第97話

文字数 2,756文字


源三郎江戸日記(弟二部)97

余計な事を言いおってと言うと、切腹でござろうかと新井が聞くと心配めされるな、綱豊様には我々しかいません、切腹などおうせ付けられる事はありませぬ、しばらくはおとなしくして、
おきましょうと言ったのです、料理屋に七衛門が来てご報告は済みましたかと聞くので、ああ、終わったぞ、ところで蝦夷から何か言うて来たかと聞くと、ハイ、先程飛脚便が届いていま、
した、

函館奉行よりアイヌの村での取引を禁止して、松前の城下に河岸を作ったそうです、そこで役人立会いの下に取引をする事になったそうです、かってにアイヌと取引したものは、鑑札取り、
上げではなく、罰金を科せられるそうで、その者が払えない場合は売り先から徴収する事になったそうで、不正は出来なくなったとの事です、冥加金は一割ですが別にもう一割を奉行所に、
寄進するようにしたそうです、

この金寸を役人の為に使ってもらえば、賂を受取らなくても良くなるわけです、又ニシンの捨てる身は玄海屋が買い取る事にしたので、函館まで持ってくる物が増えているそうで銭屋には、
渡りにくくなっているそうで、銭屋も買い取るようになったそうですと言うので、なる程、銭屋はあくどく儲ける事は出来なくなったわけだと言うと、他の悪徳商人も出来なくなったので、
アイヌは喜んでいるとの事ですと言うので、

なる程さすが柳沢様だそつがないなと笑うと、函館の鑑札を受けてる商人は、こぞって別に1割りを寄進しているとの事ですと言ったのです、その頃銭屋は柳沢に呼び出され、解除の条件、
を言い渡されて、それに従い幕府に5万両を寄進して、入り札停止を解除してもらったのです、番頭がすでに16万両も蓄えが減ってしまいましたと言うと、まだ34万両残っているわ、絶対、
奴を抹殺してやると言ったのです、

こうなれば次々と刺客を送ってやるというと、料理屋の霞に行き、女将ならヤシの元締めを、知っているだろう、凄腕の刺客は何処かに、おらんかなと言うと、誰をやるのですと聞くので、
上杉家主席家老の村上源三郎じあよと言うと、それは又相手は15万石の大名の家老ですよと言うと、一人で出歩く事も多いので、やる事は可能じあが、並みの強さでは太刀打ち出来んのじ、
あよと言うと、

それなら芝神明の白根の源治親分に頼んでみなされ、裏の家業もやっているそうですというので、呼んでくれかんと言うと、ようござんすと言うと、家人を使いにやらせたのです、源治が、
入って来て、白根の源治でござんすが、裏家業の刺客が必要とか、何人を頼みなさると聞くので、奴を殺すまでだ、金は幾らだと聞くと、相手が相手です一人100両と言う事になっており、
やすと言うので、

依頼人が発覚する事はないだろうなと聞くと、失敗すれば死にますので、死人に口なしでござんすよと言うので、とりあえず3人頼もうと風呂敷に入った150両を渡し、あとは成功したら渡、
すと言ったのです、わかりやした、早速手配しますと言って部屋を出て行ったのです、源治はその足で新橋の八兵衛長屋に行き戸を開けると、おう源治か何のようだと酒を飲んでいた浪人、
が言うと、

80両の仕事がありますが、ちと手強い相手ですがやりなさりますかと聞くと、80両かそれは大金じあな、して相手はと聞くので、上杉家主席家老村上源三郎だそうですと言うと、大名の、
家老か、大勢の供を連れていれば無理じあろうと言うと、深川あたりを一人で歩くようで、襲う機会はあるそうですと言うと、家老一人ならわけないがと言うと、剣の腕は相当な者だそ、
うですと言うと、

わしも剣客だそれは面白い、闇討ちはせんぞと言うと、どうやるかは権藤様の勝手ですと言うと40両を渡したの、それでは様子を見に深川でも行って来るかと言うと長屋を出て船宿で船に、
乗り深川に向かったのです、深川に着き出入りしていると言う居酒屋に行き酒と肴を頼むと、おみよが持って来て酌をすると飲み干し、ここに村上源三郎と言う武士が出入りしていると聞、
いたが、

今日は来たのかと聞くので、まだですが、何か御用でと言うので、凄腕だと聞いたので、一手指南してもらおうかと思っていると言うと、およしなさいませ、誰も勝てやしませんよと言う、
ので、益々立ちおうて見たくなったぞと笑ったのです、料理屋にお蝶が入って来て、銭屋はこんどは芝神明の白根の源治と言うやしの元締めに刺客を頼みましたよ、源治は裏家業もやって、
いるそうですと言うので、

闇の殺し屋をやっているのか、他にもこんな家業をやっている者がいるのかと聞くと、実態は分かりません、霞の女将は知っているようですと言うので、なるほど盗人の色だったのなら、
その辺は詳しいのだろう、してその源治は誰に頼んだのだと聞くと、新橋の八兵衛長屋に住んでいる権藤と言う浪人もので、今おみよさんの居酒屋に様子を見に来ています、剣客らしく、
闇討ちはしないと言っていましたと言うので、

そうか、そういうからには腕に自信があるのだろう、剣では飯が食えぬので人殺しに身を落としたのじあろうと言うと、見た目は凶悪には見えませぬがとお蝶が言うとので、そうかそれ、
では面体を見てくるかと言うと、あやめがおよしなさいな、そんな狂犬を相手にするのは、新之助様ひつ捕らえて牢にぶち込んでくだされと言うと、何の証拠もなく捕縛は出来ぬよと言、
と、

それなら私がその狂犬の刀を落としますので、手打ちにしたら捕まえてくださいと言うので、源三郎がそんな事しなくてもわしは大丈夫じあよと言うと、ご家老が死んだら私は生きていけ、
ませんと泣くので、お勝つがご家老は負けやしませんよと手ぬぐいを出して涙を拭いてやったのです、あやめ心配するなと言うと、立ち上がり部屋を出て居酒屋に向かったのです、

ノレンをくぐりおみよにわしを探している武家が来ているじあろうと言うと、あそこにと言うので、小上がりに座り、わしが村上源三郎だが何の用かなと言って、酒と肴を頼むとおみよが、
酌をしたので飲み干したのです、拙者は権藤一心と言う示現流の剣客に御座る、一手立会いをお願いしたいと言うので、ほう示現流といえば薩摩のお家芸じあがと聞くと、元佐土原藩士に、
御座ると言うので、

なぜ人殺し家業などをやっておられるのだと聞くと、飯を食うために御座る、剣では仕官などできぬ、世の中で御座るからなと言うので、しからば相手いたすがそなたは独り身かと聞くと、
浪人になった時に妻は離縁いたしたので独り身で御座る、拙者が死んでもだれも悲しまんし、あだ討ちするものもござらぬゆえ安心めされいと言うので、今まで何人人を殺めたのだと聞く、
と、

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み