第53話

文字数 2,976文字


源三郎江戸日記(弟二部)53

相馬から米沢までの街道の整備は終ったそうに御座います、峠は6つ程あるそうですが、荷馬車が通れるように勾配は大きいところで15度程だったそうで、これを10度以下にして道幅を、
倍にしたそうです、谷川の危ない場所には杭を打ち込み滑りとめにしてあるそうで、ご家老の工夫をしなくても、これなら二頭の馬で楽に登れるそうです、屋根は雪深くなるところに、
は取り付けたそうです、

屋根板二枚に一枚の空間を設けたそうで、こうすれば中は明るいので、松明はいらないそうです、叉そりなので少し雪が会ったほうが進みやすいので、この空き窓から雪が入るのでそり、
でも進みやすいと言う事です、戸板のヘリに桟がつけてあるそうで横には雪は落ちなくしてあるそうです、雪より雨の為のがけ崩れが多いそうなので、竹をくりぬきがけに沢山打ち込ん、
で水抜きを作つたそうです、

こうしておけばしみこんだ水が竹筒にはいるので、がけ崩れ防止になるそうです、すでに米沢側の3つの峠には雪が降っているそうですが楽に通れるとの便りでしたと言うので、そうか、
中々の工夫じあなと言うと、整備したお陰で荷馬車なら、1日半でいけるそうで、冬は魚が痛まないので、相馬の海魚が米沢に運んで売っているそうで、中々の評判だそうです、ついで、
に蝦夷の海産物も運んでいるそうですと言うので、

荷物の変わりに、人を運ぶのもいいのではないか、途中からの乗り降りも出来るようにすれば、街道筋の人も喜ぶだろうと言うと、なる程米沢の番頭に、やらせましょうと言ったのです、
七衛門がわたしは寄り合いがありますので失礼します、ご家老はごゅっくりと言うと出て行ったのです、あやめが二人きりですねと嬉しそうです、店をやる金は貯まったかと聞くと、35、
両程貯まりましたと言うので、

どの位でやれるのだと聞くと、60両あれば小料理屋くらい出来ますが、まだ芸者で稼ぎます、この仕事も楽しいのですというので、風呂敷に包んであった25両を出して、これもその費用、
に当ててくれと言うと、こんな大金いりませんよと言うので、もらい物だからいいんだよと言うと、みんなで分けますと言うので、そうしたほうがよいな、悋気を買うといかんからなあ、
と言ったのです、

根岸に戻ると母上が御老中方は何の用事でしたかと聞くので、今回の事で褒美を下されたのです、母上達にもおすそ分けですと25両の包みを渡して、これで4人とおうめの着物でも買って、
くだされと言うと、良いのかと言うので、貰い物です遠慮なくというと、お律が嬉しいお峰殿、お滝殿、明日呉服屋に行きましょうと言うので、母上がお峰に渡して、気に入ったものを、
買うてきなされと渡したのです、

みんなは炬燵に入っていたので、どうですかと聞くと、母上がほんにぬく、ぬくで出たくありませぬなあと笑ったのです、お峰が部屋の火鉢に炭を入れてきましょうと言うので、それでは、
失礼してここに入らせてくださいと炬燵に入ったのです、これは良いわと言って、父上に叱られますかな、と言うと、大丈夫ですよ、これは良いと言うに決まっています、とお律が言った、
のです、

お峰が戻ってきて、炭を入れましたよと言うので部屋に入ると、茶づけの用意がしてあり、かき込んだのです、お峰とお滝に明日から米沢に行ってくるので後は宜しくな、徳三郎は連れて、
いこうというと、お春が喜びますなあ、沢山情けをかけてやってくだされと言ったのです、二人は膳を片付けに部屋を出て行ったのです、炬燵に入っていると戻った来て、きょうはお滝が、
夜伽をしますと言うと、

お滝頼みましたぞとお峰は部屋を出て行ったのです、お滝が酌をして早くお戻りなさりませというので、わずか10日じあ、ところで母上とは上手く行っているのかと聞くと、ハイ、やさし、
しゅうしてくださいます、小姑のお律はと聞くと、旦那様の事を色々教えてくださります、みんな良い人ばかりですと言ったのです、それでは休むかと言うと、お滝は火鉢を外にだして、
灰を被せて、

行灯を消してフトンに入って来たので帯を解き燃えあがったのです、翌日は朝餉を取ると徳三郎と一緒に、籠に乗り佃に行き小船で、玄海屋の千石船に乗ったのです、船頭がイカリをあげ、
ろ、帆を張れと言うと帆が張られ白波を建てて浦賀水道に向かったのです、駿河湾に入り三島から外海に出て、房総沖を北上したのです、明日の朝には相馬に着きます、向かい風ですが、
問題ありませんと七衛門が言ったのです、

房総沖を通過すると夕方にになり、空には満点の星です、前から風が来ても進む船に徳三郎がビックリしていたのです、一日で相馬に到着したのです、ここの港は水深が深いので横付け、
できます、木の梯子を下りると番頭が出迎えて、古着を下ろすのに1時かかります、蝦夷からの海産物と相馬の海産物は荷馬車に積み込んであります、後古着を積み込めば出発できます、
店で朝餉を取りお待ち下さいと言うので、

直ぐ傍の店に入ったのです、座敷に上がると朝餉が運ばれて来たので、見るとズワイカニの味噌汁にカレイの煮付けです、箸をつけてこのカレイは肉厚で美味いなと言うと、この海は、
暖流と還流がぶつかりますので、良い漁場が沢山あり魚は豊富なのです、これからズワイカニの季節になりますと言ったのです、番頭が道普請をやりました親方が馬で米沢まで同行し、
ます、

荷馬車には二人乗る事になっています、何かあった時の為です、途中まで荷馬車で行き雪の場所は車の両車輪にそりの木をはめてそりの荷馬車になります、簡単に取り外しできるように、
なっていますと言ったのです、朝餉が終って外にでると酉蔵といいます街道を案内しますと言うので、宜しく頼む住まいはどこだと聞くと、米沢ですというので、迎えご苦労じあったな、
工事の金寸は足りたかと聞くと、

人足の給金も沢山出してもらいましたから、工事もはかどりましたと言ったのです、七衛門が商いの方はどうだと聞くと、相馬領内でも古着の売れ行きと蝦夷の海産物も珍しいので売れ、
ていますと言うので、それはなによりだなと言うと、冬でも街道が通れるようになりましたので商いも繁盛しますよ、叉街道筋の宿場も喜んでいます、街道は宿場から次の宿場の半分を、
見回ってくれる事になっています、

宿場の町名主が商いをやっている者から維持費を徴収して、近隣の百姓衆に頼み雪かき等の手間賃を払う事になっているのです、今までは冬は訪れる人もなかったのですが相馬、米沢の、
行き来ができますので宿場も潤うわで皆喜んでいますと話したのです、七衛門に整備にどれ位かかったのだというと、およそ5000両と言うところです、相馬藩も天領地の代官も出すのは、
無理なので、

いままで整備されていなかったのです、相馬藩も街道筋の代官も喜んでいるそうですと言ったのです、その投資が万両になって帰ってくるわけじあなと言うと、ハイ、金がなければ何も、
発展しないと言う事ですねと言ったのです、用意が出来たというので馬に乗り荷馬車の後をついて行ったのです、街道は意外と人が行き来しています、道幅も広く聖地されているので、
馬車も走り易いようです、

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