第58話

文字数 2,942文字


源三郎江戸日記(弟二部)58

町奉行支配の本多佐渡の守に奉行はどうするか伺いをたてるだろう、当事者なので腰を抜かして、柳沢様に知らせるはずだ、後は柳沢様が上手くやってくれるよ、投げ文があったので、
蔵を調べて見つけたといえばよい、お前を罰するわけには行かんから大丈夫だよ、ひょっとするとその手柄で筆頭同心にするかも知れんと言うと、口封じに偉くされてもなあと言うので、

いいでは無いか、上になればもっと仕事がやり易くなるし、給金も上がるだろう、三蔵も喜ぶよと言うと、そうだな、くれる物は貰っておこう、奉行の狼狽振りが目に浮かぶよと笑うの、
で、さあ一杯飲んでくれ、昇進の前祝いだと言ったのです、新之助が相手は大藩だ気をつけろよと言うので、こちらは戦支度だ、奴らは生身だよ魚をさばくより簡単だよと笑ったのです、

翌日駒込の加賀藩上屋敷に行き、利常公に面会を認めると、どなたで御座るかと聞くので、村上源三郎と申す、柳沢様の手の者で御座る、内密の用件なれば、余人は交えてはならんと、
言うと、暫く待たれよといって、お会いになるそうに御座ると御座所に案内したのです、柳沢様の手のも者に御座ると言うと、ここに控えおるは近習頭の岡村じあ、わしの護衛なれば、
同席すると言うので、

構いませぬ、じつはと全容を話し、証拠の品に御座ると渡すと、何と言うことをと言うので、行部を処分するように言うと、隠居を持ち出せば、そなたと私を殺し、その書付を奪うで、
あろう、行部の味方する者は多いのじあと言うので、ところで岡村殿は殿の味方で御座るかと聞くと、殿を守るのが役目で御座る、行部様を討ち取れ、と命令されれば討ち取り申すと、
言うので、

わかり申した、ここに鎖帷子と篭手、すね宛が用意して御座る、これを御二人と、もつけてくだされ、これを付ければ切る事は出来ませぬ、相手は生身で御座る、何人いようと大した、
事はありませぬと言うと、なる程戦支度なら負ける事はないなと利常が言うので、岡村殿峰打ちになされ、人2たりも切れば油で刀は切れなくなります、峰うちなら何人倒したも大丈夫、
で御座る、

骨が折れれば戦えませぬと言うと、承知と言ったのです、用意が出来たようで御座るな、重役達を呼んでくだされと言うと、岡村が呼びに行くと、行部をはじめ20人が集まったのです、
利常がここにいるのは柳沢様の手のものじあ、行部これはどうした事じあ、抜荷の禁制品を銭屋から受け取り幕府の目をくらます為に加賀藩ご用達として江戸屋敷に運び銭屋の息の、
かかったものに売り渡すとは、

阿片の行き先と賂は本多佐渡の守に、渡しているそうじあないか、叉多額の賄賂を銭屋から受け取り、数万両を着服するとは何と言う事じあと言うと、おのれは隠密じあなと言うので、
総ては柳沢様の知るところじあ、言い逃れはできないぞ、柳沢様は穏便に済まそうとなさっているのじあ、おとなしく利常様の言う事を聞く事じあなと言うと、隠密如きに指図される、
覚えはない、

家禄没収の上隠居だと、片腹痛いわ、こうなればお前を切り捨てて書付を奪うまでじあ、殿にも冥土に行ってもらう、嫡子利尚様に跡目は継がせればいいだけだ、もの共出会えと言う、
20人あまりがフスマを開けて出て来たのです、構わん切捨てよと行部が言うので、聞き分けのないばか者じあと言うと、一斉に刀をぬいたので、ばか者と言うと、踏み込み正面の者か、
手をぴし~と打つとぎや~と言って刀を落としたので、

肩を打ち据えて、右左と飛び跳ねて手を打ち肩をすえると、あっと言う間に6人がうずくまったのです、肩の骨は折れている刀はもてまいと言ったのです、岡村も前後ろ左右に打ち据え、
てこれも5人が転がったのです、殿に手向かうとはお家を潰すつもりかと一括すると、おのれと言って3人が切りかかったので岡村が叩き伏せたのです、これで残りはわずかだなと言う、
と行部が刀を抜いて、

切りかかったので肩を出すと、ガキ~と音がして刀が肩で止まってので、拳骨を顔面に食らわすと後ろにどたんとひっくり返ったのです、わしらは戦支度で鎖帷子をつけているのだ、刀、
では切れんのだよと言って、行部の手をピシ~と打つと、ぐわ~と言って刀を落としたので、行部の脇差を抜き取り、肩にぐさりと突き刺すとぎや~と言って倒れたので、脇差は抜かぬ、
方が良いぞ、

抜けば出血多量で死ぬぞと言って、まだやるつもりかというと、残りの者が刀をしまいそこに座ったのです、利常様仕置きをと言うと、前田行部その方藩主に刃を向けるとは許しがたし、
1000石を残して陪臣ともども召し上げる、隠居いたし閉門謹慎いたせ、家督は嫡子に継がせる、刃を向けし者は家禄半減のうえ閉門謹慎申しつける、医師を呼べというと医師が来たので、
みんなを治療させたのです、

目付けの山本と呼ぶと、ハッと言うので、こ奴らを役宅に送り届け閉門させよ、誰とも会わしてはならん、なお不穏な動きすれば即座に上意打ちにせよという、ハハッと言って手の者に、
みんなを立たせて、役宅に連れて行き、門を竹で縛り閉門にしたのです、医師が肩の骨が折れており、治るのは3月かかると言ったのです、利常が目付けに、早馬を飛ばして、国家老に、
あの者達の家族に仕置きを伝えよ、

さからう者は国家老が兵を率いて、殲滅するように言うのだ、あの者達の親類、縁者は罪に問わなくて良い、と言ったのです、これで良いかなと言うのでよろしゅうございますと言うと、
行部の知行地は幕府に、返納いたすと言うので、それは柳沢様に申し出られよ、穏便にしてくださる、かもしれませぬと言うと、お頼みしてみますと言ったのです、銭屋は潰してはいけ、
ませぬ、

1万両の賂が払えたのだから、1万両は別に冥加金として徴収なされ、それから、米の買取は今の相場にさせるのですそうすれば2万両は利がでます、陪臣を藩士に取り立てても十分余裕、
ができますぞと言うと、それは助かると言うので、それでは5万両接収にいきますぞ、用意なされと言ったのです、馬に乗り日本橋小網町の銭屋の寮にいき戸を開けさせて蔵に行き才蔵、
に錠前を開けさせて、

それでは運び出しなされと言うと、藩士が運びだし荷馬車に載せると、5万2千両あります、禁制品はそのままにしておきなされと言うと、わかった礼をしたいのだがと利常が言うので、
ここに囲っていた者を、タダ放逐する訳には参りませぬ、500両だけ頂きましょうと言うと、千両箱を村上殿に渡せと、命令すると藩士が荷馬車からおろし傍に置いたのです、自由に、
お使ってくれと言うので、

それでは預かりますと言うと、そなたは上杉家の家老であろうと言うので、お気ずきでしたかと言うと、顔を見るのは初めてじあが、そなたの名前を知らぬ大名はいないぞ、国元の仕置、
きが終わったら知らせると言って、それではこれにてと言って利常は返っていったのです、飛猿に千両箱を馬に積むように言ってお蝶に新之助達を呼んでくれと頼んだのです、ほどな、
くきたので蔵から禁制品と阿片を押収しろと言うと、取り方が中に入り禁制品と阿片を押収したのです、

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