第23話

文字数 2,860文字


源三郎江戸日記(弟二部)23

佐倉藩から何か言うて来たらここは上杉の領地であるので即座にわしに知らせよ、総ての領内の名主に伝えてここに取りに来るように言うのじあ、水路の治水の手伝いをする者は3日、
後よりここに集まるように言うのじあ、その者には日当を2朱毎日払うぞ、但し、水路の補修は優先してやるのじあ、それをやらねば叉水が入る事になるが、これからは雨はあまり降、
らぬので直ぐには堤は超えぬので、

田畑は村で協力して修復するのじあ、都合1万1千両はすでにこの寺に用意してある、いつでも取りに来いと言うと、ありがとう御座ります、これでこの土地から逃げなくてもよくなり、
例年の実入りより多くなりますと言うので、ついでに新田を開発するが良い、増えた分は永大2分の年貢でよいぞ、増えるほどお前達は豊かになる他の名主にもそう伝えよ、尚名主の、
不正は厳罰に処するので肝に命じよと言い渡すと、

承知しましたと言って20人は大喜びして帰っていったのです、山本に大金があるので見張りは厳重にせよ、夜も交代で眠ずの番をするのじあと言うと、承知しましたと言ったのです、
山本に10人程選ぶのじあ水路の出口を検分に行く、七衛門も船子を連れてついて来い、火矢は忘れるなと言うと、ハイと返事して皆を集めたのです、馬も用意したのかと聞くと20頭、
あります、

みな、馬にのれますと言うので、先導せよというと、七衛門が先頭にたち、みないくぞと声をかけて、30騎で水路の出口に向かったのです、山本があの弓は不思議な形をしています、
なあと言うので、あれは炸裂弾が縛り付けてあるのじあ、100間先に打ち込めるので騎馬は驚いてみんな振り落とされるぞと言うと、あのもの達はと聞くのでわしの傭兵じあよと言、
うと、

小太刀しかもっていませぬがと言うので、切りあいはせぬ弓隊じあから良いのじあ、お前達もこの戦では切りあいは極力しないのじあよ、相手の首を上げても褒美は出ぬからのうと、
言うと、ハイ、承知しておりますと言ったのです、水路の出口に着いたので見て周り、先に来ていた人足の頭にどうだと聞くと、ヘイ、200人いれば一月もかかやせん、2間掘った土、
で堤には余ります、

つつみを強くする小石も川原には沢山あります、いるのはくわともっこくらいですというので、もっと良い方法があるのじあと言って、藩士に紛れ込んでいた源信にこの下に火薬、
を仕掛けて、穴は掘れんかなと言うと、樽ふたつ分を分けて竹筒に入れて4尺おきに並べて導火線を延ばして火をつければ簡単に1間の穴は掘れます、土を運び出して、もう一度しか、
ければ、

2間の穴が出来ますので後は、形を整えればよいわけです、しかし、爆薬を穴掘りに使うのですかこれはたまげましたと源信が言うと、人足の頭の富蔵もそんな事したら直ぐに終り、
お足がでませんと言うので、ちゃんとお前達10人には一月分払うよ、みんなを指南してもらわねばならんからなと言うと、ありがとう御座います、ご家老は人足頭でも食うていけま、
すよと言うと、

縄張りを始めたのです、七衛門縄張りの手伝いと護衛を頼むぞと言うと、馬の背中からつり竿と道具籠からハリのついた糸を出して、土手を掘りミミズを捕まえて、超えて川原に下、
りたのです、見張りを立てて、みんなはそこで休んでおれと言って、水面をみてうなぎでも釣れんかなと竿を入れると、直ぐに当たりがあり大きなうなぎです、これは驚いたと籠に、
いれると、

つりなんて誰もやらないので、警戒心が無いのか一時でうなぎ5匹に鯉5匹を釣り上げたのです、山本が驚いてご家老は釣りも名人ですねと言うので、エサなれしておらんのだよ誰が、
やっても釣れるぞと言うと、こんど手前も道具を用意しますと言うと、お峰が笑っています、お峰に鯉は泥臭いから、このままそこの小川に石で逃げないように堤を築き放して置、
けば泥抜きになると言うと、

藩士が石の囲いを作ったので放したのです、うまに積んだ籠からまな板と包丁を出してうなぎをさばき背骨を抜き、8枚にして川原の小竹を切り櫛刺しにしたのです、みんなが手先の、
器用さに驚いています、石でかまどをつくらせ、持ってきた溜まり醤油に砂糖と酒を加えて焼くといい匂いがします、お峰にまかせて竹の水筒から酒を飲み美味いと言って、皆に回、
したのです、

程なく40本が焼けて、お峰が焼けました昼餉にしましょうと言うので、皆を呼び一本づつ渡して、少ししかないが美味いぞと言って、握り飯を出して食べたのです、山本達と船子が、
これは美味いと言うので、この川は魚がうようよいるぞ、増水してここまで流されてきたのじあろうと言うと、富蔵がつりに料理をする、ご家老は初めてですと感心していたのです、

富蔵に縄張りはと聞くと終りました、いつでもかかれますというので、多分3日後は人足が、沢山あつまるだろうと言って、昼餉が終ると火の始末をして寺にもどったのです、部屋、
に入ると湯が沸いていますがと言うので湯に入り、上がってお峰も入って来いと言うと、湯に行ったのです、源信が入って来たので、お蝶はと聞くと、いつも二人だと怪しまれます、
ので暫く交代交代にする事にしました、

何かあれば馬で知らせてきますというので、おそらく名主達に金を渡すので騒ぎはしないだろう、出動する名目がないわけだ明日にでも千坂殿が着くはずだ、準備が出来たらわざと、
騒ぎを起こせば必ず出てくる、そこで撃滅しょう、明後日だなと言って七衛門を呼び図面をみせて水門は出来たかと聞くと、とつくに出来ています緑の火矢上げれば水門を閉じます、

赤の火矢で開きます、炸裂弾の火薬が爆発せずに燃えるように工夫して顔料を含ませますので遠くからでも識別できますと七衛門が言って、そうか中々の知恵じあのうと言うと殿に、
はかないませぬと笑ったのです、よし準備はできたなと言うと、源信がそれでは交代に行きますと部屋を出て行ったのです、お峰が湯から上がってきて、炊事場を借りて夕餉の支度、
をします、

酒でも飲んで待っていてくだされと部屋を出て行ったのです、七衛門にみんなはと聞くとそれぞれ、夕餉の支度をしていますと言って、わたしも仲間と夕餉を取りますのでと言うと、
部屋を出て行ったのです、近隣の名主の家人が来て佐倉藩のお役人が賦役の人数が少ないと言っています、旦那様がお相手をしていなさりますがと言うので、よしわかった案内しろ、
と言うと、

お峰を呼び事情を話して馬に乗り家人の案内で名主の家に行くと、二人の男が何ものだと言うので、上杉家の家老村上源三郎だひとの領地で何をしているのだと聞くと、賦役は佐倉、
藩がおおおせ使っているので御座ると言うので、金も払わずタダ働きさせているそうでは無いか、上杉家の領内の民をかってに使うとは何と言う事をするのだと言うと、それがしは、
上司の命令を聞いているだけで御座ると言うので、

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