第88話

文字数 2,984文字


源三郎江戸日記(弟二部)88

夕餉が終わりこの境川を回りたいのじあが、傍に道があれば良いがないところもあるじあろうと言うと、庄屋が船があります4人は乗れます、津久井湖で漁をしている者がいます、あの付近、
までは津久井湖の上です、流れは急ではないので、あそこから入り下に下れば町田までいけるでしょうが、船はここには戻せませんが差し上げますと言うので、いや、船を買おう5両でどう、
だと言うと、

小船です1両もしませんと言うので、いや、これで船を何隻かつくれば、この村の境くらいはさかのぼれるじあろうと言うと、八王子までは行き来できます、昔は作物を積んで売りに行って、
いたそうです、津久井湖のマス、うなぎ、海老等も八王子にもっていけます、あの川一つがこの村を、豊かにしてくれます、ありがとう御座いましたと言ったのです、それではわしと源信、
富蔵と遠藤殿が船に乗ろうと言うと、

富蔵が船はわたしが操船します、竹ざお一本あれば訳ないですよと言ったのです、念の為二本のせて行こう、山形達は陸路を馬を引いて町田まで戻ってくれ、八王子の代官に会って帰る、
ぞと言うと、承知したのです、明日この前の場所まで船をもって来らせますと言うので、頼んだのです、翌日遠藤達は朝早く旅立ち、源三郎達は船が来ると乗り込み八王子に向かった、
のです、

流れは穏やかです、川幅はいずれも2間あり、水が少なかったせいか木はほとんど生えておらず、邪魔にはならず進んでいったのです、3時で八王子に着き代官所に顔を出すと、板垣が驚き、
ました、朝には水位が3尺近くになってました、これで流域は水田に戻せますと言ったのです、水の事故はなかったみたいですと言うので、それは良かったそれではこにてごめんと代官所、
を出て、

船に乗り川を下っていったのです、少し流れが速くなり相模原の台地の横の境川は一段低くなっているようです、これじは町田からはさかのぼれませんねと言うので、帆をはれば風の、
強さで登れるかもしれんな、川幅からいってせいぜい10石船くらいじあなと言ったのです、2時で矢部に着き一旦降りると、庄屋が来ており、本当に3尺にまで水が増えましたね、これは、
凄いといったのです、

ここの高さでは後3尺は汲み上げる必要があるので水田の周りに水路を作り、水車で汲み上げれば大丈夫じあな、ここから上流の500間の処を取り入れ口にすれば良い勾配をゆるくすれば、
船で行き来できて物が運べるようになるぞと言うと、出来るのを楽しみにしていますと言うので、かかるのは梅雨が過ぎてからじあなというと、村総出でお手伝いします何とか早く出来、
ませんかと言うので、

そうじあな人足を使わなず村の者だけでやり、小頭が差配すれ出来るかと言うと、富蔵が小頭二人いれば十分です、同時にやらせましょうと言うので、源信火薬の量を少なくして水路は、
掘れんかなと言うと、そうですね、やってみましょう、その方が掘り返すより、ず~と早く出来ます、ここは飛猿、町田は才蔵に任せます銭屋の監視はお蝶だけで良いでしょう、七衛門、
殿に頼んで繋ぎをとりますと言ったのです、

庄屋にわかったここも町田と同時にやろう、梅雨までに出来れば500石は作付けできるかも知れんと言うと、それでも十分です、米を買わなくて済みますと言うので分かった、富蔵頼むぞ、
と言うとハイと返事したのです、開発が終わるまでは年貢は免除するぞと言うと、有難うございます、みんな頑張りますというので、その者達にも一人毎日2朱は払うぞと言うと、ありが、
たい事ですと言ったのです、

船に乗り町田に向かい1時で着いて船を下りると、若狭屋達が迎えに来て、これはもうお戻りなされたかと言うので、津久井湖から6時でここまで来たぞ、船は早いなと言うと、そうですか、
12里はあります、歩けば1日以上かかりますよと言ったのです、山形達はと聞くとまだですと言うので、馬で走ればもう直ぐ着くじあろうと言って、庄屋の家に行き一休みする事にしたの、
です、

横浜から荷駄が次々と着き、近隣の百姓が大勢で人足小屋を作っていたのです、若狭屋が後5日もあれば工事にかかれますというので、そうか、わしは明日横浜に行き、一旦江戸に戻り上、
様に今後の段取りを説明して戻って来るというと、私と越後屋は暫くここに留まりますといったのです、2時して山形が戻ってきて、もうお戻りでしたか、急いで戻ったんですが、船に、
はかないませんなと笑ったのです、

それでは遅くなったが昼飯でも食うかと言うと、庄屋が握り飯と味噌汁を出したので、みなで食べたのです、まだ夕暮れには間があるなと言うと、馬にのり周りを見て回ることにして街道、
にでると左側な小さな森があるので進んでいくと、大きな樫木があります下には大きな穴が開いており、そこには紙垂がつけてあります、山形がこれは樹齢500年以上です、御神木みたい、
ですなと言うので、

神様が宿るっているのかなと中を覗くと、小さい白ヘビが出て来て一回りすると、奥に消えたのです、神様がいたぞと言うと、みんなが覗き込みましたが何もいません、何もいないようで、
すがと遠藤が言うので木の後ろに隠れましたよと言うと、見れたのは村上殿だけですなと言ったのです、周りを一回りして庄屋の家にもどり、白へびの話しをすると、そうですか見ました、
か、

神様の使いの白いへびが住んでいるそうですが、見たものはいません、言い伝えなので紙垂がつけてあるのです、見たのはご家老様だけですよと言って、あそこに村の守り神として小さい、
神社を作りましょう、神社の名前は村上神社ではどうですかと言うので、わたしは神ではありませぬ、村を富ます神社、村富神社ではどうですかなと言うと、それは良いですね白へびも喜、
ぶでしょう、

この絹街道は村富街道ですなと庄屋が言ったのです、翌日は街道を横浜に向かい港に行くと、大工と村の衆が人足小屋作りを始めていたのです、七衛門が丁度海底をさらう鉄の板を運んで、
きましたので、縄を取り付けているところですと言うので見に行くと、いかだの上に長さ2間高さ一尺の長い鉄の板に縄を括り付けていたのです、縄の先は100間ありこれからいかだを船に、
近づけて縛りつけますと言うと、

いかだを船にちかづけ縛りつけると、その板を落せと言うと、海の中に落としたのです、そこの船で見にいきましょう、と言うので乗り込み、落とした処に行くと船頭が帆を張れと命令し、
やや帆を斜めにすると縄がピーンと張り船が沖に行くと100間はすぐに削れたのです、板を引き上げて同じ動作をさせると、今度も簡単に100間進んだので、濁りを待って下を覗くと見事に、
幅2間長さ100間が一尺削れて土肌が見えています、

これは凄い、幅を4間けずり、あの削れた100間に爆薬を仕掛けて深くして土砂を沖に、もって行けば船が陸に近づけるので、簡単に港が出来るなと言うと、ハイ、この作業に千石船二隻、
を使います、両脇から削れば早くおわります、並行で両脇に石を落として砂防ぎの堤を作りますと言ったのです、船二隻を使うと本業はときくと、新しく出来た二隻です、大丈夫ですよ、
足りなければ中古の船を買います、

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