第38話

文字数 2,928文字


源三郎江戸日記(弟二部)38

さてそろそろ帰るぞと言うと、おまちくださいと、言って桶に湯を持って来て、首すじから体全体を、拭いて下帯を閉めなおし、お顔も洗いくださいと別な桶を出すので顔を洗うと、
妻女のいなさる方は、悋気されるといけませんので、においを落すのです、できればお帰りになったら、直ぐにお湯に入りくださいというと、なる程そこまで気を使うのかと言うと、

又来て貰う為の工夫ですというので、こんな事しなくても、あの業をうければ男は又くるよと言うと、ご家老は出入りしてはいけません、ここに来られた事は、だれにも言いません、
他の女子にも口止めして置きますというので、知られて困る事はない、そんなに気を使うなと笑ったのです、めしやに戻ると、おふくがどうでしたと酒を持って来て、酌をするので、

それがなここに来る前に利根川の川原で滑って腰を打ったのじあよ、我慢しておったのじあが、いざ合戦と思ったら、腰にビビッと痛みが走ったのじあ、女郎には申し訳なかったが、
酒を飲んで話をしてきただけじあと言うと、まあ、大丈夫ですかと言うので、たいした事はない、手ぬぐいを水で塗らしてくれと言うと、ハイと言って塗らしてもってきたので腰帯、
を解き後ろに当てて、

腰帯を締めなおして、おう気持良いぞと、言ったのです、おふくが残念でしたね、なおったら、わたしが合戦して、あげますと言って、丸干しがありますので焼きますねと言うので、
頼むと言うと、女将が傍に来て、お気づかいありがとう御座いますと言って酌をしたのです、そうか、女将はごまかせぬか、ならばお峰もごまかせぬなと言うと、大丈夫ですよ奥方、
様は何もおっしゃりませんよと笑ったのです、

そうだ銭湯があると言うたな、入ってくるよ丸干しはあとじあと店を出ると、おふくが暖めたらなおさら痛くなりますよと言うと、暖めると良い事もあるのじあ、このうち方は暖め、
た方が良いと言って銭湯に行ったのです、銭湯に入りさっぱりして店にもどると、おふくが大丈夫ですかと言うので、なんだか調子はよくなったぞ飲むかと言うと、酌をしてお父っ、
さんは何処で護衛しているのと言うので、

七衛門達を護衛しているよと言うと、お七を護衛しているんでしょうと笑って、ハイ丸干しと出したのです、暫くしてみんなが帰って来て、源蔵がお主の処に泊まるというたがここ、
から成田街道に出た方が近いので、わしも旅籠に泊まる事にした、荷馬車は適当に使ってくれ、お峰殿にはよろしゅう言っておいてくれと言うので、わかった、銭湯にでも入って、
ゆっくりして帰るが良い、

又江戸であおうと言ったのです、富蔵もわたしも旅籠に泊まりますのでこれで失礼しますと言うと二人は店を出て行ったのです、それではわし達も帰ろうと七衛門に言って、女将に、
2両だすと、こんなにいりませんよと言うので、みんなに酒二本と40人からいたんだぞと言うと、一人いくらかかると思っているのですか、全部で4分銀ですよと言うので、そんなに、
安いのかと言うと、

ここは江戸ではありませんよと笑うので、まあいいではないか、みんな喜んでくれたのじあからと言うと、おふくがありがとう御座います、嫁入り支度に使いますと受け取ったので、
す、女将が済みませんと言うので、いいのじあよと笑って店を出て馬に乗り本陣へ向かったのです、七衛門に女郎屋の話をしてわしの預け金から300両とどけてくれと言うと、ハイ、
それで女郎屋にいきなさったのですねと言うので、

それもあるが、女郎と初めて寝たが、あれは凄いなわしは、討ち死にしてしまったぞと言うと、そうですか、初めてですか女郎と寝たのはと笑ったのです、これで町も賑わうだろう、
と言うと、近隣の村の者が驚きますよと言うので、富蔵にも言う分だけ払ってくれ、これは源蔵が持って来た中から払うってくれ、藩の金とは別にしてくれ、どこから持って来たか、
言いにくいからな、

まさか加賀藩からせしめたとは言えんからなあと言うと、ご家老からの預かり金とします、2万両もまだ1万両近くは残っていますと言うので、色々整備するのには金がかかるからなあ、
今月末に山本に引き渡すので宜しくなと言うと、全部帳簿につけてありますのでいつでも金寸と帳簿はお渡しできますと言うので、そろそろ人選せねばならん、明日から名主に言うて、
各村から代官所の手代になりたい者を集めてくれ、

それぞれの名主に推挙させるのじあ、長男はだめじあぞ次男以下としろ、人数は50人じあ給金は月1両でどうだと言うと、陣屋の長屋に住むのですから十分ですよと言うので、そうか、
それで50人以上集まる場合は、くじびきにしろと言うと、面談でなくて良いのですかと聞くので、面談してもわかるものか、名主の推挙だから、変な者は推挙しないだろうと言うと、
なる程それはそうですねと言ったのです、

翌日は山本を呼び、今月で水路工事は終り、陣屋も出来るので引越しせねばならんが、ここにとりあえず50人残して後は江戸に引き上げさせる、人選は任せる、勘定方、郡方、蔵方、
町方と言う事になるが、なるべく希望者から選んでくれ、二年交代として半分づつ入れ替える、したがって最初は25人4年任期となる、ここに適任者がいなければ江戸から選んでも、
よいぞ、

代官だが山本がやってくれないか、これも二年任期とすると言うと、ハイ、喜んでお引き受けします、それがしは2百50石ですが宜しいのでと聞くので、構わんよ配下にお前より石高、
が高い物がいても遠慮はいらん、あくまでも配下として使うのじあ、ここに赴任する者は月に役料として、代官は10両約25石、頭は5両約13石、その他は3両約8石を毎月支給する、

この件に関しては殿の裁可が必要なのでまだ言わんでくれと言うと、それなら国元のものも含めて、みんなここに来たがりますというので、それが狙いじあよ、行きたいので選ばれる、
ように頑張って奉公するじあろう、希望者をつのりその中から選ぶ方法にすれば、上司にごまをすらなくて良いであろう、そうしないと、ここに行けば豊かになると言うことで上司へ、
の賄賂が横行する事になるからなあと言うと、

なお選考する者は国、江戸家老とし、合議制にて入れ札にて決めて殿が裁可すると言うと、なる程公平になるようにですなと言うので、そうじあと答えて、金蔵には5000両を置いて、
置く、自由に代官の決済で使っても良いが、帳簿はかならずつけよと言うと、ハイ、無駄遣いはしませぬと言うので、まあ気楽にやってくれと笑ったのです、用水路の出口の水門は、
月に1回は必ず開け閉めして確認する事、

又水位が一間を超えたら、必ず水門は閉めること、通常の水位にもどったら水門は開ける事、これは非常に重要な役目である郡方の頭が必ず立会い指揮する事、以上の手順書を作り、
励行せよと言うと、色々整備いたしますと言ったのです、後は冥加金の徴収方法を言って、博打場は一軒のみ目こぼしせよ、その他は江戸と同じじあと言ったのです、10月末までに、
七衛門と引き継げと差配したのです、

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