔵を呼び街道整備の話をして明日には佐倉藩の家老山脇殿のところへ行き、段取りを打ち合わせてくれ、
総て富蔵の差配を受けると言うていたと言うと、

わかりました、半分はは用水路の為に残し残りは街道の整備をやりましょうと言ったのです、七衛門が帰って来て山脇様が喜んでおられました、稲葉様からご家老にこれを渡して、
くれと頼まれましたと言って風呂敷を開けると、遠眼鏡ではないかと手に取り庭をみて、中々よく見えるぞ、南蛮からの物じあなと言うと、七衛門が見てなる程、船にも積んで、
ありますが、

これはよく見えますね、これはブロシアの物ですよ、この国の物が一番良いそです、中々手にはいらないのですと言ったのです、戦には良い道具じあなと言うと、こんどから是非、
戦に持っていってくだされと言ったのです、富蔵がこれはご家老が秋山様から貰った2分銀で眼鏡をお買いになり、壊してお作りになっものですねと言うので、そうじあよ片方の、
レンズを小さく削るのが難しかった事を覚えている、

和紙を何枚も重ねて厚くしてまるめて、眼鏡のレンズを筒に挟めて、釣竿みたいに片方に小さく削ったレンズを撒いて、筒に入れて延ばしたり縮めたりするとはっきり見える場所、
があるのじあよと言うと、富蔵がまだ5才なのにこれを作って、埋め立て場所に持って来て、よく遠くの現場を見ておられましたよと言うので、父上が持っていた南蛮の書物に絵が、
のっていたが和蘭語が読めないので、

医師の処へもって行き読んで貰って意味がわかったので作ってみたら簡単だったんだよ、父上にバテレンだと思われるぞと取り上げられたのじあ、何処にやられたのかなと言って、
そうか富蔵は埋め立ての人足頭だったんで、あれを知っているのじあなと言うと、秋山様が何か美味いものでも食うたかと聞かれたらので、眼鏡を買ったとおっしゃったら、笑っ、
ておられましたよと言うので、

頭のおかしい子供とでも思われたのじあろうと言うと、不思議な稚児じあなあと言っておられましたと笑ったのです、七衛門がなぜ遠眼鏡が欲しかったのですかと聞くので、満月、
を見ると筋みたいのが見えるじあろう、あれは何か知りたかったのじあよ、遠眼鏡でみたら山じあったのじあよ、遠いからつるつるに見えるが、月にも沢山の山があるんじあよ、
うさぎは小さくて見えんじあったがと言ったのです、

七衛門ここの出店の番頭は誰にするのじあと聞くと、つれてきている船頭の倉吉がやりたいと言うていますので、倉吉以下5人を選びました、20石船は4隻銚子の船大工に頼んで、
あります、その船大工が試したら帆を二枚つければ斜めに行き、船底に横に流されない板をつければ45度に進むそうで、前からの風でも千石船に比べれば遅いですが1時に二里半、
は進みます、後ろからだと4里はいけるそうです、

水路は1時で利根川に出て、利根川も後ろからの風だと銚子まで10時あればつきます、川ですから夜も航行できるので半日でいける事になり、船で外海に出て駿河湾に入り浦賀、
を超えて佃までは1日ですから、1日半でつきます、陸路ですと千葉まで整備すれば半日それから船で半日で一日ですからこちらの方が早いですが、陸路は大量の物は運べません、
米などは船で江戸まで運んだ方が良いわけですと言うので、

どちらも大事と言うわけだが、やはり海ならば早いわけかと言ったのです、小型船で水郷めぐりも面白いなと言うと、ハイ、色々と試すように言うてあります、店の横にには、
若狭屋さんの両替所も作りました、玄海屋が肩代わりで運用して利益は折半にし、町人向けの小口の貸付もやります、資金は総て若狭屋が出すと言う事です、町が大きくなれ、
ば、

本格的に進出してもらえば良いでしょう、よろずやの件は名主に言うておきましたと言うので、そうか準備万端と言う事だな、後はここに残るものに任せておけば良いなと言っ、
たのです、七衛門もご苦労じあったなと言うと、玄海屋は番頭がしつかりしていますので、わたしがいなくても大丈夫なのですと笑ったのです、火矢の道具と炸裂弾はここに置、
いておくのじあ、

手代に使い方を教えておいてくれと言うと、承知しましたと七衛門が言ったのです、七衛門と富蔵は帰って行き、お峰達は宴席の準備をすると部屋を出て行ったのです、源三郎、
は町に出る事にして陣屋を出て町の方に行くと、沢山の提灯がならび人で賑わっています、おふくの店に入ると、いらっしゃいませとおふくが言うので小上がりにあがり酒と肴、
を注文したのです、

おふくが酒と肴を持って来て小上がりに上がったので、女将はと聞くと料理屋が出来たので、店開きの準備しています、女中も集まっまったそうですと言うので、客は集まるのか、
人足は、料理屋にはいかんだろうと言うと、料理屋屋があれば、佐倉の城下から旦那衆が来るんですよ、顔を見られたくないので旅籠に泊まり、料理屋に佐倉から芸者を呼ぶので、
すよ、

城下だと奥方の目が光っていますからねと言うので、なる程お茶屋代わりと言うわけだと言うと、芸者を帰した後は女郎屋で遊ぶわけですと笑うので、飯場には料理屋はなかった、
だろうと言うと、うちの店に放れがあったでしょうと言うので、あそこがお茶屋かわりだつたのかと言うと、そうですよと笑ったのです、女将はやり手だなあと言うと元は柳橋、
の芸者ですよと言うので、

そうか、どおりで垢抜けしていると思うたよと言うと、なんでお父っさんに惚れたのか不思議なんですよと言うので、男と女はそんな者だよと酒を飲み干して、ここはおふくがや、
るのかと聞くと、そうですよ、今日からは女将ですと酌をしたのです、ご家老腰はなおりましたかとおふくが聞くので、腰かなんともないがと言うと、約束は覚えてますかと言う、
のでもちろんじあと答えたのです、
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