第21話

文字数 2,688文字


源三郎江戸日記(弟二部)21

部屋に戻ると、お峰が今日はお春が夜伽します、暫く会えぬゆえ沢山情をかけておやりなされと笑つたのです、そうじあな、江戸に立ち寄るので孫太夫殿に線香を上げようと言う、
と、ハイと返事して部屋を出て行ったのです、フトンに入るとお春が行灯を消して入って来たので、激しく燃えあがったのです、翌日には陣羽織と陣傘を被り馬に乗り相馬に向け、
て出立したのです、

二日で相馬に着き玄海屋の船に乗り佃沖に向かい翌日の昼には上陸して上屋敷に入り次席家老に準備を聞くと総て整っております、2万両は玄海屋に引渡しましたと言うので、藩士、
100人を大広間に集めよといって、みんなが集まると上座に座り、明日朝出立いたす、治水工事に行くのじあが、必ず佐倉藩が邪魔をするであろう、戦になると思うがよい、完璧に、
勝てる策が練ってある、

敵を叩き潰して、敵の城に毘沙門天の旗をなびかせるぞと言うと、お~と歓声が上がったのです、それでは出立に遅れるなと言うと持ち場に戻らせたのです、次席家老に明日より、
暫く屋敷は手薄になるが頼むぞと言うと、おまかせ下されと言うので、それではと言ってお峰を連れて馬で泉岳寺に向かい赤穂浪士の墓に行くと、いまでも線香は消えていません、
焼香を済ませ、

住職にお布施を渡すと、いつもお気使いありがとう御座います、沢山の方々が寄進してくださりありがたい事です、早く赦免が出れば良いのですがと言つたのです、そのうち赦免、
されるでしょうと言って泉岳寺を出て根岸に戻り、母上に明日は下総に行かねばなりませぬというと、米沢藩の改革も順調だとかよろしゆうござりますな、体だけは気をつけにさ、
れ、

お峰殿も気をつけなされと言つたのです、源四郎も歩けるようになりましたよと言うので、こちらに来いと言うと来たのでひざに抱きおう重たくなったな、わしは兄上じあぞと言、
うと、あにさまと言うので、言葉も喋れるのか感心じあのうと言って、傍にいた安兵衛にも傍に来いと言って二人を膝に抱いたのです、暫くして出掛けて来る、夕餉は済ましてく、
るぞと言うと、

お峰が明日の支度は整えておきまする、いってらっしゃいませと玄関まで送って出たので、籠に乗り深川に向かったのです、玄海屋に顔をだすと、準備は整いました、花火も届き、
ましたので船につんであります、銚子には馬100頭を用意してありますと言うので、明日は朝に出立するぞ騎馬を率いて陸路を行くので、お前は先に船で行き宿泊先の寺に運び込、
むのじあと言うと、

承知しましたと言うので、陸路だから2日はかかるだろうと言ったのです、七衛門を連れて料理屋に顔を出すと女将がお戻りなされませと言うので、明日は下総にいかねばならん、
若狭屋と新之助、三蔵を呼んでくれと頼み、七衛門にいよいよだなと言うと、武者振るいがしますと言うので杯を重ねたのです、お蝶がはいてきて、高木達は下総にいます源信、
は佐倉の城下で様子を見ています、

どうやら稲葉は戦支度をしているそうです、流失した土地の名主の話によりますと、稲葉は救済金を3000両しか渡さず残りが欲しかったら壊れた水路の賦役に百姓を出すように、
言って、賦役に使っているそうです、幕府に訴えようと相談していたら、発覚して二人が殺されたそうですと言うので、あこぎな奴めそれで、不満を誘い人が騒いで集まったら、
一揆として藩兵を差し向けるつもりだな、

その藩兵はそちらには向けずに様子を見に行くわしに向けるつもりじあなと言うと、そうだろうと源信が言うておりましたと言うので、わかった、源信に無理はするなと言うのだ、
と言うと、ハイと言うと部屋を出て行ったのです、若狭屋、新之助、三蔵が入ってきて座ったので杯を重ねると、若狭屋が相模屋に聞きました、源三郎殿に鉢が回ってきたそうで、
災難ですなと言うので、

稲葉はわたしを待ち受けて藩兵を差し向けて、討ち取る腹つもりですと言うと、新之助がそのような事をすれば上様の怒りに触れるのではと言うので、一揆を煽りその鎮圧としょ、
うして藩兵を差し向けドサクサにまぎれてわし襲うつもりなのだよと言うと、稲葉様の領内なれば1000人は動員できるじあろうと新之助が言うので、手の内を明かすと、若狭屋、
がそれは佐倉藩の藩兵はたまりませぬなあ、

糞祭りですかと笑うので、新之助と三蔵も大笑いしたのです、そろそろ柳沢様が現れるはずじあがと言うと、お主がここにいる事がなぜ分かるのじあと聞くので、草の者にわしを、
監視させているのじあ、わしも時々監視しているがのうと笑うと、お勝つ達が部屋に入って来たので呼んでおらぬがと言うと、若狭屋が久しぶりのお戻りなので私が呼んだのです、

それでは出陣祝いとしましょうと若狭屋が言うと、女将がおかしら付きのタイの塩焼きを作らせましょうと部屋を出て行ったのです、お勝つが何処と戦しなさるのですかと聞くの、
で、戦と言う名の祭りじあよと言うと、どこでやりなさるのでと聞くので下総は佐倉じあ、今回3万石の天領を永大上杉家にお預けになったのじあと言うと、ボタンがその領地は、
先の大雨で田畑が流失した場所ではと言うので、

そうじあよと言うと、何の価値もありやしませんよと笑うので、それがわしの工夫で来年から作付けできて、米が3万石取れるのじあよと言うと、それでは印旛沼からの水路の治水、
工事をやるのですね、でも、あれは絶対上手くいかないと人足の親方から聞きましたがと言うので、それが簡単に上手く行く手があるのじあよ、ボタンにも理解できるので話して、
やろうと話すと、

みんなが成る程緩衝池を作れば簡単なんですねと驚いたのです、若狭屋がこれは叉奇策ですな、人足の親方も気づきませんよと酒を飲み干したのです、そこの領民は今年は借り入、
れ出来ず、秋祭りもできないのじあ、よつて来年の豊作を祈願して3万石の領地の領民総係りで祭りをやろうと言うわけじあよ、費用は幕府持ちと言う事なのじあと言うと、成る程、
それは盛大な祭りになりますなあとお勝つ達が頷いたのです、

あやめがそこの民は源三郎様のいる上杉家の領地になって幸せですねと言うので、そう思うてくれると嬉しいがのと笑ったのです、女中がタイのお頭付きの塩焼きを持ってきたので、
これは見事じあと箸をつけて、皆も食してくれ、これからこの勘定を払う人がくるので遠慮はいらんと言うと、若狭屋が柳沢様も得をするのでと聞くので、一番得をするので御座い、
ますよと、

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