第80話

文字数 2,759文字


源三郎江戸日記(弟二部)80

そうか、真鍋様も源三郎が邪魔なのだな、よし、吉野道場の師範代に頼むかと言うと使いを出したのです、銭屋何か用かと佐々木小太郎が入って来て座ると、まずは一献と酒を勧めて、
堀内道場の目録持ち村上源三郎を知っていますかと聞くと、名前は聞いた事はあるが、わしは東軍流なので立ち会った事はない、堀内道場では四天王には入っていないはずだ、大した、
腕ではないのじあろうと言ったのです、

上杉家の筆頭家老、をやっていますと言うと、家老が剣の達人なわけないと言うので、何人集められるのだと聞くと、相手が家老だと少なくとも10人は警護につくだろう、倍の20人は、
必要じあなと言うので、一人10両で佐々木様には50両払いますと言うと、引き受けよう20人いればわけないと言うので、奴は根岸の若狭屋の寮に住んでいますと言うと、上杉家の家老、
がかと言うので、

上屋敷にも役宅はあるそうですが、若狭屋が祖父にあたるそうで、根岸には母が住んでいるそうです、というので、そうか、正室の子ではないのだな、それでそこにいるのが多いのか、
遊び人に見張らせて、動けば相模原に先回りして待ち伏せようと言ったのです、銭屋が250両を渡すと、佐々木は店を出て行ったのです、番頭が大変ですと言うので、どうしたのだと、
聞くと、

蝦夷よりの知らせで、函館奉行がアイヌとの、取引現場抜き打ちで調べ、取り決められた、交換をしているかどうか、確認するそうで、役人が松前藩内に番所を構えたそうです、不正、
取引に松前藩が加担して、おればアイヌとの専売を取り上げると言われたそうです、松前藩の郡奉行が知らせてくれたそうですと言うので、おのれ柳沢のしわざだなと言うと、まとも、
な取引ですと利が半分になると言うておりますと言うので、

ならば幕府の役人に賂を渡して、目こぼししてもらえば良いだろうと言うと、それが受取らないそうに御座います、函館奉行は相当に脅かされているのだろう、それなら、架空の店を、
作り、その者に取引させれば良い、監視しておれば何処を抜き打ちにするか分かるだろう、その時だけまともな取引をすれば良いのだ、実際に不正取引しているところでないと、証拠、
はないだろう、

書付はまともなのだからな、もしつかまったら鑑札を取り上げられるだけだ、銭屋が直接やらねば良いのだ、架空の店だから、店の看板を次々に変えればよい、鑑札は松前藩が出してい、
るのだ、金さえ払えばなんぼでも取れる、松前藩の賂を増やせば良いのだ、松前藩が加担しているのでないから咎めだて出来ないと言うわけだ、函館奉行から不正をやった店の通知が来、
たら鑑札を取り上げれば良いわけじあ、

アイヌとの抜荷は松前藩は知らぬ顔をしているので、上手くやれば良い、そこまで函館奉行は手は回らんし、それは松前藩の問題だから、取り締まられたほうが良いと助言しかできんだ、
ろうと言うと、分かりました、銭屋が表に出なければ良いわけですね、松前での店での商いと廻船業を表でやりますと言ったのです、柳沢め悔しがるだろう、簡単に儲けを諦めるはずは、
ないわと笑ったのです、

番頭が函館の商人が松前に出てきて、まともな取引をされるとそちらに品物が流れてしまいますがと言うと、松前藩が鑑札をださないように裏で細工すればよいだろう、函館奉行管轄は、
室蘭、苫小牧、釧路だ、幌内が一番アイヌが多い、そこに入り込まれなければ、良いのだ、もし進出しょうと言う、商人がいたら、ごろつきを使って、難癖をつけて痛めつけろと言った、
のです、

ところで長崎の方はと聞くと、こんど青山外記と言う方に代わるそうですが、どうも、柳沢様の息がかかった人だそうですというので、抜荷をやっているのは対馬藩の島だ、長崎奉行、
管轄外だと言うと、幕府の認めた交易船からの荷は入れ札で幕府より買う事になっています、ここから締め出されると、船に南蛮の物があれば抜けにだと発覚しますと言うので、その、
入れ札で不正をしなければ良いのだ、

南蛮品を扱う為にやっているのだ、大して利は出ていないので、一応長崎の商人と同じ賂を、わたせばよいだろうと言ったのです、番頭がハイ、そういう風に文で指示しますと言った、
のです、まつたく、1万両も賂を渡したのになぜわしを追い落とそうとするのじあ、待てよ真鍋様が源三郎がひどく怒っているので、ことごとく商いの邪魔をするだろうと言っていた、
が、

奴が裏から柳沢様を炊き着けているのかもしれん、いまに見ていろよと唇を噛んだのです、手代が村上源三郎様からの文だそうですと渡すので、何村上だと何だと読むと、よくもこけ、
にしてくれたな、お前とは手切れだ、こちらは戦支度で叩き潰してやる、いつでもかかって来い、上杉の毘沙門天の旗をお前の店に翻してやるので、覚悟する事だ、村上源三郎と書い、
てあったのです、

番頭が相手は米沢藩の主席家老ですよ、軍勢も動員できます、和解なさった方が良いですよと言うと、いまさら、侘びをいれれば10万両は差し出さねばならん、少しの事では許すはず、
がない、金の力で叩き潰す他ないのだよ、軍勢を差し向ければ幕府から改易にされるだろう、動かせるもんかと言ったのです、しかし、前田様が相手の味方になって出入り差し止めに、
でもなれば、

噂が広がり大名にこぞって差し止められれば、屋台骨は傾きますよと言うので、わかっておるわ、だから奴を抹殺するしかないのだよと座卓を凄い剣幕で叩いたので、番頭が驚いて傍、
を離れたのです、くそ面白くもないと言うと、わしは料理屋で飲んでくるぞと店を出て日本橋の料理屋霞に行き、芸者を10人呼ぶのだと言うので、女将がどうしたんですかと聞くと、
うるさい、

早く座敷に案内しろと怒鳴ったのです、女将が案内して暫くお待ちくだされと部屋を出て、1階に下りて、まつたく八つ当たりしてと言って、女中に膳をもってと行ってと言って、治助、
芸者を10人呼んで、銭屋の席につけなさいと言うと、手酌で湯のみに酒を注ぎゴク、ゴクと飲んで、わたしは絶対銭屋の席には顔は出しませんからねと言ったのです、治助が呼ん出来、
ますと店を出て、まいったなあ何があったのだと呟いたのです、

源三郎が根岸に帰り馬を降りると、お峰が出迎え鞍の葵の紋所を見て、この馬はどうしたんですかと聞くので、上様から拝領したのだよ、名前は疾風だそうだと言って、小者に特別扱、
いせんでも良いぞ、エサも他の馬と同じでよいと言って、部屋に入ったのです、どうでしたと聞くので、総てを聞いてくださったので、明日相模原の検分に行く、3日かかるがその後は、
戻ってくるぞと言うと、

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